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中国が完敗、仲裁裁判所が言い渡した「5つのダメ出し」と「2万字にわたる反論」 南シナ海境界線

withnews 7月15日(金)7時0分配信

 南シナ海に主権が及ぶとして海洋進出を強める中国に、国際司法が初めてNOを突きつけた…。フィリピンが国連海洋法条約違反として申し立てた仲裁裁判。申し立てから3年半を経て出した結論は、中国の管轄権を全面的に批判するものでした。オランダ・ハーグにある常設仲裁裁判所が中国に突きつけた「5つのダメ出し」とは?(朝日新聞国際報道部記者・今村優莉)

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【ダメ出し1】中国が主張する境界線→『証拠なし』

 判決の最大の焦点は、中国が主張する独自の境界線、いわゆる「9段線」を認めるかどうかでした。中国側は南シナ海の全域がすっぽり収まる9段線を境界線として主張し、ここに自国の権利が及ぶとして、七つの岩礁を埋め立て、人工島などを造ってきました。

【判決では…】中国や他国の漁師が歴史的に南シナ海の島々を利用していたとしても、中国がその水域や資源を独占的に支配していたという証拠はない。よって裁判所は、中国が「9段線」内の海洋水域の資源について主張する歴史的権利は、法的な根拠はないと認定する。

【ダメ出し2】埋め立てた人工島→『岩以下』

 中国が埋め立てた人工島が何にあたるのかも争われました。仮に『島』であれば、周囲12カイリ(約22キロ)が“領海”として認められ“排他的経済水域(EEZ)”では資源の探査や人工島が設置できます。『岩』は領海のみが認められます。満ち潮の時は水没してしまう『低潮高地』だと何の権利も認められません。

【判決では…】中国が建設を進める七つの人工島についてはスビ礁、ヒューズ礁、ミスチーフ礁の3か所は『低潮高地』。南沙諸島に『島』はなく、この海域に中国の管轄権が及ぶ場所はない。

【ダメ出し3】中国艦船の存在→『フィリピン漁民の邪魔』

 中国の南シナ海における活動については、中国艦船がフィリピンの漁民の漁業を妨害しているという批判が起きていました。

【判決では…】中国はフィリピンのEEZ内で、フィリピンの漁業・石油探査の妨害や、人工島の建設などによってフィリピンの主権を侵してきた。フィリピン漁民のアクセスを制限して権利を侵害した。中国艦船はフィリピン船を妨害し、深刻な衝突の危険を生み出した。

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最終更新:7月15日(金)7時0分

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