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「名刺を切らしまして……」はOK? 欧米人との名刺交換

ITmedia エンタープライズ 7月15日(金)12時8分配信

 先日、国内・海外・国内と、たまたま泊まりの出張が続き、結果的にオフィスを2週間ほど不在にしました。

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 私は客先常駐するタイプのエンジニアではないですし、映画「マイレージ、マイライフ」の主人公のような日常的に“キャリーバッグ”を持ち歩く仕事でもありません。ワークスタイル変革が流行りと言えど、2週間近くオフィスに戻らないというのは滅多に無いことです。名刺を補充できず、途中で切らしてしまいました。

 リアル出張族の友人によれば、このミスは出張族の“初心者あるある”だそうです。名刺を箱ごとかばんに入れておくのが本物の出張族らしいのですが、それはさておき、「名刺を切らしている」ことは、相手に対して印象悪いというのが日本の常識でしょう。

 日本人は「名刺」とそこに書かれる「職位」に思い入れがあります。“漢字を重い入れに変えた方が良いのでは?”と思うくらい重要視されますが、ここも欧米人の感覚とズレがあるところです。

 今回の話題はITインフラに特化したものではありませんが、息抜きがてらこのあたりについて考えてみましょう。

●情シスでも海外に触れる機会は突然やってくる

 読者の皆さんは、欧米人にあいさつしたり、名刺を交換したり機会はありますか?

 「私は情シスだし、英語も話せないからゼロだね」という人がいるかもしれません。しかしながら、仕事で外国人と触れ合う機会は突然訪れるものです。

 例えば、欧米のIT製品を本格検討したり実際に採用したりして、導入事例の取材などを受け入れると、そのメーカーや代理店より一週間ほどの海外研修や海外視察の誘いを受けたり、開発チームが顧客フィードバックの一環で日本まで足を運んだりすることがあります。もちろん通訳はいますが、あいさつくらいは必要です。

 また、会社のグローバル化に伴い、ITシステムの海外接続が発生するかもしれません。そうなると、現地法人のIT部門やそのアウトソース先スタッフとの調整や、運用方法のレクチャが必要になるでしょう。「うちの会社がグローバル化なんて……」と考えてなくても、そのような企業との買収や合併があるかもしれませんし、その場合はActive Directory ドメインの接続(信頼関係設定)やシステム統合・刷新プロジェクトを外国人と進めなければならないかもしれません。

 ごくまれにですが、私も海外視察などに同行する機会があります。先日同行したお客様は、「いまの業務でまさか海外に来るなんて……」と話していました。仕事で海外に行ったり、外国人とあいさつしたりするというのは、情シスでも十分に可能性のあり得る話です。

●「名刺を切らしておりまして」は普通のこと

 では、そんな“突然やってくる”欧米人との名刺交換について心得とココヘンをご紹介しましょう。

 ネットで検索すると、外国人と名刺交換する際の注意事項として「日本と違ってあいさつが先」と書かれています。つまり、「Hello, ~」から 握手、そして「Nice to meet you」とあいさつしてから 名刺交換という、お決まりのコースです。

 そして、相手が名刺を忘れたり、切らしたりしていることが良くあります。彼らにとって名刺を忘れるというのは「ボールペンを忘れた」くらいの感覚だそうです。つまり、先日私も体験した「名刺を切らす」といった日本のセールスマンにとって反省すべき行為は、許す・許さないどころか、“空気”のような普通のことのようです。

 また、自ら名刺交換しようとしてこないことも多くあります。単に“忘れた”だけかもしれませんが、「身近な誰かが交換してれば良いや」という感覚もあるということです。日本のように5人対5人の打合せでそれぞれが5回名刺を差し出して計25回の名刺交換が行われるという光景はほとんど見られません。代表の1組だけがさくっと名刺交換して、打ち合せの本題に入っていきます。

 そしてもちろん、「名刺を管理する」といった風習もありません。もし、そういった需要があれば、今頃WordやExcelに並んでMicrosoft Officeに名刺管理ソフトが含まれているでしょう。最近日本では電子化のための入力代行までしてくれる無償の名刺管理アプリが流行っていますが、これは、外国人を忍者居酒屋に招待するのと同じくらい、懇親会での「鉄板ネタ」です。

●意外と日本の風習は知られている

 こういった欧米のビジネス習慣は覚えておきたいのですが、逆に「日本の風習も結構知られている」というも併せて認識しておきたいところです。

 例えば、メールで「Hi Ken, ~」と始めても、こちらが日本人だと分かると「Ogawa-san, ~」と日本風に返してくる人はとても多いのです。同様に名刺交換も日本型、つまりあいさつより先に名刺を渡されることがあります。アポイントメントの段階でこちらが日本人であることは分かっていますし、彼らはそれが日本の礼儀だと勉強しているのです。これは、私たちが海外旅行に行く際、「こんにちは」「ありがとう」だけは覚えようとする感覚に近いのでしょう。

 知り合いの外国人は日本への出張が決まると、航空券と同時に名刺も手配すると言っていました。先ほどの25回の名刺交換もありますが、日本に来るといつも名刺を切らしてしまうそうです。

 名刺交換という行為一つをみても、日本独自のココ変がありました。次回はその名刺に書かれている「職位」について、ITインフラ業界をターゲットに話していきたいと思います。

●小川大地(おがわ・だいち)
日本ヒューレット・パッカード株式会社 仮想化・統合基盤テクノロジーエバンジェリスト。SANストレージの製品開発部門にてBCP/DRやデータベースバックアップに関するエンジニアリングを経験後、2006年より日本HPに入社。x86サーバー製品のプリセールス部門に所属し、WindowsやVMwareといったOS、仮想化レイヤーのソリューションアーキテクトを担当。2015年現在は、ハードウェアとソフトウェアの両方の知見を生かし、お客様の仮想化基盤やインフラ統合の導入プロジェクトをシステムデザインの視点から支援している。Microsoft MVPを5年連続、VMware vExpertを4年連続で個人受賞。
カバーエリアは、x86サーバー、仮想化基盤、インフラ統合(コンバージドインフラストラクチャ)、データセンターインフラ設計、サイジング、災害対策、Windows基盤、デスクトップ仮想化、シンクライアントソリューション。

最終更新:7月15日(金)12時8分

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