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[社説]これが国民保護のためのTHAAD配備なのか

ハンギョレ新聞 7月14日(木)6時56分配信

 政府が高高度防衛ミサイル(THAAD<サード>)の配備地域選定の予定を前倒し、13日に慶尚北道星州(ソンジュ)に確定して発表した。星州地域の反発が高まっている状況では、発表を見送っても混乱が拡大するだけと判断したものとみられる。

 政府がTHAAD配備の決定と配備地域を発表する過程で露呈した矛盾と問題点は一つや二つではない。THAAD配備の決定に対し、中国とロシアが強く反発したことを受け、国防部は、THAAD配備は中ロとは関係なく、北朝鮮の核とミサイルから韓国国民を保護するための処置だと主張した。THAADが韓国に配備されれば、パトリオットミサイルよりはるかに広い地域を大きな傘でカバーする効果をもたらすということだ。しかし、(配備地域を)星州に確定したことで、国防部は自らの論理を覆した。THAADが星州に配備されれば、ソウルを含む首都圏のほとんどがTHAADの射程の半径200キロメートルの外に置かれることになる。50%近い国民が住む人口密集地域を射程距離から外しておいて、北朝鮮の攻撃から国民を守るためにTHAAD配備を決めたと主張するのは、とんでもない話だ。

 星州にTHAADを配備すると、首都圏は(防衛網から)外れるが、平沢(ピョンテク)や烏山(オサン)、群山(クンサン)、大邱(テグ)、漆谷(チルゴク)など、在韓米軍基地がある地域はほとんど射程内に収まる。これが何を意味するかは明らかだ。THAAD配備は徹底的に米国の利害関係の中で準備され、決定された、米軍中心の防衛システムという事実だ。にもかかわらず、国防部は韓国国民の安全のためにTHAADを配備すると言ってきたのだから、国民をばかにしているとしか言いようがない。また、あえて配備場所を南部地域に決めたのは、中国の反発を避けるため、できるだけ中国から遠い場所を考慮したからだという話もある。これだから「主権的レベルの自衛措置」という政府の主張をそのままが信じるわけにはいかない。

 THAADの配備地域の発表過程も理解できない。当初、政府はTHAAD配備決定を発表する際、配備地域も一緒に発表する予定だったが、米国の圧力に押され、急いで決定したため、配備地域の発表が後回しになったという。すでに地域を確定した状態だったのだ。にもかかわらず、政府はまるで候補地を物色しているかのように、漆谷が有力とか梁山(ヤンサン)が適しているとしながら、混乱を招いた。政府が国民をだましたのに他ならない。

 配備地域に決まった星州の住民たちにとっては晴天の霹靂のはずだ。政府はTHAADが安全だと主張しているが、THAADから発生する電磁波に対する懸念を払拭し切れないだろう。しかも、THAADの配備地域は、有事の際、敵軍の集中攻撃の対象にならざるを得ない。該当地域の住民たちが反発するのも無理もない。星州郡民たちの抗議を地域利己主義として簡単に非難してはならない。

 THAAD配備は最初から間違っていただけに、原点から再検討しなければならない。そうでないと、国論の分裂が続き、国益を損ねたかどうかをめぐる問題もさらに拡大することになるだろう。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:7月14日(木)6時56分

ハンギョレ新聞

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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