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【ジュライS】変身の6歳馬キクノソル チークピーシーズ効果で確実性増す

東スポWeb 7月15日(金)21時49分配信

 剛速球で鳴らした本格派のピッチャーが、のちに技巧派に転向するケースは少なくない。肉体的なポテンシャルが年を重ねて衰えていくのは自然なこと。一方で経験の積み重ねで培ったテクニックが新たな支えとなる。それがベテランならではの力なのだろう。

 サラブレッドもアスリートと似たような現象が見られる。広い意味では路線変更、脚質転換での開花も、何かしらで発揮できなくなった力を、それ以上の力で補えたことで成功につながったケース。ジュライSに出走するキクノソルの“変身”もそうした例に挙げられる。

「若い時は鞍上が何もしなくても勝手に前に行けていた。好位から馬なりで前をかわすようなレースが自然にできていたんだ」と振り返るのは北出調教師。しかし、オープンで長らく経験と実績を積み重ねているうちに、ある変化が起きた。

「競馬ぶりがズブくなって、道中で思うようにポジションを上げられなくなってきたんだよね」

 これに伴い、成績も安定感を欠くようになっていくのだが、その半面、以前にはなかったものを見せるようになった。ツボにハマった時の末脚だ。東京ダート1600メートルを舞台にした2走前のオアシスSでは最速上がりとなる35秒6の末脚を発揮。重賞2勝馬ブライトラインを半馬身差まで追い詰めた。

 恐らくキャリアを重ねるうちに、持続的に力を発揮するより、最大限のポテンシャルを凝縮させる方向へ、馬自身の走りがシフトしていったのではないか。

 陣営にとって厄介だったのはこの変身、確実性にはどうしても欠けたが、ようやく光が差してきた。この中間から着用したチークピーシーズの効果だ。

「チークを着けて和田に追ってもらった先週(6日)の坂路では(4ハロン)51・6秒の時計が出た。最近はズブくなって攻めも動かなくなっていたからね。これだけの時計が出たのは集中して走れたということ。効果はあると思う」と北出師も手応えを感じている。

 若い時の先行策で培ったスピードを、直線の爆発力に転じる脚質転換は完成を見つつある。過去2着3回、3着1回と善戦止まりに甘んじてきたオープンの壁を、“ニュー”キクノソルが突き破る。

最終更新:7月15日(金)21時49分

東スポWeb

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