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エアバス、20年で3万3300機の需要予測 超大型機は下方修正

Aviation Wire 7月19日(火)10時56分配信

 エアバスは7月11日から開かれたファンボロー航空ショーで、2016年から2035年までの20年間の民間航空機市場予測を発表した。今後20年間で航空輸送量は年平均で4.5%ずつ増加し、100席以上の旅客機3万2425機と、10トン以上の貨物機645機の3万3070機の新造機が必要との見通しを示した。昨年予測した3万2585機から485機積み増した。

 カタログ価格で換算すると、総額5兆2250億ドル(約546兆円)相当。一方、2018年から現在の月産3機を1機に減産するA380など超大型機については、20年間の新造機需要を下方修正した。

◆中印の個人消費重視

 現在世界で運航されている航空機1万9500機が2035年までに2倍以上に増加し、約4万機になると予測。約1万3000機の経年機が、燃費の良い機体に置き換えられるとみている。

 航空輸送の成長は、都市化とアジアの新興経済地域での富の増加が牽引。60億人超の人口を抱える新興経済地域の航空輸送は年間5.6%成長し、空の旅を選択する傾向は3倍になり、地域人口の75%に急増すると予測している。中国については、今後10年間で中国国内の航空輸送は世界最大になる見通しで、西ヨーロッパや北米などの航空輸送の成長は3.7%と予測した。

 成長の主要因はGDP(国内総生産)としつつ、中国国内やインド国内などでは、個人消費がより重要な経済変数になると分析。新興市場の中間層は2035年までに倍増し、35億人に達すると見込んでいる。

 都市化については、世界人口の62%が都市部に住むようになり、長距離国際線の旅客数1日1万人以上の「航空大都市」の数は、2035年までに55都市から93都市に増加すると予測。すでにこれらの都市は混雑空港を多く抱え、世界のGDPの35%を占める見通し。今後20年間では、航空大都市を目的地や出発地、経由地とする長距離旅客数は倍増し、1日250万人を超えると予測している。

 また、今後20年間で新造機の運航と整備には、パイロット56万人と整備士54万人が必要になるとの見通しを示した。

◆単通路機は上方修正

 A330やA350 XWB、A380といったワイドボディー(双通路)機市場では、機体サイズの大型化が続くと予想。エアバスは今後20年間で約9500機、カタログ価格で総額2兆8530億ドル相当のワイドボディーの旅客機と貨物機が必要になると予測している。新造機の引き渡し総数のうち29%、金額で54%を占める。

 このうち、A330やA350といった中大型機は昨年の予測より48機減の8060機、A380などの超大型機は70機減の1480機と予測している。また、引き渡しが最大となるのはアジア太平洋地域で、全体の46%を見込む。

 A320neoなどナローボディー(単通路)機市場では、20年間で2万3530機(昨年比1233機増)の新造機需要がある見通しで、カタログ価格換算では2兆3720億ドルにのぼる。新造機需要全体の71%、金額で46%を占める。引き渡しに占めるアジア太平洋地域の割合は、39%と予測している。

 エアバスによると、航空会社は輸送量増加に伴い機体サイズを大型化する傾向にあり、1980年代に比べるとサイズが40%以上大きくなっているという。

 競合のボーイングは、2035年までの20年間で、3万9620機の新造機需要があるとの予測を発表している。

Tadayuki YOSHIKAWA

最終更新:7月19日(火)10時56分

Aviation Wire