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私も“球児”、応援で参戦 全国軟式大会出場の女子部員2人

北日本新聞 7月15日(金)0時40分配信

■亀田さん(入善)男子顔負け守備/今方さん(福岡)アドバイス的確

 第98回全国高校野球選手権富山大会の1回戦で対戦する入善高と福岡高には、野球に打ち込む女子生徒がいる。入善高3年で選手の亀田和加さん(17)と福岡高2年でマネジャーの今方杏香さん(16)。2人は県内の女子軟式野球チーム「BEENS(ビーンズ)」に所属する“球児”だが、日本高野連の規定で公式戦には出場できない。「スタンドやベンチで必死に応援する」。彼女たちなりの方法で夏を戦い抜くつもりだ。

 開幕を間近に控えた13日、入善高のピロティーで亀田さんが男子生徒と共にノックを受けていた。小学生の頃は地元の野球クラブ、中学校では野球部に所属。当たり前のように男子と切磋琢磨(せっさたくま)してきた。ただ、高校で最初に入ったのはソフトボール部だった。

 野球部の見学で体格や球速の差を目の当たりにした。「やっぱり男子と一緒にはできない」。マネジャーという選択肢もあったが「仲間と白球を追い掛けたかった」

 ソフトボール部では1年からレギュラーの遊撃手として活躍したものの、練習中に野球部員が金属バットで放つ打球の快音を聞くたび、野球への思いが膨らんだ。転部のきっかけは1年の冬。部員不足に悩む田村和久監督から誘いを受け、「野球をやっていいんだと気付いた」。

 最初は軟式と硬式との感覚の違いに戸惑い、打球処理をミスして腕にあざができることもあった。それでも痛みより、野球ができるうれしさが勝った。今では男子顔負けのグラブさばきを身に付け、ミスをした部員を冗談交じりに励ます余裕も生まれた。「試合に出るチームメートは私の分身。一緒に戦う」と言う。

 「行きます!」。抽選で対戦校が決まった7日、福岡高校グラウンドで、ノックマシンにボールを入れる今方さんの姿があった。マネジャーの仕事をこなしながら、部員の打撃フォームにも目を向ける。「今の良かったよ」などと声を掛け、一緒に打撃のこつを考えることもある。

 今方さんも小学校のころから野球に取り組み、入学当初は選手になりたいと考えた時期もあった。悩んだ末、選んだのはマネジャー。「BEENS」の練習を優先するためだった。

 阿尾知記主将(3年)が「野球経験に基づいたアドバイスをしてくれる」と語るように、今では部員の誰もが信頼を寄せる存在だ。今方さんは「大会ではまず亀田さんのいる入善に勝てるよう、声をからして応援する」と話した。

 亀田さんと今方さんがプレーする「BEENS」は来月、東京である全国大会に挑む。「部のみんなの応援で予選を突破できた」と口をそろえる2人。今度は自分がみんなを支える番だと決意している。(社会部・船木悠平)

北日本新聞社

最終更新:7月15日(金)16時28分

北日本新聞