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熊本地震で被災した秘湯を襲った豪雨 それでも、源泉は生きていた

BuzzFeed Japan 7/16(土) 11:30配信

震度7の大地震から3ヶ月が経ち、新聞やテレビで熊本のニュースを見ることは、ほとんどなくなった。

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6月には豪雨災害もあり、復興どころか地震直後よりもさらに窮地に追い込まれている人たちがいることを、どれだけの人が知っているだろう。

この写真は地震直後ではない、震災の片付けが進みかけていた6月20日夜から翌未明にかけて、熊本を襲った豪雨の跡だ。
【BuzzFeed Japan / 籏智広太】

豪雨で、特に大きな被害を受けたのが、南阿蘇村の秘湯「地獄温泉」。江戸時代から続き、5つの浴場、2つの宿泊施設を持つ、県内屈指の温泉旅館だ。

震災で営業休止になっていたところを、豪雨による土石流が襲った。地震で無事だった施設も半分以上が流され、泥に埋もれた。

再開のめどは立っていない。経営を担う3兄弟とその家族、従業員の収入は絶たれた。いまも避難所暮らしが続いている。

秘湯を襲った震災

阿蘇山の山間、曲がりくねった一本道の奥に、地獄温泉はある。

約200年前に発見され、江戸時代には細川藩士しか入浴できなかったという逸話も残る、歴史のある秘湯だ。

少し緑がかった白濁色、浸かると体に硫黄臭が染み付くほどの泉質。古くから多くの湯治客が集ってきた。

4月16日、熊本地震の「本震」で、村にある阿蘇大橋は崩落。大学寮や別荘地などでは死者が出た。

地獄温泉へつながる一本道も崩れ落ち、宿は孤立状態に。宿泊客と従業員をあわせた約50人は、夕方に自衛隊のヘリで救出された。

副社長で次男の河津謙二さん(52)は、地震から10日ほど経って、ようやく宿を見にいくことができた。

「そこで、泉源と水の無事を確認できたんです。お湯があればどうにかなると、一安心しました」

BuzzFeed Newsの取材に、そう振り返る。

敷地内には地割れができ、明治時代に建てられた本館に歪みも出た。それでも、入浴施設は無事だった。旅館の営業はしばらくできないとしても、日帰り入浴だけでも、早く再開したかった。

行ける日はできるだけ、兄弟や従業員と宿へ足を運んだ。道を開き、手作業で直せるところから、徐々に復興への道筋を立てていった。

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最終更新:7/16(土) 11:30

BuzzFeed Japan