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《白球の詩》怖さ克服 大きく成長 勢多農・小野坂峻三塁手

上毛新聞 7月17日(日)6時0分配信

◎頭と顔に死球

 今春、頭と顔面に死球を受けた。硬式球の怖さを克服して臨んだ夏の大会だった。

 死球は中毛リーグの試合だった。初回、先頭打者として打席に立つと、相手投手の速球がヘルメットを直撃。意識はあったが、体はクラクラして思うように動かず、打席に倒れ込んだ。試合途中でグラウンドを離れ、病院で診察を受けた。

 「異常はない」。医師の言葉にほっとすると、すぐに気持ちはグラウンドに向いた。1年時の秋から試合に出ていたが「まだレギュラーとして定着していない。試合に出て活躍したいのに」と、歯がゆい思いが募った。

 2回目の死球も同じ中毛リーグの別の試合だった。同じように初回の打席で、顔面を直撃。鼻とくちびるから出血し、救急車で病院へ運ばれた。ヘルメットへの死球とは比べものにならないほどの激しい痛みだった。1週間の自宅安静が必要と医師から診断された。「なぜ2度も。大事な時期なのに」。悔しさがこみ上げ、焦りが増した。

 10日後、練習に復帰したものの、違和感を覚えた。打席では近めの投球にバットが出ない。体が無意識に逃げてしまっていた。守備の練習でも、打球に対して前に踏み出せない。「峻、最近前に出てないぞ」。チームメートに言われ改めて気がついた。「無意識に死球の怖さがプレーに出ている」。チャンスメークする1番打者の役割を分かっているからこそ、打撃練習では近めにどんどん投げ込んでもらった。

 初戦の群馬高専戦は初回に中前打で出塁して先制のホームを踏んだ。チームに流れを引き寄せると、2安打2得点で勝利に貢献した。「もう万全の状態。1番打者の役割は果たせたかな」と思った。

 迎えた3回戦の相手は優勝候補の一角、桐生第一。4点を追う九回、2死走者なしで打順が巡ってきた。相手投手の交代で間が空くと、主将の須永紀希らがベンチを飛び出し駆け寄った。「まだ終わるのは早いぞ」。仲間の言葉に力が湧いた。

 「(次の打者に)つなげたい一心」で初球を迷わずに振った。打球は一、二塁間へのゴロ。「アウトになるな。何か起きてくれ」。心の中で叫びながら頭から滑り込んだが、アウトの判定が聞こえた。

 大会屈指の好投手、内池翔らから安打を放つことはできなかったが、近めの球も恐れず、思い切りバットを振った。

 「頭への死球は怖かっただろうが、逃げずに(練習に)立ち向かってきた。みんなが頼れる1番打者に成長してくれた」と阿久沢毅監督は努力を褒める。

 試合後、ベンチ裏で目を腫らして声を振り絞った。「皆ともっと野球をしたかった」。支えてくれた仲間に感謝の気持ちは忘れない。(斎藤洋一)

最終更新:7月17日(日)6時0分

上毛新聞

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