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「太陽光発電道路」が米国で実証開始、米国発展を支えたルート66で

スマートジャパン 7月19日(火)11時40分配信

 米国のミズーリ州交通局(MoDOT)では、道路の将来像を模索する「ROAD TO TOMORROW」プロジェクトを推進しているが、その一環として米国のエネルギーベンチャーである「Solar Roadways」と提携し、旧国道66号線の一部で実証を開始するとこのほど明らかにした(図1)。

 同交通局が取り組む「ROAD TO TOMORROW」プロジェクトは、同州を結ぶ州間高速道路システムが建設から60年以上を経過することになり、現代に最適な道路システムの姿を模索するために生まれたものだ。持続可能な収益源も含めて、現代に最適で先進的な道路の実現を目指す。それに向けて、技術革新の有効性をテストするためのパイロットプロジェクトを進めており、そのうちの1つが「太陽光発電道路」である。

 その「太陽光発電道路」実現に向けたパートナーとしてアイダホ州のスタートアップである「Solar Roadways」を選び、実証を進めることを明らかにした。

●六角形の太陽光モジュールを道路の上に敷設する

 「Solar Roadways」の太陽光パネルは、六角形のモジュールとなっており、これらを組み合わせて道路に敷設して発電を行う。太陽光発電モジュールを強化ガラスで挟む多層型の構造となっている。強化ガラスは試作品のレベルでもトラクターが上を通過しても問題ないという。アスファルトと同等の強度を持つとしているが最初は私道や駐車場のように非クリティカルな領域での試行を進めるという。最終的には高速道路などでの使用にも耐え得るように開発を進めている。

 パネルモジュールにはそれぞれをインテリジェント化して管理・制御するマイクロプロセッサーが搭載されており、パネル同士や中央制御室、自動車などと通信することなども可能だとしている。

●「Solar Roadways」太陽光パネルで雪をとかす

 「Solar Roadways」の太陽光発電パネルが画期的なのは単純に道路を使って発電をするというだけではない点である。ヒートパネルを組み込むことで、雪をとかす機能を道路に加えることも可能だとしている。

●路面表示を自由に変更するような使い方も

 さらに同パネルに、LED発電機能を加えることで、発光させて路面標示を状況に合わせて変更するような使い方なども可能だという。例えば、駐車場などで障がい者など優先用スペースなどが埋まった際に急きょ通常スペースの1つを優先スペースに切り替えるなどの対応が紹介されている。また、耐圧センサーや対物センサーなどと組み合わせることにより、野生動物の侵入地点だけパネルを発光させることで、運転者に注意を促すようなことも可能だ。

 これらのようにSolar Roadwaysでは、同社のパネルが通常の道路素材に比べて優れる20の特徴を紹介している。

●旧国道66号線関連施設で実証

 今回の実証実験では、米国を横断する国道として栄えた旧国道66号線関連施設「the Historic Route 66 Welcome Center」で行うとしている。国道66号線は米国の東部と西部を結ぶ国道として沿線の隆盛を呼んだが、1950年代以降州間高速道路システムの整備が進んだことで、廃線となった。その後、州道として一部活用がされてきたが近年「歴史的道路」として再注目されてきたという。今回、国道66号線の廃線要因となった州間高速道路の老朽化が呼び水となって、旧国道66号線で最新技術の実証が行われるというのは時代の移り変わりを象徴する出来事といえるかもしれない。

最終更新:7月19日(火)11時40分

スマートジャパン