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ユニクロが追いつけない? 「しまむら」が好調な理由

ZUU online 7月18日(月)8時10分配信

若い女性を中心に数年前に現れ始めた、「しまむら」の商品で着飾る「しまラー」と呼ばれる女性が増え、支持を集めている。2016年3~5月期(連結)の純利益は前年同期比44%増の79億円と過去最高となり、春夏商品のパンツや女性向けの半袖衣料といったプライベートブランドの販売が好調なのだ。

■競合他社では見ることができない差別化

1953年に埼玉県で設立されたしまむらは、ロードサイドを中心に安さを売りに成長してきた。メンズ、レディスともに取り扱い、下着やソックスといった実用衣料品を中心としながら、リビング、寝具、レジャー用品まで扱っている。ある意味でワンストップショッピングができる。

スタート直後は好調とは言いがたい状況だったが、2001年2月期に7期ぶりの減益に陥った時の経営改革から反転した。その内容は、世界のファッショントレンドを採り入れる商品展開を始め、市況を先読みするようになった。また本部の一括仕入れ体制や、パートタイム社員(従業員の8割程度)の業務の標準化、、売れ残り商品を抑える在庫調整など多岐にわたる。これが今の好調につながっているのだろう。

■商品がなくなっても追加補充はしない

品切れで在庫がなくなった場合でも、“基本的に追加補充は行わない”ことになっている。このような場合には、売れ残りのある店舗から売り切った店舗への商品移動をしながら、売り場の鮮度を保ち、売り切ることを徹底しているからだ。1単品からそのことを実施することで在庫の偏りをなくす徹底ぶりで、全店の売上データを単品まで細分化して管理しているのだ。

さらに、セントラルバイイング制(本部一括仕入制)により、3カ月先の先読みを行って品揃え計画を立て、100名以上のバイヤーが500社以上のサプライヤーから各店それどれの販売力を考慮して、原宿、渋谷、ニューヨーク、パリ、ロンドンといったところのファッションの最先端の街を常に観測しながら製品を仕入れているのだ。

こうした商品戦略は、競合他社では見られない差別化されたものとなっていて、他の人と同じ商品を着ているという可能性が極めて低い買い物ができるようになっているのだ。そのことが、好調な業績の原動力となって、「しまラー」を増幅させファッション性や話題性が高くなっているといえる。

■直近5年、売上高は一貫して増加

「しまむら」の直近5年の売上高を見ると、12年2月期で4664億円、13年4910億円、14年5018億円、15年5118億円、16年5460億円となっている。一貫して増加している。いまの規模では、この業界ではユニクロ(7156億円、14年8月期)に次ぐ2番手の売り上げ規模を誇る。3番手は、洋服の青山(1857億円、14年3月期)。

消費者が欲しいと思える商品を提供できたからだろうが、好調な業績を支える影には、多品種少量を基本としている意味は大きいものがある。

最大のメリットは、同じ品番の商品が1店舗に数枚しか置かないために、小さい街の商圏であっても、お客同志が同じ服で遭遇することはめったにないこと。これが商品戦略の強みとなっているのだ。店頭では同じラックの中に違う商品ばかりが掛けられていたり、棚を見れば違う商品ばかりが畳んで重ねられたりしている。

ライバルのユニクロは、少品種多量展示が基本。同じ品番で商品で同じカラーのサイズ違いを見せ場としているので、ラックの中も棚の上も形もカラーもきれいに整理されている。ただ他人と同じものを着ているという状況が生まれやすく、その点を嫌って避けるようになった消費者も少なくないようだ。

しまむらとユニクロの違いはまだあって、しまむらはメーカーからの買い取るというセレクト型で多品種、少量販売が最大の特徴といえる。

たとえば、商圏世帯数が小さな5000世帯前後のマーケットであっても300坪程度の面積で店舗を立ち上げる。そのため立地条件は悪いが、1店舗あたり3億~3.5億円程度の売り上げを狙い、3年間で初期コストを回収する戦略なのだ。それに対しユニクロは、企画から製造・販売まで一貫して行うSPA型で少品種、多量販売を特徴としている。

■株価は2006年以来の高値を付けたばかり

6月28日に1万5830円を付けたしまむら株。06年以来の高値だ。貸借対照表を見ると、配当余力が極めて高く、お金持ち企業であることが分かる。流動比率を見れば一目瞭然の430.8%。同業他社(総資本100億円以上)平均は240.3%といい、“ライバル”のユニクロは299.2%。

さらに自己資本のうちの配当に回せる利益剰余金が占める割合も87.9%といった具合。、しまむら株が市場で人気を集めていることを見ても、好調な業績と相まってバランスシートが投資家に再評価されているのだろう。

再デフレ化が叫ばれるなかで、低価格帯商品に強みを有する同社の評価が高まっていることは確かなようだ。(ZUU online 編集部)

最終更新:7月18日(月)10時27分

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