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地域おこし協力隊がジュース開発 特産ブドウの後継者育成も

両丹日日新聞 7月17日(日)8時0分配信

 大粒で甘みが強く、京都府の丹波地方を代表する秋の味覚「三和ぶどう」。例年、店頭販売が始まると長い列になり、全国からの電話予約も一日で締め切られるほどの人気だ。福知山市三和町大身と並ぶ産地、同町友渕の大原野開発生産組合(高根利数組合長)では、地域おこし協力隊員の力も借りて、ぶどうジュースの開発、新規就農者確保に取り組んでいる。

 組合では、ひと足先に栽培していた大身に倣い、1988年ごろから約1ヘクタールの畑を整備し、ブドウ作りを始めた。品種はマスカットベリーAで、軌道に乗り始めてからは、例年10トンほどを出荷。一定の利益も上げてきた。

 しかし、当初は19戸が加入していた組合も、現在は10戸と半数近くに減少。メンバーの平均年齢も75歳ほどで、担い手不足や高齢化といった課題が出てきている。

 高根組合長(82)は「パートさんを雇って作業の手伝いをしてもらうことで、ある程度の出荷量は確保できていますが、将来的には不安もある。作付面積や販路の拡大もしたいが、人手が足りず現状維持だけで精いっぱい」という。

 課題に対応するため組合では、都市圏などから人材を受け入れ地域活性化に取り組む「地域おこし協力隊」に協力を依頼。隊員として昨年3月に京都市から友渕にやってきた紀氏浩太朗さん(28)が動いてくれることになった。

 紀氏さんは、まずブドウ作りの基礎を学ぶところから始め、収穫までの流れをひと通り経験。それからは、高根組合長らとともに、三和ぶどう作りの新規就農者探しに奔走しだした。

 京都府の相談会などでブースを出したりして、三和ぶどうの魅力などを説明。その結果、京都府南部の40代男性が手を挙げ、現在は組合のブドウ園でノウハウを教わっており、紀氏さんは「うまく話が進み、担い手になってもらえればうれしい。将来的な出荷量の拡大につながれば」と期待している。

知名度アップねらい新製品

 これと並行し、三和ぶどうの知名度アップと販路拡大、規格外のブドウの有効活用を図ろうと、ぶどうジュースの開発にも着手。与謝野町の業者と協力し、試行錯誤を重ねて昨年10月ごろに試作品を完成させた。

 寺尾の三和荘で試験的に販売しており、商品を置けば売り切れる人気に。それでも、「無添加で濃厚なブドウの甘みが感じられる味に仕上がっていますが、濃すぎるという意見もあり、改善が必要」と紀氏さん。

 さらに「今後は、三和ぶどうのアイスやシャーベットも作りたい。まずは町内のイベントなどで販売ができれば」と意気込んでいる。

 高根組合長は「当初は、紀氏さんが就農者になってくれるものと思っていて、少し食い違いがありました。しかし、6次産業化など熱心に活動してくれており、いまは感謝しています」と話している。

 また今後の展望として、「まずは新規就農の方にしっかり定着してほしい。それから次のステップに進み、ゆくゆくは出荷量の倍増を」と語る。それが、三和町の発展につながると信じて。

両丹日日新聞社

最終更新:7月17日(日)8時0分

両丹日日新聞