ここから本文です

ご決断に県民驚き 天皇陛下生前退位意向

北日本新聞 7月14日(木)0時42分配信

■「82歳の公務大変」心情に思い寄せる

 天皇陛下が生前退位の意向を示されていることが明らかになった13日、陛下からお言葉を掛けられた経験のある県民からは驚きの声が上がった。天皇陛下は昨秋に、射水市での「第35回全国豊かな海づくり大会」に出席されたばかり。「82歳での公務は大変」と思いを寄せる声や、来春に魚津市で開かれる「第68回全国植樹祭」に向け「健やかなお姿で来県していただきたい」と願う声も聞かれた。

 天皇陛下は昨年10月、射水市で開かれた全国豊かな海づくり大会のため皇后陛下と共に来県された。夏野元志市長は「大会ではお元気な印象しかなかったので大変驚いている。このたびの決断をされるまでに悩まれたのではないか」と話す。

 神通川流域カドミウム被害団体連絡協議会の高木勲寛代表理事(74)は大会前日、県立イタイイタイ病資料館を視察された陛下から「大変でしたね」と言葉を掛けられた。「お心が伝わってくるようだった」と振り返る。「公務は緊張の瞬間が続き、ご高齢で大変だろう。健康のことを考えると生前退位は一つの選択肢だと思うが、寂しい気持ちだ」

 両陛下は戦後の節目ごとに国内外の激戦地などを巡り、犠牲者に心を寄せる「慰霊の旅」を続けてこられた。ことし1月には初めてフィリピンを公式訪問。父を現地で亡くした田原政信県遺族会長(71)らが出迎えると、両陛下は遺影を手にした田原さんに歩み寄り「お若かったのですね」「ご苦労されましたね」と伝えられたという。田原さんは「優しい言葉はありがたかった。お元気であれば、平和への祈りを込め、慰霊の旅を長く続けていただきたい思いはある」と話す。

 陛下が2000年とやま国体に合わせて来県された際、旧宇奈月町長を務めていた中谷延之前黒部市副市長(76)は、地元の特別養護老人ホームで出迎えた。「一人一人に声を掛けておられる姿に胸を打たれた」と語る。13年に秋の園遊会に出席した時には陛下から「あの時はお世話になりました」と声を掛けられ、記憶力に驚いたとも。「陛下は元気そのもの。まだまだ公務を続けていただきたい」と正直な胸のうちを明かした。

 天皇、皇后両陛下が出席される国民的行事「全国植樹祭」の来春の開催地は魚津市。村椿晃市長は「健やかな姿でおいでいただきたいと思っている。何よりも健康に留意していただきたい」と述べた。

北日本新聞社

最終更新:7月14日(木)0時42分

北日本新聞