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【オススメSteam】狂気に満ちて美しい『INSIDE』をプレイ【DayDreamSteamer 第1回】

ファミ通.com 7月19日(火)12時2分配信

文:編集部 坂本ビス太

●PCゲームをゆるっと紹介する連載企画がスタート!
 こんにちは。連載担当メンバーのひとり、坂本ビス太です。

 本日から始まった連載企画“DayDreamSteamer”では、PCゲームのダウンロード販売サイト“Steam”で配信されているタイトルの中から、メジャー・インディー問わず毎週1本のオススメSteamタイトルを編集者が独断と偏見で選び、ゆる~っとプレイリポートをお届けしていきます。基本的に、毎週月曜日のお昼12時更新予定です(今回は火曜日だけどね)。

 しかし簡単よねー、Steamって。ポチッとゲームが買えて、すぐにプレイできちゃうわけですから。

 さてさて、いきなりだけど第1回のタイトルはゆるくない!(笑)。それが、こちら。

■第1回 Steamタイトル
『INSIDE』


メーカー:Playdead
配信日:2016年7月8日
ジャンル:アドベンチャー
価格:1980円[税込]

<どんなゲームか、ざっくり言うと>
・独特すぎ&美しいアートワーク
・死んで覚えて
・ラストは「????」

 2016年7月8日にPC版がSteamで配信された『INSIDE』は、『LIMBO』で知られるPlaydeadの作品。本作も『LIMBO』と同じく横スクロール型のパズルアドベンチャーで、罠を回避したり、仕掛けを解いたりと、トライ&エラー(死んでは覚えて)をくり返しながら進んでいくタイプのゲームだ。

 何者かに追われる主人公の少年となって、廃工場や実験施設(?)をひたすら進んでいくのだが、『ピットフォール』かな? と思うくらい操作はシンプルで、アクションは上下左右の移動とジャンプ、つかむ、だけ。

 操作がシンプルなぶん、本作の世界に没頭できる。真夜中の森、暗い屋内、わずかに射し込む光、ドアやバルブの軋む音、不安になる水中……と、どこを切り取っても鬱々としてしまうのだけれど、グイグイと引き込まれる魅力がある。

 SF……と言っても鉄や錆び、血と死の臭いが漂ってくるローテクな感じのSFが好きな方は、このダークで狂気に満ちた世界にハマると思う。

 まずは、そんな“画になる”本作のゲーム画面を見ていただくのが手っ取り早い。


 「本作はまるで動く絵本だ」とか、「映画を見ているようだ」とかのレビューはいっぱいあると思うので、それは誰かに任せるとして、僕が感じたことを。


 ――『INSIDE』の制作スタッフは、いい意味で“イッちゃってる”人たちだ(笑)。

 物語のあらすじも、状況説明も、セリフもいっさいない。あるのは画と音だけ。それだけで、いやそれだけだからこそ、こんなにも『INSIDE』はこちらの心の内側をえぐってくるのだ。

 遭遇する出来事やシーンの切り替わりで、否応なく行間を読む作業をさせられる。なんで主人公は追われているのか? なんの実験をしているのか? あのグニャグニャした人間は何だ? 水中で襲ってくる子どもは何者だ……? そういったものへの自分なりの答えを、つねに探している。

 また、光と水の表現がすばらしい。視覚的にだけではなく、精神に訴えかけてくる部分で、だ。暗い屋内を光の射すほう進んでいくと、それは希望の光ではなく、主人公を狙うサーチライトだったり。どこまで深いのかわからない水の中、視界は濁り、ぼやける音に息苦しくなる。

 そして僕は、いつの間にか主人公の少年になっている。


 ああ、犬が追ってきた。

 ドアが開いた! 誰か来る。

 また水の中だ。

 何でヒヨコや魚になつかれるんだろう。

 犬や豚には嫌われるのに。

 へんな装置が頭にくっついたままだぞ。

 グニャグニャ人間、いいやつじゃん。

 これは死んだ。

 さよなら、グニャグニャ人間。

 ああ、また水の中だ。いやだなぁ。

 もずく小僧が襲ってくる!

 やっと光が見えた。

 サーチライトだ……。

 これは死んだ。


 と、少々おおげさではあるけれど、心を揺さぶられる、心でプレイするゲームであることは間違いない。

 クライマックスからラストにかけては衝撃的なので、ぜひプレイしてほしい。頭の中が「?」マークでいっぱいになります。う~ん、“イッちゃってる”だろ!(笑)。


 ちなみに、仕事の合い間にプレイしつつではあるが、4時間ほどでエンディングを迎えたので、もっと早く終えてしまう人が多いだろう。罠を回避するパズル要素も、ものすごく難しいことはなく(20分ほど悩んだものもあったが、謎解きはおもしろいものばかり!)、つぎの展開が気になってスルスル、ズルズルと進めていってしまう。

 初回クリアー時点で14%しか実績解除していなかったので、2周、3周と、もう少し楽しんでみようと思います。また死ぬんだろうし、まだ見ていない死にかたもあるはず。ああ、“たの死み”だな……。


<今回の担当編集者>
坂本ビス太

元『ログイン』編集部のおじさん編集者。少年時代には『MSXマガジン』ばかり読んでいました。昔好きだったPCゲームはアートディンク作品全般。

最終更新:7月19日(火)12時17分

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