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<リーダーシップの新基準>田中角栄にあって現代のリーダーにないもの 元首相秘書官が語る

まんたんウェブ 7月16日(土)11時0分配信

 戦後70年の節目として、2015年にNHKが「戦後を象徴する人物」に関してアンケート調査を行ったところ、全体の25%を占め断トツの1位だったのが田中角栄元首相だった。第2位の吉田茂元首相が13%、第3位の昭和天皇が8%、第4位のダグラス・マッカーサーと佐藤栄作元首相が3%だったので、いかに田中氏が強烈な印象を残したかが分かる。田中氏の首相在任期間がわずか2年半だったことを考えると、この評価の高さは尋常ではない。独特のダミ声や演説のうまさから豪放磊落(らいらく)なイメージを持たれることもある田中氏だが、素顔は非常に繊細。ワンマンではなく、常に周りの意見を吸い上げながら仕事をしていた。金権政治の象徴とされ、一時は評価が地に落ちた同氏が今再び注目されているのは、現代社会が理想とするリーダー像にマッチする部分が多いからだろう。そんな田中氏に通産相秘書官として1年、首相秘書官として2年半仕え、あの「日本列島改造論」(日刊工業新聞社)の編集にも大きな役割を果たしたのが小長啓一さん。小長さんに、田中角栄のリーダーシップについて話を聞いた。【経済界】

 ◇「やらなきゃいかん」と周囲に思わせる

 ――田中氏と出会った時の印象は。

 小長さん 通産省時代に大臣秘書官としてお会いしたのが最初で、その時の印象は、会った瞬間に後光が差すような感じでした。これはただ者ではないなと。前任の通産大臣は宮澤喜一さんでしたが、宮澤さんの秘書官からの引き継ぎではあまり参考にならないと直観的に思いました。それで、田中さんが前に大蔵大臣を務めた時の秘書官を訪ねて、どういう対応すれば良いのかと聞いたら「とにかく忙しい人だからついていくだけで大変だよと」とアドバイスを受けました。

 ――実際、仕えてみていかがでしたか。

 小長さん イメージ以上にスピーディーな人でしたね。目白の田中邸に朝7時半に行くと陳情客が20組くらい来ているのですが、就任して2、3日目のある朝行ったら「君、今朝の日刊工業新聞にこんなことが載っていたが、どういうことかね」と聞かれました。当時私は日経新聞と朝日新聞しか読んでいなかったので、日刊工業の1面トップなんて知らない。答えられないと大変ですから、翌日から7紙を家で取るようになりました。渋谷の公務員住宅から車で目白に行くまでの30分の間に新聞を拾い読みして、答えられないようなテーマがあれば車内電話で担当局の局長や課長などに電話して予習していました。

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最終更新:7月16日(土)11時0分

まんたんウェブ

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