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MMSもテザリングも利用できる――UQ mobileの「iPhone 5s」を試す

ITmedia Mobile 7月19日(火)19時39分配信

 7月15日、UQコミュニケーションズが展開しているモバイル通信サービス「UQ mobile」向けの「iPhone 5s」が発売された。3月にはY!mobileが「iPhone 5s」の取り扱いを開始しており、iPhone 5sの“復活”が市場をにぎわせている。

【通信速度はどれくらい?】

 UQ mobile向けiPhone 5sの容量は16GBのみで、カラーはシルバーとスペースグレイの2色。価格は一括で5万400円(税別、以下同)。端末購入アシストで支払い、「ぴったりプラン」に加入すると月1400円、「たっぷりオプション」に加入すると月1900円が「マンスリー割」として割り引かれ、24回分を引いた実質価格はそれぞれ1万6800円、4800円となる。

 パッケージや付属品はこれまでのiPhone 5sと同様の見慣れたものだが、UQのiPhone 5sは“MVNOが扱うiPhone”という意味で珍しい機種なので、ソフトウェアや機能面で気になるポイントを確認していきたい。

●実際に使えるストレージは11GBほど

 初期状態ではメッセージ、カレンダー、写真などiPhoneではおなじみのアプリがプリインストールされている。

 気になるのはストレージ容量だ。UQのiPhone 5sは16GBモデルのみで、実際に使用できるストレージは11GBほどしかない。11GBは、写真撮影やアプリ追加などであっという間に達してしまう容量なので、アプリやカメラをアクティブに使う人は要注意だ。Y!mobileのように32GBモデルも用意してほしかった。iPhoneは外部メモリに対応していないので、写真をクラウドサービスや外付けストレージに移すなどの対応に迫られそうだ。

 毎月のデータ残量や、高速通信(ターボ機能)のオン/オフ、データ容量のチャージなどができるUQ mobileのポータルアプリがApp Storeで配信されているので、インストールしておくとよいだろう。

●MMSやテザリングを利用できる

 UQのiPhone 5sでは、「~@uqmobile.jp」のメールアドレスが付与され、MMSを利用できる。MMSはいわゆる「キャリアメール」に相当するものだ。iOSデバイス同士なら、SIMに関係なく「iMessage」としてメッセージアプリでやりとりできるが、Android端末やフィーチャーフォンとはMMSを使わないとメッセージアプリでやりとりできない。メールアドレスはUQのものに変わるが、キャリアメールを使いたい人には朗報だ。

 @uqmobile.jpのメールは月額200円の有料オプション。利用するには、メッセージアプリで「00090010」あてに「1234」というメッセージを送り、返信されたメッセージに記載のURLから申し込む必要がある。詳細はUQのサイトを参照。SMSの利用は無料だ。

 SIMロックフリーまたはSIMロックを解除したiPhone+UQ mobile SIMではテザリングは利用できないが、UQのiPhone 5sではテザリングも利用できる。同じくauのネットワークを使っているmineo(Aプラン)も同様に、iPhoneでテザリグは利用できない。それだけに、UQのiPhone 5sは、au系MVNO SIMでテザリングができる数少ないiPhoneだ。

●UQのiPhone 5sはSIMロックあり

 UQコミュニケーションズによると、iPhone 5sにはSIMロックが掛けられているとのこと。これはY!mobile向けiPhone 5sも同様で、理由も「SIMロック解除が義務化された2015年5月以前に発売された機種だから」とのこと。しかしUQが扱うiPhone 5sは新品なので、本来ならSIMロック解除の対象になってしかるべきなのだが、やはりiPhoneは特別ということなのだろうか。

●ランチタイム以外の通信速度は良好

 iPhone 5sの通信速度は理論上では下り最大100Mbps。iPhone 6sが下り最大262.5Mbpsなのを考えると物足りない数値だが、SNSやブラウザを使う程度なら、大きな支障はないだろう。7月15日の23時20分ごろにアイティメディア社内(東京都千代田区紀尾井町)にて速度を測ったところ、周囲の利用者が少ない時間帯だったこともあるが、下り40Mbps前後の速度が出た。

 MVNOにとって“鬼門”ともいえる12時30分頃の速度は、下り1.59/1.94/1.83Mbps、上り5.44/6.36/5.57Mbpsだった(7月19日にアイティメディア社内で計測)。さすがに速度は大きく落ちたが、これはUQ mobileに限ったことではなく、MVNOにとっては標準的な数値ともいえる。同日の11時台や17時台は、再び下り40Mbps前後の数値をたたき出し、ランチタイムを除けば快適に使えそうだ。

●専用SIMを採用、使い回しはOK?

 UQ mobileのSIMカードは、VoLTE非対応とVoLTE対応で異なるタイプが使われている。iPhone 5sはVoLTEに対応していないので、前者と同じタイプのSIMカードが使われているが、5sは専用のSIMカードが使われている。確かに、UQのiPhone 5sを起動したら、ピクトエリアに「UQ mobile 4G」と表示された。SIMロックフリーまたはSIMロックを解除したiPhoneにUQ mobileのSIMを挿すと、通信キャリアは「KDDI」と認識されるので、UQ mobile専用のSIMであることがうかがえる。

 では、UQのiPhone 5sに、UQ mobileで広く使われているVoLTE非対応のSIMカードを挿したらどうなるのか。VoLTE非対応のUQ mobile SIMを挿すと、ピクトエリアに「au」→「圏外」→「au 1x」といった順に表示がめまぐるしく変わって安定しない。圏外の表示でないときに通話はできたが、データ通信はできない。

 UQのiPhone 5sには、iPhoneを通信可能にするための「プロファイル」がインストールされていないので、これが原因か? と思い、UQの5sにプロファイルを入れてみたところ、「au 4G」の表示に切り替わり、データ通信を利用できた。……と思いきや、通信できたのは最初の数分だけで、途中から通信不能になってしまった。やはり専用SIM以外では利用できないと考えた方がよさそうだ。

 続いて、UQ mobileのVoLTE対応SIMを入れたところ、再起動がかかってアクティベーションを求められた。その後Wi-Fiネットワークを選択して進むと、「SIMが無効です」と表示されて、これ以上先へ進めなかった。VoLTE対応SIMは一切利用できないようだ。

 UQ mobileのプロファイルを削除せずにiPhone 5s専用SIMを入れ直したところ、最初の数分は通信できたが、すぐに圏外になってしまったので、プロファイルは削除した。

 UQのiPhone 5sでは専用SIMしか使えないことが分かったが、反対に、この専用SIMを他のiPhoneに入れたら通信できるのだろうか。SIMロック解除済みのソフトバンク版iPhone 6sにUQ mobileのプロファイルをインストールし、専用SIMを入れたところ、キャリア設定アップデートがかかり、アップデートをしたら、問題なく通信と通話が利用できた。ピクトエリアには「au 4G」と表示され、UQ mobileのVoLTE非対応SIMを入れたときと同じ挙動になった。

 ただしテザリングについては、「設定」→「モバイルデータ通信」→「インターネット共有」の項目が残っていたものの、このインターネット共有の項目がひたすら確認中となり、利用できないようだ。

●UQのiPhone 5sは買いか?

 CPUはiPhone 6sより2世代古い「A7」、通信速度も下り100Mbpsにとどまるなど、最新モデルと比べるとスペックは見劣りするiPhone 5sだが、640×1136ピクセルの画面解像度、800万画素カメラ、フルHDの動画撮影、Touch ID対応など、ライトユーザーには十分すぎるスペックともいえる。一括価格が5万円ほどなら「iPhone SE」を導入したいところだが、2年間使えば大きく割り引かれる。現行モデルでは数少ない4型サイズにも魅力を感じる人は多いだろう。

 何より、これまでiPhone+UQ mobile SIMでは利用できなかったテザリングとMMSを利用できるのが大きい。

 気になるのはストレージの少なさと、OSアップデートがいつまで続くのかという点。2011年に発売された「iPhone 4S」のOSアップデートが2016年のiOS 10で対象外となったが、この流れで行くと、2013年に発売されたiPhone 5sのOSアップデートは2017年で最後になる。そうなると、購入時期によってはぴったりプランや端末購入アシストの2年縛りの最中に最新OSにアップデートできなくなる。

 このように注意点も多いUQのiPhone 5sだが、上記のメリットに魅力を感じるなら、導入する価値は大いにあるだろう。

最終更新:7月20日(水)23時30分

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