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犬と飼い主の関係って?痛烈な皮肉で描いた鬼才トッド・ソロンズ監督の新作

シネマトゥデイ 7月17日(日)13時2分配信

 映画『ウェルカム・ドールハウス』『ストーリーテリング』などの鬼才トッド・ソロンズ監督が、新作『ウィナー・ドッグ(原題) / Wiener-Dog』について、6月24日(現地時間)にニューヨークのAOLのイベントで語った。

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 本作は、去勢されるダックスフンドをかわいそうに思う少年をとんでもない作り話で納得させる母親ディナ(ジュリー・デルピー)、何事もうまくいかずにダックスフンドにひどい仕打ちをする教師デイヴ(ダニー・デヴィート)、彼女ドーン(グレタ・ガーウィグ)には冷たいがダックスフンドはかわいがるドラッグ依存症のブランドン(キーラン・カルキン)など、ダックスフンドとさまざまな飼い主の関係を痛烈な皮肉で描いたもの。

 ハリウッド作品のキュートなダックスフンドと人間の関係を描いた映画ではないことについて「確かにダックスフンドはキュートな犬で、犬を含めたペットは、希望、憧れ、幻想のような人間が生きるための動脈みたいなものだが、われわれ人間はそれら動物に、純粋で心が清いものと(勝手な)イメージを抱いている。もし犬に何か悪いことが起きたら、本能的な感情から人間同士が争うこともあるだろう」と語った。ダックスフンドを通してさまざまな人間模様を浮き彫りにしていく過程が興味深い。

 これまで挑発的な映画も作ってきたソロンズ監督だが、そのような評価を批評家から受けることについて「あまり懸念していない。僕は、これまでの作品のキャラクターを、それぞれ時間をかけて手掛けてきた。もしそうでなかったら、おそらく毎作こんな苦しい体験をしながら作っていない。僕の映画の大半はSad-Comedy(悲しいコメディー)と言われているが、今作は絶望の喜劇と言えるかもしれない」と答えた。

 今作は死の必然性が描かれているが、そんなテーマを題材にした脚本の執筆について「テーマは脚本を書いている時点で発見する。僕にとっての脚本の執筆は新たな発見で、それは映画製作も同様だ」と語り、さらに「今作は最後まで一気に執筆した。もしストーリーの動きに問題があれば、戻ったり、再構成したりすることもあり、実際にはセットの撮影開始後も行うケースはある。ただ、最初に概要を書いたりはしない、それは役に立たないからね。今回4~5部の構成にするか迷ったが、4部構成で十分だと思った。全てにおいて、この執筆過程は本能によるものだ」と説明した。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

最終更新:7月17日(日)13時2分

シネマトゥデイ