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帝人、LiB向けセパレーターのアジア需要取り込みに成功 中韓FTAで韓国拠点の5割増強を検討

日刊工業新聞電子版 7月14日(木)15時23分配信

中国メーカーへの供給も開始

 帝人はリチウムイオン二次電池(LiB)向けセパレーターの生産能力を増強する検討に入った。生産拠点がある韓国でスマートフォンやタブレット端末向け販売が底堅いうえ、中国メーカーにも供給を始めるなど堅調なアジア需要に対応する。韓国拠点の生産能力を現状比50%増の年5400万平方メートルとする案を中心に検討、2016年度内に判断する。50%増強時の投資額は20億―30億円と見られる。

 帝人は12年から韓国子会社で、ポリエチレン(PE)基材にフッ素系化合物を塗工したLiB用セパレーター「リエルソート」を生産する。

 生産ラインは2系列あり、現在の生産能力は年3600万平方メートル。スマホやタブレット端末用LiBなどを製造する韓国企業に販売が伸び、今年4月からは中国のLiBメーカーに出荷を始めた。中国の需要拡大をにらみ、販売人員の増員など体制強化に着手しており、設備面の増強も急務となっている。

 帝人は能力増強に当たり中国に新工場を新設する案も残しているが、現状では4系列まで拡張の余地が十分にある韓国工場への追加投資が有力だ。また、中韓の自由貿易協定(FTA)により、中国への輸出障壁が少ないことも韓国工場への投資を後押しする要因になりそうだ。帝人は車載用LiB向けにPE基材にメタ系アラミドを塗工した高耐熱性のセパレーターも持つ。

 ただ、現在の生産はほぼ全量が民生向けのフッ素系樹脂を塗工したセパレーターとなっている。

最終更新:7月14日(木)15時23分

日刊工業新聞電子版