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ヘイト未然防止提言へ 川崎市長の諮問受け市人権施策推進協

カナロコ by 神奈川新聞 7月14日(木)8時30分配信

 川崎市の福田紀彦市長は13日、市人権施策推進協議会(会長・阿部浩己神奈川大教授)にヘイトスピーチ対策に関する報告書を年内に提出するよう依頼した。これを受けて同協議会はヘイトスピーチを未然に防ぐ方策について提言することを決めた。市による条例制定も念頭に公的施設を利用する際の基準のあり方などを審議していく。

 福田市長は同日「差別や偏見のない社会を実現するための施策の強化」について同協議会に諮問。答申の期限は2018年3月だが、インターネット上の誹謗(ひぼう)中傷といった新たに取り組むべき人権問題のうち、へイトスピーチ対策は「本市における喫緊の課題」として優先的に審議するよう依頼した。

 川崎市では13年5月から在日コリアンに対する差別と排斥をあおるヘイトデモが13回行われている。市は今年5月30日、主催者の男性の公園利用を不許可にした。過去の言動から人権侵害が繰り返される恐れがあると判断したもので、この男性以外がヘイトデモを計画した場合の対応などが課題となっている。

 諮問を受けたこの日の協議会ではヘイトスピーチを未然に防ぐ仕組みづくりについて意見が交わされ、「規制の難しさはあるが、地域の実情に応じて知恵を絞るべき」「公的施設の使用を制限することは市の権限でできるのでは」といった声が上がった。

 阿部会長は「ヘイトスピーチは新たな問題であり、事後の被害の回復も難しい。従来の憲法解釈では公的施設を使う際の事前規制は難しいとされてきたが、同じ考え方でいいのか」と指摘し、「大阪市のヘイトスピーチ抑止条例や福田市長の判断といった蓄積の上に、さらに何ができるのかを考えたい。時間的制約があり、報告書は条例の土台となる要綱の素案のようなものになるのではないか」との見通しを示した。

最終更新:7月14日(木)8時30分

カナロコ by 神奈川新聞