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「神戸製鋼のアルミ・銅部門-中国事業の展望」〈金子副社長〉=車向けアルミ、パネル工場の立ち上げ順調

鉄鋼新聞 7/14(木) 6:00配信

 中国・上海で開幕した「アルミニウムチャイナ2016」に出展している神戸製鋼所は、自動車パネル材やサスペンション用アルミ鍛造品を展示している。12日に同社のブースを訪れた金子明副社長にアルミ・銅事業部門の中国事業について聞いた。

――中国には、すでにアルミ板とアルミ鍛造品の分野で進出しています。アルミ板について事業環境を。
 「自動車パネル仕上げ拠点の神鋼汽車アルミ材(天津)の立ち上げは順調に進んでいる。今春の稼働から量産開始までのおよそ1年間は、生産性の引き上げやオペレーターの教育などに注力する重要な1年。日本から現場のスタッフが19人、営業などのスタッフも14人程度を応援として派遣しており、真岡製造所のノウハウを注入して、より良い製品を造っていく」
 「マーケットについては、中国の景気減速を受けて不安視する場面もあったが、自動車の軽量化に関するニーズは非常に強く、当初想定していたレベルで推移している。欧米系自動車メーカーなどへの認証作業に入っているが、アルミ材への関心が高いと実感しており、受注につながるように認証作業もスピードアップしていきたい」
――アルミ鍛造品はどうですか。
 「サスペンション用部材については、蘇州に神鋼汽車アルミ部件が立地している。ここでは自動車サスペンション用鍛造品の需要が想定を下回っていることもあり、3号鍛造機の導入がストップしている。これについては、需要動向を注視しながら必要なタイミングで再実行していきたい」
 「中国でもサスペンション部材はまだまだスチール材が大半のシェアを占めている。足元は少しばかりトーンダウンしている状況だが、車の燃費規制強化の中で“軽量化“がテーマであることは間違いない。アルミからスチールへ逆行する動きも一部にはあるが、これからアルミ材が伸びていく手応えは感じている」
――2020年までの中期経営計画では自動車部材をテーマに中国での押出材拠点も視野に入れています。
 「押出材による自動車構造部材は、まずは米国が最優先。米国では大型かつ高級車を中心にアルミ材の採用が進んでおり、マーケットの拡大が期待されている。一方で中国はまだ米国のような規模で進むとはみておらず、動向を注視している段階。とはいえ中長期的には米国と同じような流れで、中国でも高級車を中心に構造部材のアルミ化が進むだろう。そうしたときには米国拠点と同様の形で展開する可能性はある」
――足元の銅板条事業は。
 「蘇州にコイルセンターの蘇州神鋼電子材料があるが、車載用端子材の需要が旺盛で、加工量も昨年度に比べて2割以上の水準で伸びている状況。われわれが得意とするめっき技術や合金性能が中国のユーザーに対して徐々に浸透してきたのだと認識している。裏を返せばこれまでそうした営業活動が足りていなかった可能性があるので、認知度を上げるために営業マンを増員して販売拡大に努めていく」(中国・上海発=遊佐鉄平)

最終更新:7/14(木) 6:00

鉄鋼新聞