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パンケーキ王子に聞く、ふわっふわ「パンケーキ」のつくり方

SUUMOジャーナル 7月14日(木)8時30分配信

実は私はパンケーキが苦手だった。1枚食べればお腹いっぱいになるし、甘すぎるクリームは好きじゃない。「なぜ並んでまで食べるのだろう」と不思議に思っていた。そんな私が、つい通ってしまうほど美味しいパンケーキに出会ってしまったのだ。テレビや雑誌で話題の「パンケーキ王子」がつくるパンケーキはふわっふわでトロトロ、何枚でも食べられる。「よし、この味の秘密を知りたい」と、パンケーキ王子自身にそのつくり方を教えてもらった。

【画像1】メディアプロデューサーとしても活躍している杉本悟さん(写真撮影/片山貴博)

■年間200軒以上も食べ歩いてたどり着いた味

2016年3月、代官山の路地にオープンした「VERY FANCY loves ANNTEANA」は、日本全国から海外まで年間200軒以上のパンケーキを食べ歩いた「パンケーキ王子」の愛称で知られる杉本悟さんのお店だ。私の友人が店内のイラストを描いたと聞いて、それを見に行く目的で訪れたのだが、今まで出会ったことのないパンケーキの美味しさにびっくりした。

パンケーキ自体がふわっふわで口に入れると溶けてしまう。まるで上等のシフォンケーキやプリンを食べているようだ。しかも3枚も食べたのに胸やけしない。「これは一体どうしたんだ」と思い、気が付くと週に何回も食べに行くようになっていた。

テレビや雑誌でも何度も紹介されているお店だが、都内への出店ははじめてだそうだ。杉本さんは関西出身、だから粉もの文化はなじみがあり初出店も大阪だったそう。「パンケーキはハワイのロコ(ハワイに生まれ育った人)や欧米のワーカーの日常的な食べ物。だからお好み焼きみたいなものですよ。ホットケーキとは違って生地を甘くしすぎないので、スイーツだけではなく食事のメニューにもピッタリなんですよ」と教えてくれた。

そうは言っても、この軽さとおいしさは尋常ではない。つくり方の秘密はすでに『VERY FANCYのハッピーになれる!パンケーキレシピ(宝島社)』として本になっているが、ここは直に教えてもらおうと思い、開店前の店舗に伺った。

■口の中で溶けてしまいそうなふわっふわ生地のつくり方

なんといっても生地に秘密がある。このお店のオリジナルのパンケーキミックス粉は薄力粉とベーキングパウダーにバターミルクパウダーなどを入れてブレンドしているものだそうだ。家でつくるなら、市販のパンケーキミックス粉を代用してみよう。

オリジナルパンケーキの材料(6~7枚分)
・パンケーキミックス粉 105g
・卵 2個
・牛乳 90ml
・カッテージチーズ(うらごしタイプ) 90g
・グラニュー糖 10g
・バター

まず卵は黄身と白身にしっかり分けておく。

【画像2】卵は白身と黄身に分ける(写真撮影/片山貴博)

ボウルに卵黄と牛乳を入れ、泡立て器で混ぜる。次にパンケーキミックス粉を入れて混ぜる。そしてカッテージチーズを入れてダマにならないようによく混ぜておく。

【画像3】黄身を入れたボウルは牛乳、粉、カッテージチーズを順に入れてよく混ぜる(写真撮影/片山貴博)

別のボウルに白身とグラニュー糖を入れて、ツノが立つくらいまでしっかり泡立てる。泡立て器を離したときにツノが立って、すぐにおじぎするぐらいが目安だそうだ。このメレンゲ状態の白身をつくっておくことがふわっふわの秘密を握っているようだ。

【画像4】ハンドミキサーを使うと簡単に泡立てられる(写真撮影/片山貴博)

黄身のボウルに、泡立てた白身を入れるが、ここで混ぜすぎないことがポイント。泡をつぶさないようにする。

【画像5】さっくりと切るように混ぜる(写真撮影/片山貴博)

バターを溶かした鉄板の上にお玉ですくい上げた生地を流しいれる。少し高い位置から落とすときれいな円形になるそうだ。

【画像6】フライ返しで押さえずに膨らみを保つのがポイント

生地の表面に気泡が出て、ふちが薄いきつね色になったら裏返し、裏も同じく薄いきつね色になったら出来上がりだ。

【画像7】フライパンの場合は一度温めたら、濡れ布巾の上で熱を落ち着かせて温度を均一にする必要がある。家庭ではホットプレートを使うと簡単だそうだ(写真撮影/片山貴博)

これでパンケーキが完成。メニューのプレーンは生地のおいしさが特によく分かる。ナイフで切ろうとするとフワッとほどけてしまうようなやさしい味わいだ。スイーツメニューだけではなく食事になるメニューも多い。クリームやチーズソースにも秘密がありそうだが、これはまた後日聞き出そう。

■ホームパーティーでも主役になれるメニュー

杉本さんにとって、母親が子どものときにつくってくれたホットケーキが原点。そして海外の有名店のボリュームたっぷりのパンケーキがセカンドウェイブだとしたら、VERY FANCYのパンケーキはサードウェイブ、日本独自のパンケーキを目指しているそうだ。

「パンケーキもうどんのようにノドごしが大切。すっと飲めるような生地にするためにはメレンゲの泡をつぶさず、粉の粒子の大きさもバラバラではダメなんですよ」と杉本さん。ほんとうに口に入れたら、飲めるようなパンケーキだ。

「もしホームパーティーで出すとしたら、もう少し小さく焼いて、ディップを乗せたりするのもおすすめです」と教えてくれた。ホットプレートを囲んで、それぞれが焼きながら食べたら楽しいだろう。レシピ本には手巻きパンケーキのパーティー仕様の写真が掲載されていて、さっそく試してみたくなった。

杉本さん自身も実は甘いものが苦手だったそう。だからベーコンやソーセージを使ったメニューにも力を入れている。ちょうど取材当日に初登場したエッグ&チーズは最近人気のエッグベネディクト(イングリッシュ・マフィンの半分にハムやベーコン、ポーチドエッグ、オランデーズソースをのせた料理)をもっと軽くしたものだ。

【画像8】半熟のポーチドエッグとチーズソースが絡んで美味しい(写真撮影/片山貴博)

「試食中に『もう少し歯ごたえも欲しい』という意見があり、ズッキーニも加えてみました」。付け合わせにも手を抜かない心配りも見習わなければ、感動を呼ぶ味はつくれないとあらためて思った。

●取材協力
・VERY FANCY

四宮朱美

最終更新:7月15日(金)16時30分

SUUMOジャーナル