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【ラグリパWest!】秋本番へ仕上がりは上々 近鉄ライナーズ

ラグビーリパブリック(ラグビーマガジン) 7/17(日) 11:42配信

 約1か月後に迫ったトップリーグシーズンに向け、近鉄は順調だ。
 広報・普及を担当するOBの徳丸孝太は取材対応中、にこやかだった。
「ここまで大きなケガ人もなくきました」
 約2時間のグラウンド練習は、少ない人数でも最初からマークをつけたアタック&ディフェンス形がほとんどを占める。

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 春季オープン戦は3勝2敗。
 初戦、トップリーグの下部組織、トップイーストDivision1の日野自動車にこそ12-29と不覚を取ったが、白星はすべてトップリーグチームから挙げる。リコーには26-12、神戸製鋼には28-17、サニックスには19-7。
 敗れた東芝にも19-33。競っている。
 特に神鋼は、関西から2チームのみのリーグのライバルでもある。昨年度リーグ戦7位で臨んだ上位8チームによるLIXIL CUP 2016では、1回戦で10-42と大敗した。
 その相手を降す。春の試合は育成目的などもあり万全の状態ではない。それでも、その勝利はチーム力の底上げを意味している。

 この10月に36歳になるFLタウファ統悦は笑みを浮かべる。
「チームの状態はむちゃいいです」
 近鉄はベテラン依存度が他チームより高い。最年長はアドバイザー兼任のFL佐藤幹夫。今年11月で37歳になる。同学年はSO重光泰昌。タウファの同級生はFB高忠伸だ。日本代表キャップ歴代6位の63を誇るLOトンプソン ルークは35歳になった。
 今年の特徴は、年長者が若手と同じ練習を明るくこなしていることにある。
 タウファはその理由を口にする。
「監督はいい雰囲気を引き出す力がある。柔らかいですよね。こうじゃなくてね」
 日本代表キャップ22を持つ男は、肩幅に広げた手で下に矢印を書き、指先を合わせた。「上から命令しない」という意味である。

 前監督・前田隆介の退任に伴い、アシスタントコーチだった坪井章が昇格した。新監督は「近鉄はベテランを大事にするチーム」と言い切り、積極的に選手と面談をして、不平不満がたまらないようにする。
「僕はまず聞くことが大事と思います。すべてをオープンにする。人が面倒臭いと思うことをポジティブに捉えています。否定的な人間は運営にええヒントをくれますから。マネジャーなどを10年やってきて思うのは、『チームは人やなあ』ということなんです」

 風通しのよさは新人にも伝わる。
 SO野口大輔はこの4月、東海大から入部した。1月の第52回大学選手権決勝では、7連覇する帝京大を17-27と苦しめる。
「毎日楽しいです。チームは上下関係がなく、年が離れていても話しかけられる雰囲気がある。トモさんなんか『どうですかあ?』って心配して、気さくに声をかけてくれます」
 昨年、3勝1敗の成績を残したワールドカップのヒーロー、トンプソンがルーキーをいたわる。
 その野口は、これまで「安泰」と言われた重光を脅かす存在になっている。左右の正確なロングキックを強みに、東芝、サニックス戦で先発した。坪井は話す。
「シゲが言われんでも黙々とやってます。シナジー(相乗)効果ですね」

 タウファのいるFW3列も、2年目で体幹の強いFL田淵慎理(同志社大)と3年目で激しさのあるFL堀大志(法政大)の成長が著しい。天理高出身コンビに新外国人も絡む。骨惜しみしない動きが光り、U20南アフリカ代表歴のあるNO8ジーン・クック。オーストラリア出身、204センチの高身長を誇るLOマイケル・ストーバークも加入した。
 FWコーチに就任したキウイ、スティーブ・カンバランドは対人を中心にスクラムを鍛える。神鋼でのコーチ経験もあり、日本のラグビーを理解している。
「勢いに乗ったらスクラムは強いですよ」
 控えめな坪井が自信をのぞかせる。

 夏合宿は北海道・北見で7月20日~30日まで11日間行われる。オープン戦は23日にNEC、26日に東芝、29日にクボタ。
 坪井は見通しを口にする。
「NECとは40分を3本する予定なので、最終的なトライアルになります。その後は、メンバーを固めていくことになります」
 この合宿からオーストラリア代表経験があり、スーパーラグビー・レッズに在籍する2人が合流する。CTBアンソニー・ファインガ(キャップ23)とCTBクリス・フェアウアイ=サウティア(同2)だ。

 8月13日には最終調整となる神鋼とのオープン戦を控える。そして26日、トップリーグ2016-2017の開幕試合としてサントリーと対戦する。
 坪井は目標を語る。
「トップ4に入ることです」
 近鉄のリーグ戦最高位は5位。その2011年度の成績を上回りたい。
 トンプソンは言う。
「いつも通り、自分の仕事をやって、チームを助けたいね。勝ちたいです」
 チームスローガンは「MOVE FIRST」。
 よい気が流れる中、選手たちはまず動いて勝利を掴みとる。

(文:鎮 勝也)

最終更新:7/17(日) 11:42

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