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肝臓がんを抑制する新規化合物を同定

MONOist 7月15日(金)8時55分配信

 新潟大学は2016年6月28日、肝細胞がんが増殖する仕組みを解明し、その仕組みを打ち消す新規化合物により、肝細胞がんの悪性化を抑制することに成功したと発表した。同大学大学院医歯学総合研究科の小松雅明教授らと、東京大学創薬機構の岡部隆義教授、慶應義塾大学先端生命科学研究所の曽我朋義教授らの共同研究によるもので、成果は同月27日に、英科学誌「Nature Communications」に掲載された。

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 肝細胞がんは肝臓組織から発生する日本人のがん死因3位の悪性腫瘍だ。肝細胞がんは症状が乏しいため、発見された時には進行しているケースが多い。再発率も高く、現在でも十分な治療は難しいとされている。また、肝細胞がん患者のがん細胞において、マロリー小体と呼ばれる構造体が大量に存在することが知られているが、その機能は不明だった。

 今回、小松教授らは、マロリー小体の主成分であるp62/SQSTM1タンパク質が、転写因子NRF2を分解へと導くKEAP1と結合し、恒常的にNRF2を活性化する仕組みがあることを見いだした。さらに、このNRF2の活性化が、肝細胞がんの増殖や抗がん剤耐性を引き起こすことが分かった。

 次に、東京大学創薬機構との共同研究により、p62/SQSTM1によるNRF2の活性化を防ぐ新規化合物K67を同定した。K67は、肝細胞がん細胞の増殖を抑制するとともに、既存の抗がん剤の効果を高めることも確認された。

 以上のことから、p62/SQSTM1あるいはNRF2を標的にした薬剤は、肝細胞がん治療薬として期待できるとしている。現在、臨床応用を目指し、K67の薬効を高めるK67誘導体の開発、NRF2自体を標的にした薬剤開発を進めているという。

最終更新:7月15日(金)8時55分

MONOist