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<米軍土壌汚染調査>日本負担9.7億円 地位協定の不合理ここにも

沖縄タイムス 7/17(日) 5:00配信

 【沖縄】米軍嘉手納基地跡地の沖縄市サッカー場で高濃度のダイオキシンを含むドラム缶が発見された土壌汚染問題で、国や県、市が投じた調査費などが、2013年6月の発覚から16年度予算を含めて総額約9億7900万円に上ることが16日、分かった。環境調査団体「インフォームド・パブリック・プロジェクト(IPP)」の河村雅美代表が赤嶺政賢衆院議員(共産)らの協力を得て算出、分析した。日米地位協定で原状回復義務を免れた米軍の“尻ぬぐい”に、日本側が多額の税金を投入している実態が改めて浮き彫りになった。(中部報道部・比嘉太一、社会部・篠原知恵)
 河村氏のリポートによると、同問題に関連する調査費や汚染除去費は、13年6月の発覚から16年3月までの支出・経費に、16年度の予算計上分を加えた合計9億7909万1229円。内訳は防衛局の汚染調査や汚染土砂の処理、埋め戻し工事などで約9億500万円、県の排水調査で約320万円、沖縄市が独自に土壌などを調べたクロスチェック調査で約7100万円。
 サッカー場内の土壌汚染地は約1万4千平方メートル。沖縄セルラースタジアム那覇のグラウンド(約1万3800平方メートル)とほぼ同じ面積の汚染除去に10億円近い税金を投入したことになる。同問題では沖縄防衛局、県、市の各行政機関がそれぞれ調査しており、まとまった費用のデータがない。発覚から汚染除去にかかった中間経費の総額が明らかになったのは初めて。
 日米地位協定4条は「軍用地返還の際、米軍は土地や建物の原状回復や補償の義務を負わない」と明記。河村氏は「不合理な協定からいかに脱却するか議論が深まっていない。沖縄側は漠然と改定を求めるだけではなく、説得力のある具体的なデータを示して交渉すべきだ」と提言した。
 赤嶺氏や山内末子県議(おきなわ)、桑江直哉沖縄市議(護憲フォーラム)が議員の調査権で取り寄せた情報を基に河村氏が費用を算出、検証した。契約形態や業者別支払額もまとめている。リポートはIPPのHPで公開予定。http://ipp.okinawa/

 【ことば】沖縄市サッカー場土壌汚染問題 13年6月、嘉手納基地の返還跡地にあるサッカー場の芝替え工事の際に米軍が廃棄したドラム缶19本が地中から見つかり、現在までに計108本が確認されている。防衛局が実施したドラム缶周辺の土壌調査では高濃度のダイオキシン類などが検出された。環境の専門家は枯れ葉剤に起因していると指摘している。

最終更新:7/17(日) 20:30

沖縄タイムス