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【インタビュー】LM.C、シングル「レインメーカー」は「10周年を迎える今だからこそ出来た曲」

BARKS 7月20日(水)11時22分配信

LM.Cが10周年記念第2弾シングルとなる「レインメーカー」をリリースする。さまざまな季節を経て、オトナのROCKを意識したというこの曲のミュージックビデオではmayaとAijiが土砂降りの中、ずぶ濡れになりながら演奏。時にすべてを洗い流してくれる雨の中、“此の瞬間だけを生きろ”というメッセージが今のLM.Cのアティチュードを浮き彫りにする。10周年ファイナル公演が刻々と迫る中、今、2人が感じていることとは? 10年の月日を共に過ごしてきた2人の素顔が初めて曝け出された(?)初回限定盤の特典映像の秘密にも迫ったロングインタビューをお届けする。

■久しぶりに演奏する曲はカバーをしているような気持ちになる瞬間もあった
■あらためて自分が書いた歌詞に学んだり感動したりしました

──過去にリリースしたアルバムごとに区切って行っている<Go to the 10th Anniversary LM.C TOUR 2016>も後半戦ですが、これまでにないスタイルのツアーをやってみて今、感じていることは?

Aiji:この企画はmaya発信だったんですが、曲数も多いし、個人的にも機材のシステムが当時と変わったので準備が大変で正直、最初はちょっと気が重かったんです。でも、結果、やって良かったなと思いましたね。10年目にして過去のアルバムにいま一度向き合って、「やっぱり、LM.Cいい曲多いな」と思えたことが大きかったです。

──ずっとライヴで演奏していなかった曲も含めて?

Aiji:そうですね。いつも最新のLM.Cが最高だという気分でやっているので、新しい作品ばかり聴きがちなんですが、全部、愛せる曲だなって。なかなか、こういう機会がないと振り返ることもないので。

maya:“こういうテンションのこういうライヴになるのかな”って何となく予想していたんですけど、そことはまた違う角度の感動があります。

──どんなふうに予測していたんですか?

maya:やっぱり懐かしさだったり、10周年に向けて振り返る要素が大きいのかなと思っていたんですが、そういう部分もありつつ、ステージから発信しているのは現在の我々なので昔の曲も古く感じなかったりとか。久しぶりに演奏する曲に関しては極端に言うと違うアーティストのカバーをしているような気持ちになる瞬間もあって、あらためて自分が書いた歌詞に学んだり、感動したりしましたね。ツアーの最初の公演は必死度が高いんですが(笑)、回を重ねていくごとに客観的に曲を見られるようになって、「こういう曲もあったっけ。だったら、次は、こういうこともできるかもな」って。

──これからLM.Cが作る曲に繋がっていくヒントも、もらえているツアーなんですね。

maya:そうですね。過去の自分たちの曲に後押しされる。その瞬間、その瞬間、自分たちが聴きたかったり、演奏したかったものを形にしてきたので、そういう意味においてあらためてブレがないなと思いました。より好き%が高くなりましたね。

──楽曲に対してもファンに対しても?

maya:そこに関してはLM.Cに対して(笑)。ただ、10年前の活動当初から一緒に歴史を刻んできた人たちもいるし、続けてきたからこそ出会えた人たちもいるんだなって。そういう感慨はありました。

──初期の曲を初めて生で聴く人たちもいたんだろうし。

maya:だから、不思議な気持ちになるんですよね。「新曲作りました。リリースするからツアーをやります」っていうライヴとはまた違うから、いろいろなことがクロスオーバーしていく感覚があります。

──10周年記念シングル第一弾「MONROEwalk」に続いて、第二弾となるニューシングル「レインメーカー」もリリースに先駆けてツアーで披露されましたが、反応は?

Aiji:初めて聴く曲でビートすらわからないので、最初はポカーンでしたけど、それも含めて楽しめてますね。初めは「意外でした」という反応もいただいてたんですが、ラジオなどで流れるようになってからは楽曲のディテールについての感想ももらったり。歌詞のムードや語感が今までのシングルと違うから意外だと感じたのかもしれないですが。

──「レインメーカー」は疾走感がありつつメランコリックで、音も削ぎ落とされていると感じました。

Aiji:楽曲自体は2015年の夏から制作していたんです。いつかリリースするアルバムに向けてソリッドでアップテンポでスリリングなロックナンバーが書きたいなと思って作りました。

──その曲が梅雨時の季節にピッタリのナンバーに仕上がって。

Aiji:バンドで演奏していて気持ちいい楽曲を作ろうと思っていたんですが、それでいてみんなが歌える曲であってほしいというのは毎回、意識しています。「レインメーカー」のメロディもわかりやすくてキャッチーだし。

──それでいて、LM.Cの中では湿気を含んだメロディ。

Aiji:そうですね。こういう方向の情緒のある曲を作ることは少なかったので、たぶん今のLM.Cだから出来るのかもしれないですね。10年前だったら避けていたかもしれないです。

──ポップでカラフルなLM.Cを打ち出していたから?

Aiji:そうあってほしいと思っていたから、「レインメーカー」のようなタイプの曲は後回しにしていたと思います。まずはヴィヴィッドな色彩のものを形にしたいと思っていたので。

──“星に願いを”ではなく“雨に願いを”と歌っている曲でもありますね。

maya:歌詞を書く時のためにストックしているテーマ集みたいなものがあって、前作はその中にあった“MONROEwalk”という言葉からイメージを広げていったんですが、今回はAijiさんの曲にヒントを得た感じですね。聴いた時にたまたま雨が降っていて、イントロから曲が進行していくにつれて雨が激しくなっていく印象があるなって。タイトルに関しては、すぐレインメーカーって浮かんだんですけど、ストックリストに入っていたことに後から気付きました。

──「過去は追わず未来など待たずに此の瞬間だけを生きろ 傘を差すという手段を持たない雑草のように」という「 」で括られている部分が曲の核となるメッセージなんでしょうか?

maya:「 」の部分はレインメーカー=雨を呼び寄せる人の言葉として書いています。その部分だけ声の処理も少し変えています。“そもそも雨って何だろうな”って考えるところから書き始めたんですけど、自分にとっては家の外に出る機会もあまりないし、イヤなものではないなって。

──実際、この曲では雨を肯定していますよね。

maya:今でこそ雨が降る仕組みは解明されていますけど、さかのぼればさかのぼるほど超常現象みたいなものだったんだろうなと思うんですよね。

──恵みの雨と言われ、雨乞いしていた時代があったり。

maya:そうですね。雨にさとされるというか。

Aiji:情景描写が詩的ですよね。映画のワンシーン的な風景を思い浮かべて作った曲だったので、歌詞と楽曲のムードが合ってるなと感じました。

──“曇天架かる送電線が歪んだ五線譜に見える”という表現も詩的ですよね。

Aiji:そうですね。mayaの今まで書いてきた歌詞の延長戦上にありつつも新しいところに踏み出している感覚があって、なんか大人ですよね。

maya:(うなづく)

──レザーのモノトーンの衣装ともフィットしています。

Aiji:そもそも曲を作った時にオトナのROCKを目指してたので、自分の温度感とマッチしました。

■MVは、そこまで晒さなくてもいいのになと思うものになっています(笑)
■“土砂降りの中に君の声が聞こえたんだ”って歌っているのに、ゆるい雨じゃ許されないなって

──確かにアプローチは全く違うけれど、今回のシングルはオトナなLM.Cですよね。カップリングの「左耳のピアス。」はオーケストラアレンジだし。

Aiji:こっちはmayaの曲なんです。2年ぐらい前から「左耳のピアス。」という曲を作りたいと言っていたので、待っていたんですけどね。最初のデモはもっとテンポが速くて4つ打ちのループミュージック風だったんですよ。聴いた時に“せっかく温めてきた曲なのに歌詞よりもサウンドのほうに耳がいってしまうのはもったいないな”と思って、もっと歌を包み込む様なアレンジにしようと思って仕上げていった曲です。テンポを20ぐらい落としてmayaがオーケストラをバックに歌ったらどんな風になるんだろうと映像を思い浮かべて作っていきました。

──なるほど。曲調がガラリと変わったんですね。

maya:10周年が見えてきた時に形にしたいと思った曲です。自分的には最初に作ったヴァージョンも好きなんですが、この曲を作って残すことに意味があると思ったんです。どうしたら今のLM.Cに似合うのか考えてこのアレンジに落ち着いたので、やる意味や理由が生まれたなと。

──ファイナルのアニヴァーサリーライヴ、舞浜アンフィシアターで披露するのにピッタリの曲調ですよ。

maya:そうですね。でも、やらないと思います(笑)。

Aiji:(笑)。

──なんでですか? 音源限定?

maya:我々の中では今のところ、そういうふうにしたほうが素敵かなと。ただ、いっさい、やらないわけではなく、この先のライヴでもしかしたら1回ぐらいやるかもしれないけど(笑)、今のところ予定はないです。そろそろ、そういう曲もあってもいいんじゃないかって。

Aiji:ライヴで発表するだけが作品ではないですからね。録音物として残す大切な曲があってもいいんじゃないかなって。例えばこれがフルバンドだったら、こういう曲って許されない気もするんですよ。「ドラムが入ってない曲はやりたくない」っていうメンバーも中にはいるかもしれない。

──ギターも控えめというか。

Aiji:アコギだけ入っています。こういう大胆なアレンジができるって事も本来、LM.Cの武器だったんじゃないかと思うし、2人組だからこそ、こういう表現の仕方もアリなんじゃないかと。今回のシングルは「レインメーカー」といい対比になっている気がしますね。過剰な演出もなくソリッドでストイックに攻めたロックサウンドとオーケストラアレンジの「左耳のピアス。」というところで10周年目前の作品にふさわしいかなと。

──LM.Cを聴いてきた人にとっては“左耳のピアス”はシングル「LET ME' CRAZY!!」に出てきた言葉でもあり、おっ!と思うんじゃないかと。

maya:そうですね。LM.Cのロゴマークの左耳にピアスが付いているんですよ。最初はそれほど強い想いはなかったんですけど、歴史を重ねていく内に今もLM.Cが存在できている喜びだったり、あの頃と変わらない気持ちを感じているので、その象徴みたいなものなんですよね。5周年の「LET ME' CRAZY!!」の時もそうだし、そこからさらに5年たって想いが深まったというか。元を辿れば自分の左耳のピアスのことなんですけどね。

──どんな想いであけたピアスですか?

maya:16才の時にあけたんですけど、バンドをやりたいと思った時の衝動みたいなものですよね。だから、この歌詞は当時の自分やLM.Cを始めた頃の自分との会話ですね。

──「レインメーカー」で歌われている“君”が雨を呼び寄せるものや人だとしたら、「左耳のピアス。」の“君”は?

maya:ピアスの擬人化ですね。

──いい曲なのでライヴで聴けないのが残念です。

maya:(笑)この曲が似合う自分たちになれたら。

──タキシード着て歌って演奏してほしいですね。

Aiji:20周年迎える頃に、この曲をライブで表現できる器になってたらいいなと思いますけどね。

maya:でも、そういう日が来るのを夢見て活動していくのもいいかなと思いますね。

Aiji:フルオーケストラ背負って、いくら予算かかるんだ?って震えながらね(笑)。

──ははは。では、このへんで前作に引き続き、初回限定盤が豪華なので、特典映像の10th Anniversary Special企画~ドライブ編~「幻じゃなくてもいいじゃん!?」の内容についても、ぜひ教えてください。

Aiji:特に予告することもないぐらいゆるいですけどね(笑)。もともとLM.Cは長野出身の先輩、後輩という間柄というところから一緒にやるようになって今に至るわけですけど、今まで本当の“素”の部分っていうのはこういう映像作品ではあまり見せてきたことがなかったと思うんですよ。「MONROEwalk」の特典映像ではメイクして衣装も着て過去の楽曲やヴィジュアルやMVについてオンの状態で振り返ってトークしたんですけど、今回はホントにオフですね。2人がどういう距離感で会話して日々を生きているのか、みなさんに見てもらえたらいいかなと。

──で、なぜドライブしながら撮影したんですか?

Aiji:とりあえず密室で2人きりが良いだろうと。大勢、人がいるとどうしてもオンになっちゃうので。

──なるほど。2人きりになりたかったと。

Aiji:(笑)そうですね。“この2人だからLM.Cなんだ”っていうのが少しでも伝わるといいなって。ヴィジュアル系だから別にそこまでやる必要ないんですけどね(笑)。

──はははは。会話はずんでるんですかね?

Aiji:そのあたりは見てもらえれば。車に乗って、まず目的地を決めるところから入ってるので。

──タイトルが「幻じゃなくてもいいじゃん!?」なのも気になります。

maya:そこも見ないとわからないかも。

Aiji:ドライブ中の会話の中でタイトルが決まっているので。

maya:とにかく、ゆるいです(笑)。

Aiji:だから、これを10周年記念シングル第二弾の特典映像にするっていうのも…。

maya:謎ですね(笑)。

Aiji:「左耳のピアス。」の歌詞から引用すると“数限りなく在るアンサー そこに正解は在るかな 知りたくもないけど”っていう気持ちです(笑)。

──カッコよく言うとLM.C流のロードムービーですよね。

Aiji:そうですね。あてもなく走る。だから、これはコアなファンの人に楽しんでもらえばいいのかなって。そうじゃない方からしたらこのアーティスト写真でそんな素顔出す必要ないですからね(笑)。

maya:(笑)せっかく大人な雰囲気なのに。

Aiji:写真の感じを求めているのであればイメージが崩壊するので見なくて大丈夫です(笑)。

──それと「レインメーカー」のMVも見逃せないのでは?

Aiji:MVは土砂降りの雨の中でビショビショになって撮ってますね。

maya:野音のライヴで濡れたことはありますけど、映像では初めてですね。ドライブ編にしてもそうですけど、めっちゃ濡れているので「俺たち、ヴィジュアル系なんだけどな」って(笑)。

Aiji:MVもある意味、そこまで晒さなくてもいいのになと思うものになっています(笑)。“土砂降りの中に君の声が聞こえたんだ”って歌っている曲なのに、ゆるい雨じゃ許されないなっていうところで。

──了解しました。最後に一連のツアーのファイナル公演である10月16日の舞浜アンフィシアターのライヴへのメッセージをお願いします。だいぶ見えてきているのでは?

Aiji:自分的にはまだ見えていないですね。また歌詞を引用すると“この瞬間だけを生きろ”という感じでやっているツアーなので。過去のアルバムの曲をすべてやってきているから、俺とmayaは置いておいてもサポートメンバーは曲を覚えるのも大変だし、地獄だと思いますよ。

──本当にかわいそうだと思います(笑)。

maya:せめて大変ぐらいにしておいてもらってもいいですか(笑)。

Aiji:(笑)。でも、おかげで毎回、いいライヴを積み重ねてきているので、ファンとツアーを通して一緒に生み出して、膨れ上がった熱量を舞浜アンフィシアターに持っていけたらなって。

maya:いよいよ近づいてきましたからね。「この曲もやりたい、あの曲もやりたい」っていうのが増えすぎて今、困っています。でも、その悩み方もいいんですよね。今まではついついライヴの景色が想像できるセットリストを組んでたんですけど、今回のような機会があると引き出しから出してきた曲たちがたくさんテーブルの上に並ぶので、「今のLM.Cにこの曲、似合うな」って思ったりとか。今は見えてきたというより、想像している段階ですけど、一連のツアーをやって良かったと思えるような集大成のライヴにしたいですね。

Aiji:そうだね。いい意味でその先の未来に繋がるような。

取材・文●山本弘子

「レインメーカー」
2016.7.20 RELEASE
1.レインメーカー
2.左耳のピアス。
3.レインメーカー(Instrumental)
4.左耳のピアス。(Instrumental)

【初回限定盤】
VBZJ-26 / \4,800+ 税
(CD+DVD+ スペシャルブックレット)
■10th ANNIVERSARY BOX 仕様
■CD( 通常盤と同内容)
■DVD
・「レインメーカー」 Music Video
・10th Anniversary Special 企画~ドライブ編~『幻じゃなくてもいいじゃん!?』
■スペシャルブックレット

【通常盤】
VBCJ-30011 / \1,000+ 税
CD Only
■初回プレス分のみ、トレーディングカード封入
( 全10 種/ ランダム封入)

ライブ・イベント情報
『maya BIRTHDAY LIVE2016』OPEN14:00/START14:30
『maya の王様ナイト’ 16』 OPEN18:00/START18:30
7月30日( 土) 川崎CLUB CITTA’
★両公演:スタンディング\5,400( 税込)※ドリンク代別
6/25( 土) より全国プレイガイドにて一斉発売

<-Go to the 10th Anniversary LM.C TOUR 2016 ->
<STRONG POP>
8月7日(日) 札幌cube garden
8月9日(火) 青森Quarter
8月11日(木・祝) 仙台MACANA
8月13日(土) 水戸LIGHT HOUSE
8月14日(日)HEAVEN’ S ROCK さいたま
8月20日(土) 名古屋Electric Lady Land
8月21日(日)OSAKA MUSE
8月27日(土) 高崎club FLEEZ
8月28日(日) 長野CLUB JUNK BOX
【チケット:7 月16 日( 土) 全国一斉発売】

<Go to the 10th Anniversary TOUR FINAL>
☆★☆★☆Rock the WONDERLAND☆★☆★☆>
10月16日(日) 舞浜アンフィシアター
【チケット一般発売日】
9月3日(土)より全国プレイガイドにて発売
【問合せ】
DISK GARAGE:050-5533-0888(平日12:00 ~ 19:00)

最終更新:7月20日(水)11時22分

BARKS

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。