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勢いづく韓国、見えてきた次期国産戦闘機「KF-X」の性能は? ぬぐえぬ懸念も

乗りものニュース 7/17(日) 14:29配信

国産練習機の成功で勢いづく韓国

 2025年頃の実用化が目指されている、韓国空軍の国産次世代戦闘機KAI(韓国航空宇宙産業)「KF-X」。これまでその実態は明らかではありませんでしたが、2016年に入ってレーダーシステムやエンジンを供給するメーカーも決定したことにより、その姿がおぼろげながら少しずつ見えてきました。

 近年、韓国はアメリカ産戦闘機のライセンス生産を積極的に行うなど、航空技術を大幅に高めつつあります。特に、ロッキード・マーチン社の協力を仰ぎながらもKAIが主導し、開発した国産機T-50「ゴールデン・イーグル」は、旧来の高等練習機と戦闘機の機能を盛り込んだ新しい概念のジェット練習機「戦闘機導入練習機(LIFT)」として完成しました。

 このT-50は韓国空軍のみならず輸出にも成功しており、2016年6月にはアメリカ空軍の「次期練習機選定(T-X)」の競作に参加すべく、アメリカ空軍仕様に再設計した新しいT-50の初飛行を実施。「T-X」の最有力候補となっています。

 T-50の成功によって勢いづいた韓国の航空業界は、「次世代戦闘機の国産化」という次のステップへとコマを進めるべく「KF-X」の開発に着手しました。開発費はおよそ9000億円を見込んでおり、その費用捻出のため、インドネシアやトルコも計画に参画。またアメリカのロッキード・マーチン社をはじめ、多くのメーカーが出資する国際共同プロジェクトになっています。

韓国産次世代戦闘機「KF-X」、想定性能は? 「スパホ」「ラファール」が参考に

「KF-X」の開発における最大の課題は、韓国の航空機メーカーには「戦闘機用エンジン」と「火器管制システム(主にレーダー)」を開発、実用化する技術が存在しないということです。

 そのため、エンジンはアメリカのジェネラル・エレクトリック社製「F414」を双発搭載することが決まっています。このF414はすでに戦闘機用エンジンとして実績があり、特にアメリカ海軍などが導入している戦闘機ボーイングF/A-18E/F「スーパーホーネット」がF414を双発搭載しているため、「KF-X」の推定性能を測るうえでひとつの目安になるでしょう。

「KF-X」の機体規模は全長15m級と、「スーパーホーネット」よりもひと回り小さく軽くなる見込みなので、兵装搭載力や航続距離は「スーパーホーネット」以下、飛行性能は「スーパーホーネット」以上になると予想できます。また、「KF-X」にはレーダーに映りづらくするステルス性能が盛り込まれますが、レーダー乱反射を防ぐためにミサイルなどを機内に収納する「ウェポンベイ(兵装庫)」が想定されておらず、アメリカ空軍などが採用する戦闘機F-22やF-35のような高度なステルスにはならないものと思われます。

 また「KF-X」では国産できない火器管制システムを開発するため、フランスのタレス社が参画。タレス社は同国の戦闘機ダッソー「ラファール」の「RBE2レーダー」を開発した実績があります。よっておそらく「KF-X」が搭載する火器管制システムは、RBE2の派生型を中心としたものになるでしょう。

 現代戦闘機のドッグファイト(格闘戦)は飛行性能ではなく、搭載する各種電子機器やそれを制御するソフトウェアの優劣で決定するという見方に立てば、その点で「KF-X」は「ラファール」にかなり近い能力になることが見込まれます。なお、ここでいう「ラファール」とは現在の「ラファール」ではなく、性能向上が続けられる10年後、20年後の「ラファール」を意味します。

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最終更新:7/18(月) 9:06

乗りものニュース

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