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経験、今後に生かせ 横浜YMCAで報告会

カナロコ by 神奈川新聞 7月15日(金)17時3分配信

 熊本地震の避難所運営の課題を学ぶ事例発表会が14日、横浜市中区の横浜中央YMCAであった。車中泊やテント泊も含め、一時は1500人以上の避難者であふれた熊本県益城町総合運動公園の指定管理者として対応に追われたYMCAの関係者が状況を報告。行政との役割分担や安全管理のあり方などについて、弁護士らを交えて話し合った。

 熊本YMCAが指定管理者である同運動公園には4月14日夜の前震後、約500人が避難。避難場所に指定されてはいたが、運営に関する具体的な調整がなされないまま、詰めていたYMCA職員を中心に対応することになったという。

 支援のため同15日に派遣された日本YMCA同盟の山根一毅さんは、この日の発表会で「16日の本震で避難者はさらに増え、物資の提供を申し出る電話が数日間は鳴りっぱなしだった」と混乱した状況を説明。「出入り口は3カ所あり、避難者の把握や要援護者の対応ができなかった」と振り返り、町や日赤などとの会合で情報を共有しながらトイレやペットなどの問題解決に努めた経緯を明かした。

 さらに「規模が大き過ぎた一方で、高齢者が多く地縁組織が強くない」ため、被災者の運営への関わりがあまりみられなかったことも課題に挙げた。

 YMCAと連携して支援活動を続ける環境・防災コンサルタントの秦好子さんは、避難所の設置を自治体の役割と規定する災害救助法を根拠に「民によりかかったサービスになってしまうと、あしき前例になりかねない」と指摘。スタッフの人件費や労務管理なども含めた運営実態を正確に記録し、今後に生かす必要があると強調した。

 弁護士の太田雅幸さんは「避難所運営によって指定管理者は本来の業務ができなくなる。持ち出しとならないようにするための合理的な契約が必要」とした。

震災関連死 新たに4人

 熊本市は14日、熊本地震による「震災関連死」として新たに70代と80代の男女計4人を認定したと発表した。熊本市は既に6人を認定しており、一連の地震による関連死は計10人となった。

 市によると、70代男性、80代の男性1人と女性2人。うち3人は、震災関連死の疑いとして熊本県が当初公表していた20人に含まれる。

 4月16日の本震後、「車中泊」をしていて心筋梗塞を起こし死亡した人のほか、入院先の病院が被災し、床に敷いたマット上で寝ていて肺炎を患い亡くなった人がいた。3人には高血圧、心臓病といった既往症があったという。

 熊本市にはこれまでに認定された10人のほかに、61人の遺族が「震災関連死の疑いがある」として、災害弔慰金を申請している。

「笑顔になって」激励や追悼

 熊本地震の被災地は14日、再び鎮魂の祈りに包まれた。激震から3カ月。過去に震災に見舞われた福島県や兵庫県から女性ダンサーやボランティアが熊本に駆け付け被災者を励ました。

 20人が犠牲になった熊本県益城町。村上ハナエさん(94)と正孝さん(61)親子が亡くなった住宅前には、近所の住民とみられる女性が訪れ、目をつぶって合掌していた。兄恵祐さん(84)を亡くした村田武尚さん(72)は自宅で過ごし、取材に「安らかに眠ってほしい。ただそれだけ」と死を悼んだ。

 熊本市の熊本学園大付属中学校には、福島県いわき市の温泉施設「スパリゾートハワイアンズ」のフラダンスチームに所属する女性ダンサー3人が訪れ、リーダーのモアナ梨江さんが「ダンスを見て笑顔になって」と語り掛けた。

 神戸新聞社(神戸市)などが大学生らと結成した「117KOBEぼうさい委員会」のメンバーは熊本県阿蘇市の保育園へ。子ども向けに、水を流して遊ぶ滑り台を作った。

最終更新:7月15日(金)17時57分

カナロコ by 神奈川新聞