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解禁された「混合診療」って? メリットとデメリット

ZUU online 7月16日(土)10時40分配信

混合診療の範囲を拡大し、患者からの申し出を受けて、新しい治療や投薬を実施できるようにする「患者申出療養」が、2016年4月から導入されました。

混合診療とは、公的保険が適用される保険診療と、保険が適用されない自由診療とを併用して行うことを指していますが、この混合診療は原則として禁止されていて、血管再生医療など一部の「先進医療」についてのみ例外的に認められています。

■「患者申出療養」創設で、患者の負担軽減期待

今回の「患者申出療養」は、患者が、使いたい保険外の医薬品や医療機器について申し出ると、医師や患者団体の代表らでつくる国の会議が原則6週間以内に審査。一定の効果や安全性が確認できれば併用が認められ、難病を抱える患者の負担軽減が期待されています。

厚生労働省は、この「患者申出療養」について「未承認薬等を迅速に保険外併用療養として使用したいという困難な病気と闘う患者の思いに応えるため(中略)創設されました」と述べ、「将来的に保険適用につなげるための、データ、科学的根拠を集積することを目的としています」(厚生労働省ホームページ)と、わざわざ目的を明確にしています。

■混合診療をめぐる対立根深く

それというのも、混合診療については賛成、反対の対立が根深く、自由診療で自己負担額を賄える富裕層と、保険が適用される医療しか受けられない層とに国民が分かれてしまう、いわゆる医療格差を生むと指摘されてきました。国民は常に平等な医療を受けられる「国民皆保険」の空洞化にもつながりかねないという指摘です。

このため厚生労働省は、「患者申出療養」は保険外併用療養費制度の中に位置づけるものであり、「混合診療」を無制限に解禁するものではなく、国民皆保険の堅持を前提とするものと、強調しています。

■混合診療のメリットとデメリット

混合診療には、メリットとデメリットがそれぞれ指摘されています。今回の「患者申出療養」創設で、保険診療では難しい難病などの治療の選択肢が増えることがメリットと考えられています。海外では承認されていて、日本では未承認の薬や治療を日本の病院で受けることが現実的になります。意欲的な医師たちにより、多くの最先端治療が取り入れられ、医療の発達にもつながるといわれています。

また、こうした先進医療を行っている医療機関は、1つの治療につき平均10ヶ所の医療機関にとどまっているため、近くにその病院がない場合は治療を受けづらいケースもありました。これもわざわざ遠方の医療機関に行かなくても、身近な医療機関で治療を受けられる可能性が出てきます。

しかし、デメリットとして、混合診療では医療の質の問題を指摘されています。安全性や有効性が疑わしい治療が「保険外の画期的な治療」という名目で安易に行われかねないことが心配されています。また、健康被害が発生した場合、医療費が増え、国の財政を圧迫する可能性や製薬会社・医療機器メーカーの保険適用への意志が薄れ、新たな薬や医療機器が保険診療に移行されにくくなる可能性なども指摘されています。

■これから想定される動きは?

もし、保険診療では治療が難しい難病にかかった場合、混合診療で可能性があるといわれれば、試してみたくなるのも当然です。お金がないから、という理由で治療を断念する事態になれば不安が募ることでしょう。

保険会社の関係者の間では、今回のような混合診療を受けた場合に保険金が出る新しい医療保険が登場する、と予測する向きもあります。ただ、目新しい保険になるので当初は保険料が高めに設定される可能性もあります。その場合は、多くの保険会社の保険と比較できるような商品が出るまで、様子を見た方がいいかもしれません。(提供:ヘルスグリッドオンライン)

最終更新:7月16日(土)10時40分

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