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小中学生プログラミング教室人気 福井県内、論理的思考力を鍛える

福井新聞ONLINE 7月17日(日)8時16分配信

 政府が、2020年度から小学校でプログラミング教育を必修化する方針を打ち出す中、小中学生を対象にした民間のプログラミング教室が福井県内で人気だ。運営者は「論理的思考力や想像力を養える」と、IT社会を担う人材育成に力を注いでいる。

 6月末の水曜午後6時すぎ。勝山市内の教室に小学3年から中学3年の男子6人が集まってきた。県内のIT企業経営者3人が、14年に立ち上げたサークル「プログラミング・クラブ・ネットワーク(PCN)」が昨夏から開いている。

 「ベーシック」や「ジャバスクリプト」といったプログラミング言語をキーボードに打ち込む子どもたち。パソコン画面の好きな場所に文字や数字を点滅させるゲームを作ったり、ランダムに発生させた数字の大小を競うゲームを楽しんだり、笑い声が絶えない。竹内享汰君(勝山市北郷小5年)は「プログラミングを学び始めて10カ月ぐらいだけどゲーム作りは楽しいよ」と笑顔を見せる。

 講師を務めるPCNの松田優一さん(39)=勝山市=は、プログラミングは上から下へ記述された順に処理していく「順次」など五つ程度の基本原則を覚えれば誰でもできると言い「課題解決に向けて筋道を立てて考える力や、思いついたアイデアを形にする力が鍛えられる」と強調する。

 鯖江市のNPO法人「エル・コミュニティ」は、昨年11月から市内で小中学生向けの教室を開講。PCNのメンバー、福野泰介さん(37)=鯖江市=が子ども向けに開発したプログラミング専用パソコン「イチゴジャム」を活用している。

 講師の福井高専名誉教授、蘆田昇さん(66)=京都市=は「小さいうちは遊びでいい。楽しさが分かれば長続きし、自然とスキルが身につく」とし、将来的にはものづくりに興味を持ってほしいと期待する。

 人工知能(AI)やビッグデータ解析などの高度なIT技術に対応できる人材を育てるため、文部科学省は20年度以降実施される次期学習指導要領で、プログラミング教育を小学校で必修化し中学校でも拡充する方針だ。

 松田さんは県内の小中学校で出前授業も行っているが、教員が子どもたちと一緒に取り組む際「『文系だから…』と消極的な先生が多く、プログラミングの楽しさを子どもに伝えられるか不安」と懸念する。プログラミング経験のない教員は多く、今後は研修などを通じた指導体制の確保に加え、大学生や定年後のエンジニアを授業で活用するなどの必要性を指摘する。

 SNSなどでPCNの取り組みを知り、近年は金沢や三重、仙台のほかモンゴルやベトナムからも「教育のノウハウを教えてほしい」と問い合わせが相次いでいるという。松田さんは「福井の子どもたちが時代や世界に取り残されないようにしないといけない」と、IT教育の重要性を訴えた。

福井新聞社

最終更新:7月17日(日)8時16分

福井新聞ONLINE