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曇天と水着とアングルの関係

ITmedia LifeStyle 7月18日(月)6時10分配信

 毎年この季節になると水着写真なわけだけど、なんと、最初は2004年。今回で13年目。継続とは恐ろしい。

【いろいろな角度から狙ってみる。ただし絞りには注意】

 最初はコンデジからのスタートだった。当時はまだデジタル一眼レフは一般的ではなかったから。

 そもそもこの連載は、デジカメが急に普及したことで、デジカメを初めて手にした人に向けて、カメラ専門用語が出てこないカメラ講座を目指してスタートしたのである。

 やがてデジタル一眼レフが普及し、コンデジは徐々に使われなくなり、時代に合わせて使う機材も変化していき、今年はとうとうミラーレス一眼2台とアクションカムという構成になった。

 今回持って行ったのはこの3台。

 マイクロフォーサーズのオリンパス「OM-D E-M1」、APS-Cサイズの富士フイルム「X-Pro2」である。アクションカムとしてソニーの「HDR-AS300R」も用意。せっかくの海だからね。

 レフ板などカメラ以外の装備はなし。

 時節柄梅雨明け前に撮影するので天候はその日にならないと分からない。今年はみごとに風が強い曇天。小雨が時折ぱらつくレベル。でも、曇りは曇りの撮り方があるのである。いやむしろ曇っていた方がいろいろ遊べて楽しい。

 海で水着、となると太陽がピカッと照り、空はスカっと晴れ、水しぶきがバシャッとはぜるような写真がありがちだけれども、晴れは晴れで大変なのだ。

 太陽の位置が高いので目元が影になりやすいし、かといって顔に陽射しを当てるとまぶしくて目を開けられないし、コントラストが高いのでアングルも限られるし、日焼けに注意しなきゃいけないし、砂浜は熱いし、気温が高くて体力を奪われるしで苛酷なのである。

 曇っているとスカッと爽やかな写真にはならないが、光が柔らかかいのでどの方向に顔を向けてもOKなのもありがたい。

●上下左右に動いて撮ろう

 今回のテーマは、曇っているのをいいことに、ゴロゴロしながら撮る、である。

 同じポーズでも撮影する角度で雰囲気が全然違うものになるわけで、立ったり座ったり寝ころんだりぐるぐる回ったり、自分の身体を動かしてこれというアングルで撮ってみよう、だ。

 撮る高さで写真が全然違ってくるのは基本。

 まず目から胸の高さ。撮る人じゃなくて、相手の高さに合わせて撮った写真がこちら。50mm相当の標準レンズで。ボディーはX-Pro2、絞りはF2.0。

 続いては少し下、腰のあたりからローアングルで狙ったカット。下から撮ると顔がちょっと小さくなりスタイルもよく見える。その代わり空が背景で逆光になるためプラスの補正を忘れずに。

 背景がすっきりして海辺の写真っぽい。

 どれがいいかは背景やスタイルや顔立ちや胸の見え方や天候やいろんな要素が絡んでくるので一概にはいえないけど、最終的には少し上から撮ったこれがカッコいいかな、と。

 さらに一歩踏み込んだのがこちら。

 岩場のざらついた感じを大きく見せつつ、無表情な彼女を右端においてみた。爽やかな水着写真ではないのでアレだけど、いい感じに撮れたので載せちゃいます。

 なおちょっと上から撮るときは足は隠れた方がいい。遠近法で足が短く見えるから。足を長くきれいに見せたいなら少し下からがお勧め。

 岩場編をもう1つ。ただ岩にもたれた写真。普通です。

 でもここで岩の上にの上って真上から見下ろす感じで撮ると雰囲気ががらっと変わる。岩場は立体的に使え、というわけである。

 こちらのカメラはE-M1でレンズは「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」。

 寝転がってるように見えるけど実は立っているというわけで、広角で見るとこんな感じ。

 あ、これはアートフィルタの「ドラマティックトーン」で撮ったら面白いかも、と思って撮ったのがこちら。

 岩場のざらっとした感じが強調された上に、F7.1と絞り込んで背景までピントが合っているので、後ろに見える足あともまた意味深に。

 ややこしい技術的な話はともかくとして、上下左右、上ったり寝ころんだり、人を撮るときは自分が動き回っていろんな角度から見てみると面白いよ、という話。

●撮影者が動き回ろう 絞り値に気を付けよう

 曇天下の岩場なんて明るく爽やかな写真になりそうもないので(なったらなったでうさんくさいし)、砂浜へレジャーシートを敷いてゴロゴロするのである。

 風が強かったので四隅をその辺の石で押さえてるけど、ご勘弁を。で、ゴロンと寝転がる。海に入れないなら海辺でのんびりしちゃえ、的な感じで。

 仰向けで寝転がった姿を足下から撮るのはちょっとアレです。やっぱ顔を下から撮ることになるのでアゴあたりがアレだったり鼻の穴がアレだったり、いろいろアレで、顔を下から撮って欲しい女子というのはあまりいないわけで、頭の方から。

 ここから始めてみる。でもこれじゃあ写真としていろんな意味であんまりなので、しゃがんでちょっと寄ってみる。

 ぐっと寄るときは「手前側の目にピントを合わせる」こと。最近のデジカメは「瞳検出AF」という、自動的に目にピントを合わせてくれる機能を持っているものが多いが、それがない場合は「顔のどこか」じゃなくて「目」に合わせるべし。

 さらにぐぐっと姿勢を低くして。チルト式モニターのカメラならモニターをチルトさせて、そうじゃない場合は砂浜にはいつくばって撮る。ちょっとリラックスした感じが出てきた。

 そのまま横へ。伸びる腕を中心に持ってきたらちょっと変な写真になったけどこれはこれで。

 さらに斜め下へ。カメラを変えて真横から。すごく明るいレンズで絞り開放で撮ってみた。ほぼ真横。

 これはこれで不自然だけど不思議な感じ。

 もうちょっと頭の上の方から、これ。だんだん海らしく爽やかで派手な写真になってまいりました。

 これ、F1.2という超明るいレンズで絞り開放で撮っている。曇天とはいえ、夏の昼間なのでシャッタースピードは1/20000秒(ISO200)である。

 普通、こんな速いシャッタースピードは切れないわけで、今まで昼間の屋外で絞り開放で撮りたいときはレンズに「NDフィルター」という、簡単に言えばレンズに付けるサングラスのようなフィルターを付けて光量を落として対応していたのだが、最近のミラーレス機は「電子シャッター」を使えるため対応できるのである。

 メカシャッターだと普及機で1/4000秒、ハイエンド機で1/8000秒くらいが上限なのだが、電子シャッターなら1/16000秒や1/32000秒という超高速シャッターでの撮影ができる。電子シャッターには欠点もあるので常用は難しいが、こういうシーンなら問題なし。有難い時代である。

 でもF1.2なんてレンズだと目にピントが合って身体や口元がボケちゃってる。絞り開放は背景が大きくボケて気持ちいいけど、どこまでピントを合わせるか、背景はどのくらいぼかしたいかちゃんと考えて撮るべし。

 どのくらいの絞り値にするかはお好みで。明るいレンズだからといって絞り開放ばかりで撮るのも芸がない。開放からF5.6の範囲で、どのくらいぼかしたいか、どのくらいまでフォーカスを合わせたいか考えつつ撮りたい。

 仰向けシリーズ最後は肘をついて身体を起こしてもらって、正面からと、後ろから。

 同じ姿勢でも撮影する角度や高さで写真は大きく変わるもの。それが面白いのである。

 寝転がってばかりもアレなので、座りポーズも。こちらは2パターン撮ってみた。

 1つは片膝を立ててかかえてもらって。

 正面から、少し斜め、そして横から。

 結局、少しカメラの位置を下げ、真正面からこのカットがいいかなという結論に。

 膝を抱えたらせっかくの水着が見えないじゃないかと、いう方へ、あぐらポーズも。これはこれでよいものです。

 もう1つ、やっぱりこのアングルは欠かせないようね、ということで、斜め上から可愛く撮れる角度でF8まで絞ったくっきりしたカットをどうぞ。

 撮り慣れてると、その場でこの角度からこういう風に撮るとこうなるな、ってイメージできるのだけど、そうじゃないうちは意識して動き回って見るのがおすすめ。

●アクションカムで動画を撮ってみる

 今回、海へ行ったのにアクティブな写真がない! というわけで、最後にちょっと動きを入れてみた。

 いまどき、海へ遊びに行くのならアクションカムは欠かせないでしょう、ということで最新モデル、ソニーのHDR-AS300Rである。

 アクションカムはすごく広角なので、手で持つよりは自撮り棒に装着した方がさまざまなアングルを楽しめてよい。高い位置から俯瞰で捉えると、みんなで遊んでる様子がより分かる。

 まずは自撮り棒+HDR-AS300Rで水遊び。

 HDR-AS300Rは、ワイヤレスのリモートコントローラーが使えるのだが、カメラが水中にあるときは使えない(電波が届かないため)ので注意。でも水中でもかなりきれいだし、ハウジングに入れちゃえばけっこうラフに扱える。

 しかもこのHDR-AS300は手ブレに強い。けっこうアバウトに撮ってるのだが、ブレが気にならないのである。

 アクションカムって撮るときは細かい事は気にせずに撮りっぱなし(いったん撮り始めたらモニターは見ないのが当たり前なので)だから、仕上がりに不安はあったのだが、予想以上に画質もしっかりしてて楽しめるのであった。

 広角なのでけっこうアバウトに撮っても必要なシーン(一緒にいった友達とか家族とか)もだいたい収まるわけで、カメラとは別に持って行くのはいいかも。

 こんな狭い崖をのぼったりおりたりする映像も不自然なブレなく撮れるのは感心である。

 ちょっと長かったので、2倍速にしてみたが、再生速度を上げても変なブレがないのはえらいもんである。

 なお、海水につけたら早めに真水で洗うこと。塩気を取るためである。

 カメラも、海辺で使ったら、気をつけていても細かい砂埃や塩気が付くので、ブラシで埃を落とし、固く絞った布で拭いて塩気を落としておくこと。手入れが大事。

 最後におまけカット。

 今回モデルをしてくれた佐藤杏奈さん、クラシックバレエをしていたおかげで身体がすごく柔らかいのだ。

 では、今年もよい夏を。

(荻窪圭)

最終更新:7月18日(月)6時10分

ITmedia LifeStyle

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