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道交法改正から1年、いまだ浸透しない自転車ルール 即罰金の可能性も

乗りものニュース 7月16日(土)10時30分配信

依然として存在する「危険な自転車」

 2015年6月に自転車に関連する道路交通法が改正され、およそ1年が経過しました。

 この改正後、道路環境も少しずつではありますが、確実に変化を見せています。首都圏においては、大通りを中心に車道の左端へ自転車レーンが整備され、左側通行を喚起する矢印のペイントなども見受けられるようになってきました。

 しかし肝心の自転車利用者にとって、いまだこれらの法律は浸透していない、というのが実情のようです。自転車に関する啓蒙活動やイベント運営を手掛けるチームキープレフト/サイクルモード実行委員会が2016年5月に実施したアンケート調査によると、改正道交法内に記載された「自転車運転の危険行為14項目」について、「内容を理解し遵守している」という回答は全体の4割未満という結果が出ています。つまり、回答者の6割以上が、遵守できていないと意識しており、このアンケートが自転車イベントの来場者を対象に行われたことを考えると、実情はさらに悪いものといえるでしょう。

 これは、日常的に自転車を利用している筆者(守宮尚志:ポタリング・ライター)の感覚とも、かなり一致しています。右側通行をはじめ、歩道を通常速度で走行する、信号無視、イヤホンやスマホの「ながら運転」といった自転車はよく目にしますし、そうした自転車と不意に衝突しそうになったこともあります。

 つまり現在、自転車は「法は整えたが、それが浸透しているとはいえない」--法改正以前から自転車利用者の意識に大きな変化はなく、依然として危険な運転が横行している、というのが現実のようです。

 この状況を行政側から改善しようとした場合、さらなる法規制や違反時の罰則強化、具体的には「自転車のナンバープレート装着化」や「法規違反者の即時罰則金徴収」「自転車運転免許制の導入」というところまで踏み込むことになるかもしれません。

すでに始まっている「自転車の規制強化」への流れ

 自転車の「ナンバープレート」や「免許制」というと極端に思うかもしれませんが、実際に地方自治体が条例レベルで動いた例もあります。

 2012年、東京都が自転車にナンバープレート導入を検討という報道がありました。現在は道交法の改正によって議論も収束しているようですが、これも自転車の危険な状況を憂慮した動きのひとつでしょう。クルマのように、ひと目で個体識別ができることは、違反の抑止効果があると考えられるからです。

 いまさら自転車の「全車登録」など非現実的に感じられるかもしれませんが、1954(昭和29)年まで同様のものが存在しました。これは「鑑札」と呼ばれる、自転車税を徴収するためのシステムでしたが、目的こそ違えど「全車登録」と「認識票の設置」は過去に実績があるのです。

 また、いま現在動いているものとして、2015年、兵庫県で自転車の損害賠償保険加入が義務化され、続いて今年には大阪府でも同様の条例が施行されました。こちらの目的は事故の抑止ではなく、起きてしまった事故への対処になりますが、ここにも「自転車は現状では危険」という意識があるといえるでしょう。

 さらには、いくつかの自治体や警察署で、法的拘束力はないものの、学生をはじめ一部の利用者を対象に「免許証」を交付するところも出てきています。

 これらの事例から、行政は、自転車もほかの車両と同等の環境にすることを目指している、という意志を感じることもできるかと思います。自転車は厳密には「軽車両」に区分され「車両」とは異なりますが、その手軽さゆえか「『歩行者』に近い意識」が強いのが現状でしょう。これを行政が「『車両』に近い意識」にシフトさせようとするのは、交通安全の観点から考えれば自然な流れなのかもしれません。

 しかし、これらの方策より、自転車を「車両」とする意識を高めるため、さらに効果的かつ確実であろうものが、ひとつ存在します。それは、クルマなどではすでに行われている「罰則金の即時徴収」です。

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最終更新:7月19日(火)10時39分

乗りものニュース