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実家の相続[中] きょうだいで土地を相続。どう分けるのがいい?

SUUMOジャーナル 7月14日(木)8時0分配信

実家の家や土地の相続で注意しておきたいことを3回にわたって紹介する。今回は、土地の相続。きょうだいで分ける場合に知っておきたいポイントについてだ。相続の際、親族間やきょうだいでトラブルになりやすいのは住宅や土地などの不動産。現金と違って、明確な数字で分けにくいからだ。きょうだいで土地を相続した場合の分割方法や、注意点などを札幌土地家屋調査士会副会長の小川和紀さんに聞いた。

■土地の分け方は共有・分筆・代償分割・換価分割の4つ

実家の土地をきょうだいで相続することになった場合、相続人の人数で分けられて、それぞれが自分の希望通りに使えるような立地や広さの土地であればいいのだが、「分けると使い道がないほど小さな土地になる」「家が建っているので分けにくい」「遠方にあるのでどうしたらいいか分からない」など、悩みを抱えることがある。相続した土地の分け方にはどのような方法があるのだろう。

土地の分け方には大きく4つの方法がある。
●共有
ひとつの土地を複数の人で所有すること。不動産を共有する場合は「持ち分」を決めて相続する。例えば、兄と弟で共有する場合、兄2分の1、弟2分の1とすれば不公平感は生まれない。この場合、土地が半分になるように線を引いて分けるというのではなく、その土地に対する権利を2分の1ずつ持つという意味だ。

●分筆
土地を切り分けてそれぞれが所有する方法。測量を行い、1筆の土地を2筆以上に分ける土地分筆登記をする必要がある。

●代償分割
相続人の1人が土地のすべてを相続する代わりに、ほかの相続人にそれぞれの相続分と同等の現金などを支払う方法。

●換価分割
土地を売却して得た現金を、相続人全員で分割する方法。

【画像1】土地の分け方には大きく分けて「共有」「分筆」「代償分割」「換価分割」の4つの方法がある(筆者作成)

■土地を共有で相続すると、もめごとの原因に!

相続で土地をどう分けるか、方法によってそれぞれにメリットやデメリットがある。特に気をつけたいのは共有を選んだ場合だ。
「土地を複数の相続人で共有財産として相続した場合、将来、売却しようとしても共同所有者である全員が同意する必要があるので1人が反対すると売却できません。また、自分が相続した分だけを売却することも考えにくいです。共有の場合、所有している土地に対して持ち分の所有権をもつことで、ひとつの土地の特定の部分を所有するということではありません。土地を購入したい人は、普通、土地そのものを取得したいわけですから、共有の土地の場合は売却は難しいでしょう」(小川さん)
共有の場合、相続が繰り返されるごとに、土地の権利を持つ人が増えていく。そうなると、売却しにくくなり、土地活用をしようとしても意見がまとまらず、親族間でもめごとが起きる可能性も高い。

では、どの方法で分けるのがいいのだろう。土地の規模や立地などでも違ってくるが、広い土地の場合は土地を人数分に分筆するのが最もシンプルな方法。
「きょうだいそれぞれがひとつの土地の所有者として権利を取得できます。売却もしやすいですし、家を建てたり、駐車場を経営したりなどの選択肢も多くなります。ただし、土地の形状や方角によって不平等感が出ることも。その場合、北向きの土地は広めにする、角地は小さめにしておくなど、さまざまな分け方があります。相続人全員が納得する形で土地を分けられるよう土地家屋調査士がお手伝いしますので、測量や分筆登記も含めて相談していただけるといいですね」(小川さん)

なお、遠方の土地で、将来誰も使用する見込みがない場合は、売却して得たお金を分ける換価分割が、きょうだいが遠隔地に住んでいて土地はいらないという人がいる場合は代償分割がスムーズだろう。

【図1】きょうだいで相続する場合の土地の分け方によるメリットとデメリット(筆者作成)

■放置しておくと、将来、相続登記ができなくなることもある

「相続で所有権が移転した土地の名義を変更するには、相続登記を行う必要があります。相続登記はいつまでにしなければならないという決まりはありませんが、何年も放っておくとさまざまな問題が発生して、いざ相続登記をしようというときに、余分な費用と時間がかかったり、相続登記ができなくなったりします」(小川さん)

遺産分割協議や相続登記をせずに長期間放っておくと起きる問題には、以下のようなものがある。
・相続登記に必要な書類(亡くなった人の住民票や除籍謄本など)が取れなくなる。
・相続人のうちの誰かが亡くなり、権利関係が複雑になる。
・相続人が高齢化し、認知症などになり判断能力が低下することで遺産分割協議を行いにくくなる。

相続した土地を売却したり、お金を借りるために担保に入れたりする場合、相続登記がされていることが必要になる。スムーズに手続きができるよう、将来、相続する土地はどうするか、親やきょうだいと早めに話し合っておくのがいいだろう。

●取材協力
札幌土地家屋調査士会

田方みき

最終更新:7月14日(木)8時0分

SUUMOジャーナル