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1時間でFCV2台分の水素を生み出す国内最大級の製造装置

スマートジャパン 7月19日(火)11時10分配信

 東芝では、2015年4月にグループ内の水素関連技術をまとめて組織化し、水素関連技術の一貫ソリューションを開発する方針を示した。これらの方針に合わせて府中事業所内に水素エネルギー研究開発センターを設立し、水素関連の技術の開発を進めている。

 これらの方針のもと、東芝では水素関連技術への取り組みを強化。自立型の水素エネルギー供給システム「H2One」の導入を拡大するなど、水素関連の取り組みを拡大している。

 今回はこれらの技術の中の「水素製造」に関連する技術を新開発した。開発したのは、1時間で燃料電池自動車(FCV)2台分の燃料にあたる約100Nm3(ノルマル立方メートル)の水素を製造可能なアルカリ水電解式の水素製造装置である。

 アルカリ水電解式の水素製造装置は、電極基材に貴金属を使用していないため、貴金属を使用する他方式よりも低コストで電極を大型化できるといい、装置の大規模化に適している。東芝の保有する整流器や水素精製の技術を水電解技術と組み合わせることで、装置を大型化しても、全体のエネルギー効率を低コストで最適化することに成功した。水の電気分解に用いられる電解液に高濃度の水酸化カリウム水溶液を使用していることから、氷点下の環境においても電解液が凍結しないという特徴も持つ。東芝では、今回開発したシステムは日本国内では最大級だとしている。2015年度中の発売を目指して開発を進めていくとしている。

●北海道で小水力を使った地産地消を実践

 この新開発のアルカリ水電解式の水素製造装置を用いた実証なども推進。東芝では環境省委託事業「地域連携・低炭素水素技術実証事業」を受託しており、北海道白糠郡白糠町(しらぬかちょう)にある庶路(しょろ)ダムで小水力発電で発電した電力により水素を製造し、その水素で作った電力を周辺の酪農施設などに電力を供給する取り組みを進めている(図)。

 今回新たに開発した水素製造設備はこの庶路ダムの設備に導入する。約35Nm3の水素を製造する装置を導入し、同町と釧路市で利用する実証を行う。実証事業を通じて、水素サプライチェーンの構築に対する環境負荷低減や利便性向上などの検証を行う。

 なお東芝では、アルカリ水電解式以外にも、NEDO委託事業で次世代型の固体酸化物形水蒸気電解式(SOEC)の水素製造装置の開発も行っており、用途に応じて最適な水素製造装置を提供する体制を整えていく。

最終更新:7月19日(火)11時10分

スマートジャパン

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