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記者が見た由伸巨人の真実「メジャー数値では優秀な采配」「恐怖の五度見事件」

東スポWeb 7月16日(土)10時7分配信

 新生巨人は前半戦を借金1の2位でターンした。今回は「一新」をスローガンに掲げた高橋由伸新監督(41)率いるチームの戦いの跡を振り返りながら、本紙担当記者が取材メモを片手に、後半戦を占う緊急座談会を開催。果たして、メークドラマの再現はあるのか。由伸巨人の現在と未来について、未掲載の裏ネタも交えながら、各記者が本音をぶつけ合った。

 堀江キャップ(担当7年目):前半戦取材、お疲れさまでした。今日は先輩記者にも加わっていただいて、これまでの戦いを振り返っていこうかと。首位広島と10差の2位という現状についてはどう捉えている?

 大島記者(担当2年目):チーム打率と防御率はリーグ5位。それとキャップ、チームの得失点差を見てください。マイナス56点はリーグワーストですよ。これで2位なら健闘と言っていいんじゃないですかね。逆に、後半戦は沈んでいく可能性も十分ありますが…。

 佐藤浩記者(メジャー担当、前巨人担当キャップ):確かに、セイバーメトリクスにも得失点差を用いた“ピタゴラス勝率”という指標があってだな。これがメジャーでは監督の“采配力”を示すともいわれているんだ。その数式(総得点の2乗÷総得点の2乗+総失点の2乗)に巨人の成績を当てはめると4割1分1厘。実際は4割9分4厘だから、チームが接戦に強いか、由伸監督が相当優秀だってことになるな。

 堀江:さすがアメリカ帰りですねえ。まあ、その数値はともかく、最初はベールに包まれていた監督のカラーも徐々に見え始めていると感じますね。

 三島記者(遊軍記者):でも、一部からは「無表情」とか「コメントが冷たい」という声も上がっているそうじゃないか。

 堀江:監督をかばうわけではありませんが、それについては反論します。格好つけずに本音で話すから、ぶっきらぼうに聞こえるんですよ。表情も勝ち負けで180度違ってわかりやすいし、怒っているときの目なんて血走って迫力満点。“ウルフ”と呼ばれた理由が最近ようやくわかってきました。後半戦は「クールでスマート」だけじゃない、監督の「ヤバい」一面をどんどん報じていこうと思います。

 大島:僕も「由伸監督“恐怖の二度見”」という記事を書きましたが、つい先日も、背信KOの高木をベンチで“五度見”していましたからね。あれには周りの選手も凍りついていました。

 堀江:まあ、監督が怒るのも無理はないよ。高木だけじゃなく、チャンスをもらっているのにだらしない若手が目立ったよな。監督も「若い選手がしっかりレギュラーに定着しないと、チーム力が上がらない」と嘆いていたけれど。広島・鈴木のように“神ってる”若手が何人か出てこないと、メークドラマの再現は難しそうだね。

 佐藤浩:若手といえば、岡本はフレッシュ球宴で本塁打を放ってMVPに輝いたよな。オープン戦までは村田と三塁のレギュラーを争っていただろ、期待できるんじゃないか?

 大島:今は二軍で修業中です。本人は「20歳の誕生日(6月30日)は一軍でビールを飲みます」と燃えていたんですけれど、三塁では村田が絶好調ですからね。死球を受けた左手甲は骨折の疑いもありましたが「痛いけど、できるんだから大丈夫。病院へ行ったら結果が出ちゃうだろ」と言い切ってプレーを続けられるのは、さすが男・村田です。ただ三塁が空いていないのなら、岡本には外野や他のポジションを試させたらどうかと。フレッシュ球宴のMVPは化けるきっかけになりそうだし、後半戦はギャレットと左翼で競わせてはどうでしょうか。

 堀江:ギャレットは最近、また当たりが止まってしまったしな。外国人組ではクルーズの故障も痛い。マイコラスもようやく戻ってきたけれど、パッとしない。スタッフに聞けば「肩をかばっているのか、フォームが小さくなってしまった」とか。故障離脱中のポレダは、家族が日本生活になじめないのもストレスになっている様子。助っ人軍団の体たらくには、フロントも頭を抱えているよ。

 三島:昔、ヤクルトからグライシンガー、ゴンザレス、ラミレスを引き抜いたときのように、国内球団からの“強奪補強”に思い切りシフトしたらどうかな。特に打者は西武・メヒアや日本ハム・レアード、広島・エルドレッドとか、今年のオフは契約切れの大物助っ人が市場に出揃いそうだしね。水面下では、代理人たちが動き始めているよ。

 大島:ドラフトも重要です。投手事情を考えると上位は即戦力投手が濃厚ですが、岡本に続く高卒のスター候補生も何人かほしい。三軍も創設2年目ですし、一芸に秀でた育成選手がもっと増えると面白いかと。コーチ陣からは「小粒な選手が多い」と嘆きが聞こえていますし…。

 佐藤浩:明るい話が少ないなあ。俺がキャップだった2012年から3年間はリーグ3連覇。あのころは敵なしに思えたけど、どうなっちゃったんだよ、巨人は…。

 大島:そのころの巨人が目先の補強ばかり進めてきたから、今になってファームを見渡しても有望選手が見当たらないんですよ!

 堀江:先日、親会社トップの渡辺主筆が「巨人はボロボロになっていたじゃないか。ボロボロを引き継いで、すぐ勝てるわけないよ」と語っていましたが、その通りだと思います。だからこそ、親会社の上層部は安易に球団に口出ししない我慢も必要。広島みたいに若い生え抜きが揃って、勢いがあるチームに育つには、どうしたって数年はかかります。今年に関しては若手にチャンスを与えつつ、Aクラスを争えれば及第点。厳しい戦いが続きそうですが、後半戦の取材もよろしくお願いします。

最終更新:7月16日(土)10時7分

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