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政活費不正に批判噴出 県議会各会派 「論外」「極めて悪質」 

北日本新聞 7月15日(金)0時50分配信

 県議会副議長の矢後肇氏(56)=自民、高岡市醍醐=が政務活動費の架空請求を認めた記者会見から一夜明けた14日、県議会内からは「議員として論外」「極めて悪質」と批判が相次いだ。厳しい意見とともに、地方自治法に基づく調査特別委員会(百条委員会)の設置を検討すべきという声も出た。京都や大阪の議会では百条委で政活費の不正を追及しているが、富山県議会の最大会派・自民党は「現段階では何も言えない」と態度を示さない。 

 矢後氏の不正に「社民党・無所属」(所属4人)会長の菅沢裕明氏は「政活費は議員活動を保障する大切な公金。重大な不正だ」と憤る。民進党(同2人)会長の坂野裕一氏も「絶対にあってはならない。良識に欠けている」と厳しい。

 共産党(同1人)の火爪弘子氏は「許されない。県民と議会を欺いた。議員辞職を求めたい」と強調。公明党(同1人)の吉田勉氏は「カネの問題は政治腐敗の温床になる。誠に遺憾だ」と述べ「政活費の使い方やルールを考える検討委員会を立ち上げるべきだ」と提案した。

 県民クラブ(同1人)の笠井和広氏は「極めて悪質」、無所属の会(同1人)の海老克昌氏は「非常に残念だ」と話した。

 真相究明に向け、関係者の出頭や証言、記録の提出を求めることができる百条委の設置を「検討すべき」としたのは、菅沢、火爪、笠井、海老の4氏。各氏は「厳正に対処するため」「本人の説明が不十分」などと理由を語る。

 証言拒否や偽証に対し、罰則や告発の定めがある百条委。議会が首長らを追及する際の「伝家の宝刀」ともいわれるが、富山県議会では一度も設けられたことがない。設置には本会議出席議員の過半数の賛成が必要なため、県議会では矢後氏が14日まで属していた自民党(同28人)の意向が鍵を握る。

 鹿熊正一会長は「制度を冒涜(ぼうとく)し、議員として論外」と矢後氏を厳しく批判する。ただ、百条委には「現段階では何も言えない」としつつ「事実の全容は(13日夜の)会見で説明したと理解している」とも話した。

 県外では堺市議会(大阪府)が昨年12月、政活費約1千万円を不正に使ったとされる女性市議を調べるため百条委を設置。本会議で設置を諮った際、女性市議が所属する大阪維新の会は反対に回ったが、賛成多数で可決。これまでに9回開き、女性市議の尋問も行っている。

 宇治市議会(京都府)では、維新系の男性市議の政活費に不正使用があったとし、ことし3月に百条委を設けた。これに先立ち、議長が男性市議に聞き取りなどをしたが、「さらに詳しく調べなければならない」として設置に踏み切った。堺、宇治の両委員会は今も調査を続けている。

 矢後氏をめぐっては、2010~14年の政務活動費で約450冊、約460万円分の書籍を購入したと県議会議長に報告したが、虚偽があると北日本新聞が報道。矢後氏は13日に会見を開き、約460万円全てが架空請求だったと認め、謝罪した。(地方議会取材班)

◆百条委員会◆
 地方自治法100条に基づき、地方議会が設置する特別委員会。地方自治体の事務を調査する。政務活動費の支給が事務に当たるかどうかは、各議会の判断に委ねられる。関係者の出頭や証言、記録の提出を要求することができ、正当な理由なく拒否したり、虚偽の証言をしたりすると禁錮や罰金が科せられる。虚偽の証言をした場合、捜査機関に刑事告発されることもある。

北日本新聞社

最終更新:7月15日(金)12時30分

北日本新聞