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【高校野球】 伝統校・横浜高の変革 新風吹かせる平田監督の覚悟「腹を切る覚悟はある」

Full-Count 7/16(土) 20:26配信

「僕は野球も好きですけど、生徒も好きなんです」

 今夏も激戦区といわれる神奈川県大会で優勝候補の一角に上げられる横浜高校。プロスカウトが注目するエースの藤平尚真投手、遠投100メートル以上で柵越え連発のパワーを誇るスーパー1年生の万波中正外野手などを抱え、チーム力では頭抜けているという下馬評だ。勝って当然と期待が高まる中で、選手たちに「内発的なモチベーションに任せた野球をしよう」「やらされる野球はやらないでくれ」と伝えてきた平田徹監督は、どんな思いを持って“本番”に臨むのだろうか。

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――高校野球では、選手は長くても2年半しかプレーできません。短期間の中で、選手が持つ才能を伸ばしつつ、勝てるチーム作りをすることは、とても難しいことだと思います。

「根気がいりますね。根気と…生徒への愛ですかね(笑)」

――練習中でも選手に声掛けをしたり、打撃投手をしながら、頻繁にコミュニケーションを取っていました。

「監督になる前にコーチとして10年間指導しているんですけど、監督になってから生徒と距離を感じることがあるんです。僕は変わっていないつもりでも、肩書きなんでしょうね。前は寮に泊まると一緒にお風呂に入ったもんですが、今は彼らのストレスにならないように、あえて距離を縮めようとはしていません。ちょっと寂しさはありますけど。

 僕は野球も好きですけど、生徒も好きなんです。野球が上手いとか下手とかではなく、1人1人を見ると面白いんですよね。みんな人間的に愛すべき面を持っていて、生徒との会話やコミュニケーションが楽しいんですね。

 打撃投手は毎日しているんですが、あれはストレス発散で、完全に僕の自己満足です(笑)。それで結果的に生徒が喜んでくれたり、感謝されるたりっていうのは、都合がいい。生徒とグランドで野球をやっている時が、一番のストレス発散になりますね」

大役を受けたプレッシャー「月に2回くらい、末恐ろしくなることがあります」

――野球が好きで生徒が好きだったら、高校野球の監督はまさに天職ですね。

「勝負の世界なんで、いい意味でのうぬぼれを持ちながらやっていかないと、プレッシャーに潰れてしまう。そういう意味で言わせていただくと、これが宿命というか天命なんだなと。反面、とてつもない大役を仰せつかったという怖さもあるし、なんで僕なんだろうっていう葛藤もあります。月に2回くらい、末恐ろしくなることがあります。生徒と一緒に寮に泊まって、朝目覚めた時に『なんでこんなところに寝起きしているんだろ。どこから道を誤っちゃったんだろう?』って(笑)」

――伝統校という勝利を求められる場所で、新しい取り組みを行っていることに対するプレッシャーを感じているんでしょうね。

「かもしれません。ただ、腹を切る覚悟だけは持っています。そうしないと、思い切ったことができないんで。なんとか成功して、この座に長くとどまろう、とは思っていません。語弊はありますけど、ダメだったら退けばいい、そう思ってます。命を取られるわけじゃない。選手にも『ベンチの顔色をうかがうな。そんな野球の何が面白いんだ』って言っているんで、僕も人の顔色をうかがわないようにやろうと思います」

――こういった指導方法を目指すきっかけが、何かあったのでしょうか?

「コーチをしながら感じることもありましたし、いろいろなところで見聞きしたことが何気ないヒントになったり、ということはありました。ただ、僕自身、まだ視野が狭い人間だと思っている。高校野球は一年中やっているから、外に出るチャンスがない。たまには指導者だって、異国の野球を見てみたい、見る必要がある、と思うんです。もっともっと勉強してみたいこともあるし、見てみたい世界もある。自分自身の成長を目指す上でも、そこは課題ですね」

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最終更新:7/16(土) 20:34

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