ここから本文です

「SEMICON West 2016」開催、半導体ビジネスの変革を迫る

EE Times Japan 7月14日(木)10時43分配信

■半導体製造装置と半導体製造用材料に関する北米最大の展示会

 半導体製造装置と半導体製造用材料に関する北米最大の展示会「SEMICON West 2016」が始まった。会期は7月12日~14日の3日間、会場は米国カリフォルニア州サンフランシスコのモスコーンセンター(Moscone Center)である。

【『「SEMICON West 2016」の出展社と来場者の概要』などの画像へ】

 初日(7月12日)の朝には主催者のSEMI(半導体製造装置・材料協会)が報道機関およびアナリストに向けた説明会を開催し、「SEMICON West 2016」の概要と、半導体製造装置と材料の市場動向、半導体製造の産業動向を解説した。

 「SEMICON West 2016」の出展社数は691社。前年の683社とほぼ同じ水準である。出展小間数は1235小間で、前年の1216小間とこれもほぼ変わらない。新規の出展社は130社で、前年の136社に比べると6社ほど減少した。とはいえ、50年を超える歴史がある半導体産業で、今でも出展者の2割近く(19%)が新規というのには少々、驚かされる。業界の新陳代謝が現在も活発であることの傍証といえるからだ。

 来場者数は前年の2万6000人強と、ほぼ同数を見込んでいる。前年の実績では、来場者の約40%がエンジニアリング職、来場者の約79%が製造装置や材料などの購入に関わっている。米国以外からの来場者は約17%を占める。

■「これまでのビジネスは忘れろ」

 「SEMICON West 2016」のテーマは「Definitely Not Business as Usual(これまでのビジネスでは絶対に通用しない)」である。なかなか刺激的で面白い。日本の展示会では多分、出てきそうにないテーマだろう。

 説明会の資料で今回のテーマを説明するページには「Forget business as usual.(これまでのビジネスは忘れろ)」という一文がある。これまでのビジネススタイルは忘れ、新しいスタイルを探し、見つけなければならない。つまり、「『SEMICON West 2016』に参加することで、新しいビジネスのスタイルを発見しろ」と言っている。

 背景にあるのは、半導体産業が明らかに転換期に入ったということだ。転換期に入ったことを示す事実はいくつもある。半導体メーカーの企業買収や事業買収などが相次ぎ、業界は統合と再編成が進んでいる。ムーアの法則に沿った微細化(スケーリング)がペースダウンするとともに、ペースダウンを最小限にとどめようとする新デバイスや新プロセス、新材料などが登場した。

 微細化に伴う巨額の開発投資と設備投資は、1社単独での垂直統合モデルをほぼ完全に崩壊させた。垂直統合モデルを維持できているといえるのは、多分、Intel1社だけだろう。そのIntelもファウンドリービジネスに手を染めることで垂直統合モデルを壊しつつある。

 垂直統合モデルの崩壊は、水平分業モデルが半導体産業全体に普及したことを意味する。排他的なサプライチェーンは困難になり、相乗りや協業などによるサプライチェーンがごく普通になっている。一方で半導体製造に対する要求仕様は広範囲かつ多様になった。半導体メーカー1社、さらには装置メーカー1社で全ての要求に応えることは極めて難しい。

 「SEMICON West 2016」は、半導体産業に携わる人間全てに「頭の切り替え」を迫る。展示会や講演会などをのんびりと見て回ることは、もはや許されない。覚悟し、活目せよ。そして「何か」をつかむまで、会場を後にしてはならないのだ。

最終更新:7月14日(木)10時43分

EE Times Japan