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日産の次期型セレナ採用「プロパイロット」は自動運転か、サポートか?評価が割れる理由

オートックワン 7/15(金) 16:01配信

次期型セレナに採用された『プロパイロット』だけれど、一般メディアは日産のプレスリリース鵜呑みにして「自動運転」と報じ、同業者の多くが「自動運転じゃ無い」と主張するなど評価が割れている。

日産の次期型セレナやスバルアイサイト等写真でチェック(画像15枚)

自動運転の定義をするのは難しいけれど、同業車の皆さんの意見を見るとNHTSA(アメリカの国交省に相当)が決めた「自動運転レベルの定義」を根拠に「自動運転ではない」と言ってます。

この件、昨日TBSラジオでも聞かれたが答えは簡単。「自動運転の初期段階です」。

というのも車速10km/hまではブレーキもアクセルもハンドルも連続して操作するというNHTSAの『レベル2』をクリアしているからだ。

レベル2は自動運転に属す。この点を理解していない報道が目立つ。

繰り返すけれど、次期型セレナのプロパイロットは連続手放し走行が可能です。

日産もあえて強調していないため解りにくいんだと思う。10km/h以下の先行車が居て、その車両を追尾している限り、時間制限なくハンドルから手を離せる性能を持っている。

手放し運転を容認するこの規格は日本も加盟国になっているジュネーヴ条約と、EUの法規で承認されている国際規則により決まっている。自動ブレーキなど勘案した今の技術なら安全を確保出来るという理解だ。

※その場合の運転方法については 日産 新型セレナ(プロパイロット)試乗 の紹介記事で書いた。

ジュネーブ条約やEUは、 安全で確実な速度&条件 から自動運転の領域を増やして行こうとしている。ちなみに10km/hであれば1秒間に2.7mしか進まない。

この速度域なら前に歩行者が出てきても自動ブレーキで止まれるし、ハンドル(タイヤ切れ角)が突如18度横に切れてしまっても、1秒間で27cmしか横方向へ移動しない。ここから技術は進めましょうということ。

新型セレナのプロパイロットの場合、11km/hを超えた速度について言えば、いわゆるレーンキープサポートという機能が稼働する(NHTSAだとレベル1だから自動運転に含まれない)。

これまたキチンと紹介されていないのだけれど、レーンキープサポートも二つのレベルがある。

レーンから逸脱しそうになった時のみ反応して操舵してくれる最低限のタイプと、「運転」と言ってさしつかえのない車線の中央を維持してくれるレベルの二つだ。

この二つは技術レベル(センサー性能と解析能力)で大きな差があります。

さらに!後者のレーンキープサポートも、メルセデス・ベンツのように精度が悪くスイッチを切りたくなってしまう(むしろおせっかい)タイプもあれば、アイサイトVer.3の如く“ほぼ”実用性を確保出来ているタイプもある。

このあたり、現時点で玉石混交と言って良かろう。使える機能かどうかは車種によって全く違う。

ややこしいが、まとめると次期型セレナのプロパイロットは10km/hまで自動運転が可能。11km/h以上は十分に実用的な性能を持つレーンキープサポート機能を持っていると考えていい。

ちなみに日産はプロパイロットの技術を「ミニバン世界初」と言ってます。これ、正しいです。

[Text:国沢光宏]

最終更新:7/15(金) 16:01

オートックワン