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女性を意識した新観光列車「伊豆クレイル」、女性の手で出発進行 走行区間と不思議な縁も

乗りものニュース 7/16(土) 16:10配信

料理は女性に人気の秋元さくらオーナーシェフが監修

 近年、車内で風景とともに地元の味を楽しめるなど、「それに乗ること」を目的にした「観光列車」が日本各地に登場しています。

【動画】「ミュージックホーン」で発車する「伊豆クレイル」一番列車

 そうしたなか2016年7月16日(土)、珍しいコンセプトの観光列車がデビューしました。特に「女性」を意識したという、JR東日本の快速「IZU CRAILE(伊豆クレイル)」です。

 色にピンクゴールドを使い「柔らかさ」「女性らしさ」を取り入れたというデザイン、車内で「食とお酒とおしゃべりを楽しんでほしい」という方向性、料理を監修するのは女性に人気という東京・目黒のフレンチレストラン「モルソー」の秋元さくらオーナーシェフと、随所にそのコンセプトが現れています。ちなみに、車内の網棚も通常より低くなっているとのこと。これも「女性」が意識されているからです。

 運行区間は、車窓に相模灘が眺められる小田原駅(神奈川県小田原市)と伊豆急下田駅(静岡県下田市)のあいだ。デビュー当日、始発の小田原駅で行われた「伊豆クレイル」の出発式には、秋元さくらオーナーシェフらが参加。その「出発進行」の合図で11時40分、列車は「ミュージックホーン」を高らかに響かせたあと、伊豆半島の南端近くにある伊豆急下田駅へ向け発車していきました。

「伊豆クレイル」とその走行区間にある、時代を超えた不思議な縁

 また運行初日の「伊豆クレイル」は、さらに「女性」が意識されていました。担当したJRの乗務員は、運転士が国府津運輸区の主任運転士である森 可奈さん、車掌が熱海運輸区の主任車掌である山下茉菜美さん。つまり女性乗務員の手によって、「伊豆クレイル」の運行が始められたのです。

「初日の運転担当に選ばれ大変うれしく思っております。お客さまにおいしい料理、美しい景色を存分にお楽しみいただけるように安全運転に努め、ゆったりとした時間と感動をお届けします」(森運転士)

「初列車を担当することができ光栄です。お客さまのすてきな旅の思い出になるよう、精いっぱい務めます」(山下車掌)

 現在では「男女雇用機会均等法」などにより、鉄道の女性乗務員は珍しくありませんが、かつてはそれだけでニュースになった時代がありました。一般的な電車を運転する女性の運転士が初めて誕生したのは1993(平成5)年、伊豆急行線(伊東~伊豆急下田)でのことで、当時はそれ自体が「ニュース」としてメディアで取り上げられています。

 今回、観光列車として珍しく特に「女性」を意識して登場した「伊豆クレイル」。それが走るのは、JRの東海道本線(小田原~熱海)と伊東線(熱海~伊東)、そして伊豆急の伊豆急行線です。JR東日本がおもに「女性」を意識した観光列車をそこに誕生させたことについて、差別化などの考えほか、偶然とはいえひとつの「縁」も感じます。

 ちなみに「伊豆クレイル」は土休日を中心に運転され、JR東日本によると好評ですでに満席の列車が多いとのこと。ただ、まだ空きはあるそうです。

恵 知仁(鉄道ライター)

最終更新:7/16(土) 17:46

乗りものニュース