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宿泊中に起きたトラブルの責任の所在は? 弁護士に聞いた

ZUU online 7月18日(月)20時10分配信

民泊ホストがトラブルを避けるために備えるべきこと

訪日外国人の増加を背景に、宿泊するゲストが日本の暮らしを体験できる民泊が普及しています。民泊は旅館やホテルの客室不足を補うために、規制緩和を巡る議論も活発に行なわれていますが、多様な生活習慣を持つゲストが次々と宿泊するために、貸し出す物件や近隣住民との間において、不測のトラブルが起きる一定の可能性を含んでいると考えておくべきでしょう。

例えば部屋の破損や、洗面所や風呂場からの水漏れ。火事につながる火元の処理。近隣住民との間では、早朝や深夜の騒音や、ゴミの出し方、喫煙マナーなど……。これらのトラブルを避けるために、ホストや管理者はどのような準備をしておくべきなのでしょうか。民泊に詳しい大城聡弁護士(東京千代田法律事務所)に、ホストの備えについて聞きました。

「補償制度」と「損害保険」をチェック

最初に必要なのは、「不測のトラブルは起こり得る」というホスト側の認識です。そうした時に「補償」と「保険」についての理解を深めておくことが大切と大城弁護士は話します。

「民泊の仲介会社によっては、(物件の破損や事故にともなう)補償の仕組みを用意していることがあります。海外のホテルで一般的な『デポジット(保証金/預かり金)制度』がある場合には、少額の補償であれば早期解決が期待できます。仲介会社に補償制度の内容や金額について事前に確認しておきましょう。」(大城弁護士)。

もしくは「保険会社の損害保険(家財保険・火災保険等)が民泊でも使えるか確認する必要があります。今後は民泊で使える損害保険が増えるはずです」と大城弁護士は補足します。ホストの備えとして、「このような『事前の準備』をしておくことが考えられます」とのことです。

トラブル発生時は早めに事実関係を明らかに

ただし、仲介会社に補償の仕組みがあり、また保険に加入しているからといって、それらがすべての破損や事故に適用されるとは限りません。そのため、「(トラブル発生時は)なるべく早く事実関係を明らかにすることが大切」と大城弁護士は話します。ホストは当事者である旅行者(ゲスト)に対して、どの様な状況下で事故が起きたかの聞き取りを、早急に行うべきだと言えます。

「旅行者(ゲスト)への聞き取りだけでなく、たとえば被害状況を写真で撮るなど、状況を客観的に記録しておくことが大切です。早めに事実関係を明らかにすることが、どの場合においても非常に大事です」

近隣対策では「宿泊の注意事項」を明記する

これから住宅地での民泊が広まるとした時、ホストとしては物件の管理だけではなく、近隣住民に迷惑をかけないようにする配慮が必要となります。「もし近隣から苦情があった場合は、どのような迷惑があったのか、きちんと話を聞くことが第一になります」と大城弁護士は言います。

ゲストに対しては、宿泊に際しての注意事項を示しておくことが大切です。大城弁護士は「地域でのゴミの出し方や、早朝や深夜の時間帯に大きな音を出さないで欲しいことなど、宿泊する地域で守るべき事や、近隣住民を配慮した注意事項を明記しておきましょう」と呼びかけます。

「大勢の宿泊者の中に注意事項を守らない人も出てくるでしょうが、もし近隣から苦情が来ても、ホストとして注意事項を示していることを説明しながら対応すれば、円満に解決する可能性は高くなります。逆に、ホストとしてまったく何もしていない場合には、近隣住民の理解が得られず、民泊を続けていくのが難しくなることも考えられます。」(大城弁護士)

火事のような大事故については、未然に防ぐ努力を最大限に行なうことが大前提です。大城弁護士は、「消防法に基づき、避難経路や火元の処理についての案内を、複数の言語で示すことが求められます」と言います。

民泊が普及するにあたり、「事故が起きないような未然の対策、もし事故が起こった時にどう処理していくのか。その枠組み作りが課題になるでしょう」と大城弁護士。

ホストとしては、不要なトラブルが起きることなくゲストに快適な旅行を楽しんでもらえるように、これらの備えを怠らずにしておきたいものです。(提供:民泊投資ジャーナル)

最終更新:7月18日(月)20時10分

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