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「製品に自信を持っているがインド市場は特殊性がある」 -いすゞ、インドに挑む

日刊工業新聞電子版 7月15日(金)8時0分配信

ピックアップトラック工場開設

 いすゞ自動車は4月、インド南部のチェンナイ近郊に位置するアンドラプラデシュ州スリシティに小型商用車の工場を開設した。外資系メーカーとして初めてピックアップトラックの現地生産に乗り出し、5月に部品の現地調達率を7割に引き上げた新型車「D-MAX」を投入した。同社は競合する小型商用車市場を年20万台規模と分析する。同市場では、マヒンドラ・アンド・マヒンドラやタタ・モータースなど地場メーカーがシェアの大半を占め、積載性が高く主にマーケット(市場)など向けが中心という。

 いすゞは2013年に同国のピックアップトラック市場に参入した。当初はタイから完成車を輸出し、その後、現地メーカーに組み立てを委託するノックダウン生産に切り替えた。派生車のSUVを含め、これまで約3000台を試験的に販売。その中で同社の車両は地場メーカー製と比べ、性能や価格が上位に位置し、一般的な使われ方とも異なることが分かった。

【ヒアリング実施】
 いすゞの片山正則社長もテストマーケティングを通じて5人の顧客と会い、ヒアリングを実施。冷蔵品を輸送する顧客の1人は、荷主から荷物に対する負担の軽減や配送時間の正確性が求められていると指摘。冷凍機を動かすにはエンジンに負荷がかかるが、D―MAXは地場メーカー車両より馬力が大きく冷蔵品の傷みを効率的に予防できる。またサスペンションなどの走行性能にも優れ、悪路でも路面の衝撃を柔軟に吸収する能力も高い。こうした点を踏まえ、顧客は「極端なことを言えば地場メーカーの車両では2台で配送する経路を、D―MAXならば1台で複数の拠点に配れる」と評価しているという。

 インドでは今後、冷蔵品の配送やネット通販の増加が見込まれ、実際に物流会社では荷物への負担軽減や時間配送などの物流への「品質」が求められ始めているという。片山社長は地場メーカーが形成する既存の市場ではなく、「『物流品質』が求められる市場を育てながら、顧客と一緒に成長していきたい」とし、新市場の開拓に活路を見いだす。

 また、いすゞモーターズインディアの山口真宏社長は「我々の良さを分かっていただける顧客を大事に育てていきたい。そうした顧客に少しずつ巡り会えている」と手応えを感じている。

【「物流品質」新市場を開拓へ】
 一方、インドでは口コミが重要な役割を占める。例えば新車の販売では、購入を検討する顧客以外に「事情に詳しい顧客の親戚や場合によってはコミュニティーのリーダーまで説得する必要がある」(現地関係者)という。

 山口社長は「顧客の信頼を裏切らないことが最も大切」とし、購入者の満足度に影響を与える品質を最優先する。新市場を創出し、顧客との絆を深めながら、長期的な視点で成長を目指す。(西沢亮)

最終更新:7月15日(金)8時0分

日刊工業新聞電子版

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