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「圧勝と言うより楽勝」参院選、豪州ではどう報じられたのか

ZUU online 7/15(金) 19:10配信

2016年7月11日。参院選では与党が圧勝し、豪州でもメディアや新聞で報道された。安倍首相の掲げるアベノミクス飛躍に向けて大きな期待がかかる中、達成しなければならないデフレ脱却などの課題なども取り上げられた。今回の参院選の結果についての報道と豪州での声をまとめてみよう。

■世界で通じる経済言語「Abenomics」

「Shinzo Abeが圧勝した」。豪州のメディアは「総ざらい・一掃」 という意味を持つ「Sweep 」という言葉を使って安倍首相の勝利を伝えた。安倍首相が期待されること。それは政治的勢力の拡大ではなく、目の前に置かれている最重要課題である「アベノミクス」の成果を出すことでもあると伝えらた。

「Abenomics=アベノミクス」は今や世界に通用する経済用語になった。財政出動、金融緩和、成長戦略を柱とした経済政策の3本の矢。このアベノミクスが長期デフレ脱却への最終的な足掛かりになることを祈るばかりであるが、今回の圧勝で突き付けられた課題は「結果」を残すこと。すなわちデフレに終止符を打つことではないかと厳しい声が飛んだ。

豪州の一部の反応としては、安倍首相の失敗を敗退と見ない日本人の政治のとらえ方に対して「信頼が根付いているのは?」と言葉を足した。

安倍首相が日本の顔となってから3年6カ月、日本経済を率いる地位に居ながら、あらゆる挫折や失敗を経験してきた。そういったネガティブな結果やプアなパフォーマンスが続いたのにもかかわらず、豪州では「逆境を乗り越えた」という部分を前向きに報道しているメディアもある。

121議席中70席を確実なものにしたのは何なのか?安倍首相の戦略にお見事と首を縦に振るジャーナリストもいた。

■圧勝と言うより楽勝--豪州メディア

豪州メディアでは自民党が高議席を獲得した結果を受け、「今回の参院選は楽勝であった」と、過酷な選挙戦ではなかったことを知らせ、予想通り自民党圧勝、しかも楽勝したと伝えた。

あるメディアのエコノミック・コメンテーターは「そうは言いながらも、これからが正念場である」と続け、財政の刺激策を用いながら経済へのテコ入れを本格的に始動しなければならないと辛口なコメントを告げた。

■戦後の日本 平和主義に基づく法律に改定

こんな点にも着目された。安倍首相が心から遂行したい任務の1つに「戦後の平和主義に基づいた上での法律の改定」がある。これには隣国で経済・軍事共に急成長を続ける驚異的な中国の存在が大きく影響されていると伝えている。自衛隊への活動や強化を視野に入れながら、軍事への介入範囲など、どのようにリバイズされていくのかが注目されていると伝えている。

■抜本的改革が必要 消費者価格も上げる覚悟で

豪州では日本国内でもこれからのAbenomicsに対し、厳しい声が上がっていることを伝えた。Abenomicsの強化・成長について強固たる抜本的改革が必要であると言われていることと合わせて、消費者価格を吊り上げる覚悟も必要であると伝えている。

また「国民に約束したことを守るという当たり前の行為が何よりも重要である」そう言った日本国民の直球的な意見も関心を呼んだ。

■豪州の国会にも元ミュージシャン

今回の選挙では芸能・スポーツ関係からの出馬が目立ったように思える。例えば沖縄出身、SPEEDのメンバーである今井絵理子さん。若い政治家が続々と誕生する日本の風潮を見ていると、豪州の国会席に座る政治家の平均年齢は極めて高いと言えよう。

多少余談になるが、豪州にも破天荒な政治家がつい最近まで存在した。環境活動家でロック系シンガーのPeter Garrett氏である。「汗をかいて働くこと」を経験している、いわゆる這い上がりの政治家で、なんと大臣経験者だ。好感度も高く、テレビに良く出演し、わかりやすく教育問題を語る子供たちの見方でもあったのである。

■シングルマザー支援や福祉活動へ貢献

今回の今井絵理子さんの当選で、豪州が関心を寄せ応援をしたい理由として「シングル・マザーとしての立場」と「福祉活動への挑戦」が挙げられるだろう。

豪州は世界の中でもシングルマザーが安心して住める国でもある。もちろん、女性一人での子育ては戦場のようなものであるが、少なくともシングルマザーへの偏見は皆無に近いと言って良いだろう。何よりシングルマザーへの自立を支援する団体も多く、安心して働けるように保育園の待機児童などもないのが実情だ。

そして、福祉に関しても障害を持つ子供たちへの助成金や寄付が積極的に行われている。今井絵理子さんが自ら体験したこと、愛息との生活で見えてきたこと、何が必要か、何ができるか、彼女のこれからに注目をしたいところである。豪州から応援したい政治家の一人でもあると言って良いだろう。

■18歳や19歳は困惑気味?「Go With The Flow」の精神目立つ

選挙権が20歳から18歳に引き下げられたことを受け、豪州を含む海外メディアではこれらのヤング・ボ―ターに対し「Go With The Flow=流れに任せて行こう」の風潮が目立ったと伝えた。高校を卒業したばかりの彼ら達。「とりあえず連立与党へ……」といった戸惑いと困惑が隠せない表情を映像と一緒に伝えている。


安倍首相の勝利は、今年11月に行われる米国次期大統領選挙にも大きく影響してくるだろうと伝えられている。豪州では現ターンブル首相が貿易や経済支援などで、やや中国寄りに動く傾向が見られる。

前アボット大統領は「日本は豪州の一番の友達である」と相互の経済基盤を常に思慮してくれた姿が懐かしく思えてならないところだ。何はともあれ、フレッシュな顔ぶれでスタートする政治の領域で、斬新なアイデアとアベノミクスの確固たる成長を大手を振って応援したいものである。(トリー・雪香、豪州在住のフリーライター)

最終更新:7/15(金) 19:10

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