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RIP SLYME “マジヤバイくらい”の熱さで繰り広げられた恒例の『真夏のWOW』

エキサイトミュージック 7/19(火) 19:30配信

2013年の第1回から毎年海の日に行われているRIP SLYME主催の夏フェス『真夏のWOW』が、今年も7月18日(海の日)に新木場STUDIO COASTで開催された。

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今回メインアリーナには、主役のRIP SLYMEの他に、THE OTOGIBNASHI'S、YALLA FAMILY、吾妻光良&The Swinging Boppers、Suchmos、SPECIAL OTHERSが出演。ある意味ツウ好みな面々かもしれないが、これはRIPの5人がイチ音楽ファンとしての趣味趣向を例年以上に丸出しにしたセレクション。アーティスト主催のフェスが多発している昨今、『真夏のWOW』も4回目と回を重ねてきて、他フェスとの差別化や独自性を打ち出そうとした結果のラインナップでもあるだろう。

また、自分たちのファンに自分たちの好きな音楽を改めてレクチャーし、共有したいという思いもあるはず。そのためか今回は同フェス初の試みとして、ゲストアーティストが登場する前にRIPのMC陣から2名ずつ登場し、前後のゲストについて紹介する短い時間も設けられていた。

そもそも、どのアクトもRIP SLYME同様、独自のミクスチャー感覚で音を生み出し、シーンの中で唯一無二の存在感を放っているグループばかり。ライブ巧者な面々でもあり、どのグループもその評価に負けない熱のこもったパフォーマンスを展開。濃厚で豊潤な音宴がおよそ6時間に渡って繰り広げられた。

メインアリーナ以外の屋内外のDJブースでは、開場時間にDJ ususことSUがウェルカムDJでお出迎え。さらにDJ FUMIYAやDJ SOMA、DJ KIMJUN、DJ ISO、DJ MASATO、DJ NON、DJ KYOKO、DJ KOTARO TSUJIがスピンして盛り上げた。また、これまで屋外はDJブースが設置されているのみだったが、今年は「PARK」と呼んでいる会場外の芝生エリアにステージを設置しバンドが演奏できるようにパワーアップ。打ち込み+トランペットという特別編成でのBAKUBAKU DOKINから始まり、SPiCYSOLがハートフルなオーガニックサウンドを、underslowjamsが甘く切ないグルーヴをバンドサウンドで紡ぎ、心地良い昼下がりのチルアウトタイムを作り出していた。

メインアリーナが開演時間を迎えると、まずILMARI&PESが登壇。開会の挨拶のあと、「我々が失いかけているヒップホップ魂を持ったグループ」(PES)という紹介からTHE OTOGIBANASHI'Sのライブが始まった。彼らは小学生のときに聴いたRIP SLYMEでヒップホップにのめり込んだというBIMを中心にした3人組。最新アルバム『BUISINESS CLASS』の収録曲を中心に、きゃりーぱみゅぱみゅがミュージックビデオをツイートして話題になった「Closet」や、せきさいだぁ≡の「じゃっ夏なんで」をネタ使いした「Fountain Moutain」などをプレイ。ポップでありながらどこかホラーちっくという自分たちの個性を存分に発揮してフロアを盛り上げ、トップバッターの重責を見事に果たした。

続いてはRYO-Z&SUが登壇して挨拶。RYO-Zが「非常に期待したい地元の後輩」という50Caliberが所属するYALLA FAMILYを紹介した。日本、ガーナ、中国、韓国の国籍混交グループである彼らは音も実に多種多彩。トラップ×EDMな「FEEL」で始まり、ラテンノリの陽気な乾杯ソング「PISCO」、レーベルメイトのJiLLを迎えた高速ソカチューン「JUMPIN ft. JiLL」、さらにはダブステップ、四つ打ちヒップホップと、バラエティに富んだ楽曲で盛り上げた。

途中にはRIP SLYMEの「One」を一節歌ったあとにPESを呼び込み、8月3日にリリースされるニューアルバム『FEEL』からの新曲「胸騒ぎアンセム feat. PES」をライブ初披露。キャッチーかつ変幻自在なステージで会場をひとつにした。

次は今年で結成37年を迎えるベテランバンド、吾妻光良&The Swing Boppersが登場。大半のメンバーが別の仕事に従事しているため、ワンマン以外のライブで12名のフルメンバーが揃うのは珍しいこと。さらに途中にはパーカッションもゲストに迎え、総勢13名での極レアなステージが実現した。

まずはデューク・エリントン楽団の「Things Ain't What They Used To Be」に乗せて「暑さがこたえるぜ。俺はもう還暦だぜ。でも頑張るぜ。でも限界はあるぜ」と自己紹介して笑いを誘発。続けて超ハツラツとした「齢には勝てないぜ」を繰り出すというギャップ萌えの見事な展開で客の目と耳を掴んでいく。吾妻の塩辛い歌声はパンチが効いてるし、8本の管楽器隊が鳴らす音も迫力満点。強烈かつゴキゲンなビッグバンドジャズ、ジャンプブルースの雨あられに、最初はまばらだったフロアが気づけばギュウギュウになっていた。

彼らのステージを初めて見た観客も多かったと思うが、古き佳き音楽をきちんと説明しながらわかりやすく伝えるMC/パフォーマンスと、コミカルな歌詞、人情味のある吾妻のキャラクターに魅了された人は多かっただろう。

SUに「次のバンドには(自分と同郷の)湘南生まれがいる」と紹介されてステージに登場したのは、各方面から熱い支持を集めている今年注目度ナンバーワンのバンド、Suchmos。満場のフロアにブレイクのキッカケとなった「YMM」「Alright」とグルーヴィーなナンバーを連続披露し、ヒートアップさせていく。ボーカルのYONCEが「今日はいい汗かきに来た人ばっかりだろうからよろしく!」と挨拶したあとは最新アルバム『MINT CONDITION』からの「MINT」に続いて新曲「A.G.I.T」も披露。

彼らの音楽性はクール&メロウと形容されることが多いが、ライブは実に激しくセクシーでソウルフル。最後は「ここにいる人たちが明日から悠々自適に暮らせるように」(YONCE)というMCから甘美なアーバンミッド「Life Easy」を演奏。熱気のこもった会場をゆっくりクールダウンさせる小粋な締めでステージを後にした。

RYO-ZとPESに「真夏のWOW、第4の刺客」と紹介されたのは、デビュー10周年を迎えたインストゥルメンタルバンド、SPECIAL OTHERS。「ボーカルがないからどう乗っても自由。最高のナンバーに酔いしれちゃってください」(RYO-Z)というMCから始まったライブは、名刺代わりと言わんばかりに16分を超える代表曲「BEN」からスタート。曲が進むにつれてどんどん表情が変わり、ぐんぐん演奏のテンションが上がっていくナンバーでジャムバンドとしての真骨頂を発揮する。

その後はスカ調のリズムが軽快な「Good Luck」、アーバンなソウルジャズ調の「Backstreet」と続き、ラストは夏らしい清涼感と骨太なグルーヴと神秘的な高揚感が入り交じるアッパーチューン「PB」へ。高い演奏力で最高に気持ちいい音の渦を生み出し、観客を快楽の淵へと誘った。

最後は主役RIP SLYMEがいよいよステージへ。この日はスペシャル仕様で、まずはDJ FUMIYAとDJ SOMAのダブルDJがブースにスタンバイ。レーザー光線が飛び交う中、ジャングルを想起させるイントロに乗せてMCの4人が登場し、毎年演奏しているフェスのテーマソング「真夏のWOW」をパフォーマンス。観客のハンズアップした手がフロア一面に咲き乱れ、続けざまに「太陽とビキニ」「Rock'n' Roll Radio」「POPCORN NANCY」と軽快なロックンロールナンバーを投下すると、会場の熱気がうなぎ登りに上がっていった。

「甘い生活」から始まった中盤はミッド曲で構成。イントロにオールドスクールヒップホップをトッピングした新装版「楽園ベイベー」から、途中でダンスホールレゲエにビートチェンジする「黄昏サラウンド」へと繋げ、今度は会場をピースフルな空気で包んでいく。

その後のMCでは、時期的にオリンピック日本代表をイメージしたものだと思っていたこの日の衣装が、実はスパイク・リー監督の映画『DO The Right Thing』に出てくるピザ屋をイメージしたものだと判明。そんな説明をしてから「次は濃いヒップホップを」と、DJ FUMIYAとDJ SOMAの超絶コスり合いで懐かしの「By The Way」を披露した。その後の「JUMP」では観客のジャンプで会場2階席が揺れるほど。

続く「FUNKASTIC」はアウトロをド派手なEDMアレンジにブラッシュアップしたバージョンで届け、そのまま「GOOD TIMES」へとなだれ込むとフロアは狂喜乱舞に。RYO-Zが「このまま灼熱な夜にしましょう!」と煽り、夏定番アップチューン「熱帯夜」でさらに盛り上げて本編が終了した。

興奮と熱気が冷めやらぬなか始まったアンコールは「Hotter Than July」から。「また来年も真夏のWOWで会いましょう!」とRYO-Zが発し、「アツいな、この野郎!」とPESが叫んでオーラスの「JOINT」が繰り出されると熱気は最高潮に。ぶんぶん回されるタオルがフロアの熱気をかき回し、“マジヤバイくらい”の熱さで「真夏のWOW」は幕を閉じた。

終演後には、10月6日(木)@横浜Bay Hallを皮切りに来年2月まで行われる『RIP SLYME TOUR 2016-2017 “DANCE FLOOR MASSIVE V”』の開催を発表。これは全国32都市32公演を回る、自身最多公演のツアーとなる。ツアーをシリーズ化するほど、彼らが大切にし、楽しみにしているのがこの『DANCE FLOOR MASSIVE』。その記念すべき5回目とあって今回は何が飛び出すのか。ひょっとしてツアー前に新曲も聴けちゃったりするのか。夏はまだ始まったばかりだと言うのに、もう冬が楽しみだ。
(取材・文/猪又 孝[DO THE MONKEY])

≪リリース情報≫
Live DVD / Blu-ray
『RIP SLYME Tour of Ten FINAL at BUDOKAN』
2016.07.13リリース

【DVD】
WPBL-90392~93 / ¥4,800(税抜)
【Blu-ray】
WPXL-90128 / ¥5,800(税抜)

最終更新:7/20(水) 19:15

エキサイトミュージック

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