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社説[同性カップル公認]那覇市に続いてほしい

沖縄タイムス 7/19(火) 5:00配信

 同性カップルを夫婦と同じような関係と認める那覇市の「パートナーシップ登録制度」に基づき、城間幹子市長は、3組の男性カップルに証明書を交付した。制度に法的効力はないものの、偏見や差別がいまだに根強い同性カップルを社会に認知させる役割を行政が担う意義は大きい。
 那覇市は昨年7月、性に関するあらゆる差別や偏見をなくし、誰もが安心して暮らせる「性の多様性を尊重する都市・なは(レインボーなは)」を宣言した。
 レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーを意味するLGBT(性的少数者)。多様な性を生きることは人権として尊重されなければならず、その中で築かれるパートナーシップも尊重されなければならない。パートナーシップ制度にはそんな趣旨が込められている。宣言から1年後の制度開始は那覇市の積極的な取り組みの結果であり、評価したい。
 第1号のカップルへの証明書は最もふさわしい場所で手渡された。性的少数者が生きやすい社会を目指した「ピンクドット沖縄」のイベント会場。家族や友人らが見守る中、人前結婚式で2人は晴れ晴れとした表情をみせた。
 市の要綱では、市内に住む20歳以上の同性カップルが対象でパートナーとして継続的に共同生活をしているか、しようと約束していること-などと規定している。
 制度は全国では渋谷区(東京)、世田谷区(同)、伊賀市(三重)、宝塚市(兵庫)に次いで5番目だ。
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 那覇市はパートナーシップ制度の導入をきっかけに、同性カップルに対し行政サービスを拡充する考えだ。
 例えば、市営住宅に同居する条件は原則として名義人の3親等までに限定されるが、同性パートナーも加える。
 同性パートナーが病気になり、病院で手術や治療が必要になったときに同意書にサインできなかったり、最期をみとることができなかったりしたが、それらがかなうよう市立病院で取り組みを始めることを検討している。
 制度に魂を入れるためにも適用範囲の拡大を急いでもらいたい。
 民間が柔軟対応しているケースもある。
 死亡保険金の受取人を同性パートナーに適用した生命保険会社がある。携帯電話は「家族割」適用を始めており、主要な航空会社はマイレージ共有を適用している。
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 渋谷区の条例は、パートナーシップ証明を最大限配慮しなければならず、条例に違反し区長の是正勧告に従わない場合は、関係者名を公表することを盛り込んでいる。
 民間の賃貸住宅では入居を断られるケースが想定される。那覇市は市民や事業者に制度の周知を徹底するとともに、理解と協力を得ることに全力を挙げてもらいたい。制度の趣旨と運用の乖(かい)離(り)が著しい場合は、実効性あらしめるために条例化も視野に入れるべきだろう。
 身近に生きづらさを抱えている人は那覇市だけでない。県内市町村も続いてほしい。国も法整備を急ぐべきだ。

最終更新:7/19(火) 5:00

沖縄タイムス