ここから本文です

自民会派でも疑問視 矢後県議・政務活動費架空請求

北日本新聞 7月14日(木)0時46分配信

■内部審査 身内に甘く

 県議会副議長の矢後肇氏の政務活動費を巡り、購入したとする書籍が高額で専門的すぎるとして、所属する自民党会派の責任者が詳細をただしていたことが13日、分かった。ただ、矢後氏が「実際に購入したし、勉強もした」と説明したため、それ以上追及しなかったという。議会事務局も疑問を抱いたものの、会派に内容を確認するだけで済ませていた。

 同じ会派の県議という“身内”では審査が甘くなる面が否めない。議会事務局も本人や書店側に事情を聴くことなく調査を終えており、公金から支出される政活費の使途のチェックの在り方が改めて問われそうだ。

 県議会は、議員1人当たり年間計360万円の政活費を支給。自民党会派は、会派として人数分の金額を受け取っていったんプールしている。所属県議は調査や研究に使ったものを買った場合、月ごとに会派に領収書を出して請求。1人当たり月20万円をめどにしているという。

 請求があれば、最初に会派職員が書類に不備がないかをチェック。その上で政調会長、政調副会長が全て精査し、各県議に支払っていいかどうかを判断する。問題がなければ、政活費をプールしている会派の銀行口座から、各県議の口座に振り込む。

 政活費の使途が問題視されているのは2010~14年度。その間、支払いの責任者である政調会長は上田英俊(09、10年度)、五十嵐務(11、12年度)、宮本光明(13、14年度)の3氏が務めている。

 五十嵐氏は「領収書は基本的には本物だと信用して支払っている」と説明。ただ、11年春に矢後氏の書籍の購入費が高額で専門的すぎるため、事務職員を通じて使途を確認。しかし、矢後氏が「実際に購入したし、その本で勉強もした」などと答えたため、追及しなかった。

 宮本氏は「変わった本を買っているなと感じたことがあったが、本人が関心を持っている分野だと思い、調べることはなかった」と言う。上田氏は「個人によって問題意識を持つ課題は違うので、書籍の内容までは踏み込んで判断しなかった」と述べた。


■本人に聴取せず 県議会事務局
 県議会事務局は各会派から収支報告書が提出されると、政務活動費の交付条例に基づき、支出行為が政党や選挙、後援会活動、私的経費などに当たらないかチェックしている。矢後肇氏の書籍購入については毎年、政務活動との関わりが不透明として本人ではなく会派に問い合わせていたが、会派からは「政務に必要な支出」と回答があったという。

 事務局は「議員活動は幅広い。『必要』と言われれば、舛添前都知事が政治資金で購入した漫画『クレヨンしんちゃん』のように、明らかにおかしいものでなければ、われわれはそれ以上追及できない」とした。交付条例には、事務局の調査権限などは定められておらず、チェックに限界があるという。

北日本新聞社

最終更新:7月14日(木)15時25分

北日本新聞