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ソロス氏「Brexitを教訓に強固な欧州を再建すべき」、メイ首相「すべての国民に平等な英国を」

ZUU online 7/15(金) 11:40配信

「イングランド銀行をつぶした男」の異名を持つ米著名投資家、ジョージ・ソロス氏は、今後英国を待ち受ける運命の新しい側面に目を向け始めたようだ。

離脱に強い反発を見せていたソロス氏だが、英EU離脱決定から2週間が経過した今、「Brexitはより強靭でよりよい欧州を築くための、きっかけになるかもしれない」と発言。

「EUは離脱を望む英国民を罰することなく、教訓とすべきだ」と、転んでもただでは起きない投資家ならではの不屈の精神を見せた。

■欧州を再強化するチャンスを活かす

ソロス氏の最新の発言は、世界中の政治家や学者といった幅広い分野で活躍するパイオニアが、それぞれの意見や思想を発信する組織「プロジェクト・シンジケート」のウェブサイトに、6月8日に掲載されたものだ。

国民投票以前には「EUの後ろ盾を失えば、英国は悲劇に見舞われる」などの警告を発し、残留を呼びかけていたソロス氏。

しかし数々のネガティブな発言から前進。Brexitを悔やみつつも、英国なき後のEUには大きな転機が訪れ、「欧州全土を再強化する絶好のチャンスとすることが可能」という見解を示している。

チャンスを最大限に活用するためには、「EU加盟国と単独通貨国の境界線を明確にすべき」だが、「非加盟国を蚊帳の外扱いしてはいけない」としており、「EU内部に秘められた巨大な可能性を引きだす必要がある」とコメント。

また英国を離脱に追いやる最大の原因となった移民問題についても、再協議の必要性を強く主張している。

Brexitに誘発されるように、オランダ、フランス、ドイツなどでも、離脱を問う国民投票を要請する声が高まっているが、そうした動きは英離脱決定以前から、すでにあちらこちらのEU加盟国で目立ち始めていた。EUの崩壊を食い止める効果的な手段を投じる必要があることは、誰の目から見ても明らかだった。

その起爆剤が、結果的に「Brexit」という形状で投じられたのだろう。

■メイ首相「すべての国民に平等な英国を」

6月13日にデヴィッド・キャメロン前首相が退任し、英国2人目の女性首相となるテリーザ・メイ首相に政権がゆだねられた。

意にそむく結果だったといえ、英国離脱の発端(国民投票)となった首相から、一国再建という大仕事と世界中の期待を背負う新首相に、希望のバトンが移されたわけだ。

残留支持はであったにも関わらず、「国民の意思を尊重し、富裕層だけではなく、すべての国民にとって暮らしやすい英国をつくる」と言いきったメイ首相。真っ二つに割れた英国と、崩壊寸前のEUをどこまでまとめあげれるのか、全世界が注目している。

「英国は終わった」という声も、いまだ残留支持派の中では根強い。離脱に一票を投じた国民も、「投票で離脱が決定した場合、すぐに離脱交渉にはいる」というキャメロン前首相の宣言が撤回され、どことなく宙吊りになった感は否めない。

しかし離脱を支持した国民が心底憎んだ「トーリー党(現在の保守党)」の時代が幕を閉じ、何かが変わろうとしているのは確実だ。多くの中間層から富裕層はその変化を恐れ、「富の共有」という発想自体に拒絶感をあらわにしている。

「離脱は国民が考えるほど簡単なものではない」という政治家の懸念も消えない。しかし「今回の改革なしにして、EUの継続は難しかったのではないか」という見方も、日を追うごとに増えている。

ソロス氏のいうように、Brexitを糧に最強の欧州を築くか、完全に崩壊させてしまうかは、各国の動き方次第といったところだろう。(ZUU online 編集部)

最終更新:7/15(金) 11:40

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