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地域の課題をビジネスで解決 田辺市が未来創造塾

紀伊民報 7月17日(日)16時42分配信

 地域課題の解決や地域資源の活用をビジネスの手法で考える人材の育成と、ビジネスモデルの創出を目指す「たなべ未来創造塾」が16日、和歌山県田辺市東陽の市文化交流センター「たなべる」で開講した。農業や建築、福祉などの分野で新規事業を考える20~40代の12人が受講した。

 市と、社会問題を解決しながら利益を上げるソーシャルビジネスでノウハウがある富山大学地域連携推進機構が共催。市内の金融機関も協力している。

 2月まで続く計15回の講座の初回。塾長の真砂充敏市長ら5人が「ビジネス創出の可能性」をテーマに座談会を開き、「世の中に足りないものは山ほどある。そこにビジネスがある」「異業種との連携で、無理せずビジネスするための引き出しづくりをして」などと塾生に助言した。

 座談会には真砂市長の他、富山大地域連携推進機構の鈴木基史機構長、田辺市熊野ツーリズムビューローの多田稔子会長、秋津野ガルテンの玉井常貴社長、米穀・炊飯販売会社「たがみ」の田上雅人専務が参加。進行は富山大地域連携戦略室の金岡省吾室長が務めた。

 真砂市長は「田辺のPRに力を入れてきたが、それを経済効果に結び付けるには民間の力が必要。塾生はそのリーダーになってほしい」、多田会長は「どの商売も将来に不安を抱えているが、そんな世の中の変わり目にこそ何かがある。異業種がこうして集まること自体に意味がある」とエールを送った。

 家具店社長の榎本将明さん(38)は「家具の販路が狭まる中、地元の良さを生かした商品を打ち出せないかと参加した。異業種の方が集まるこの塾で、いろいろなコラボが生まれる可能性がある。今後が楽しみ」と話した。

■記者も塾生に 

 たなべ未来創造塾の第1期生12人、その一人に加えてもらった。これから半年かけて、地域の課題を分析し、先進事例を学びながら、自分のビジネスプランを作る。異業種の実業家と議論する中で、どんな事業が生まれるか。楽しみであり、不安でもある。

 取材を通じ、日々さまざまな地域の課題に直面している。新聞社の情報の蓄積やネットワークを、課題解決に生かせないか。以前から考えていたが、なかなか形にできないでいた。そのヒントを得ようと受講した。

 これまでも、「みんな」が集まるワークショップで、地域の課題を議論したり、活性化のアイデアを出し合ったりする場面にはたびたび立ち会ってきた。でも、それだけで終わっては、まちは何も変わらない。繰り返しても「答え」は出ない。「みんな」は動かないのである。

 地域に必要なのは、困難な状況の中で、最初の一歩を踏み出す人である。実業家ばかりの受講生の中、経営経験など皆無の記者は、最後尾からの出発となる。何とか食らいついて、思いを具体的な行動につなげたい。(喜田義人)

最終更新:7月17日(日)16時42分

紀伊民報