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12.5型で世界最小をうたう「HP EliteBook Folio G1/CT」はMacBookの対抗馬になれるか?

ITmedia PC USER 7月19日(火)21時17分配信

 日本HPからAppleのMacBook対抗製品として登場したのが、薄型軽量を追求したノートPC「EliteBook Folio G1」だ。アルミニウム削り出しのボディーに12.5型のディスプレイを搭載し、最厚部でも12.4mmと、ほぼ極限に近いところまで薄型化している本体重量も970gと非常に軽い。今回はこの最先端モバイルノートPCの実力をチェックしてみよう。

【画像】青いケーブルがすてきな「HP USB-C トラベルドック」

●ノートPCとしてはほぼ限界に近い薄さ

 EliteBook Folio G1の特徴は、可搬性の高い洗練されたボディーデザインと高解像度のディスプレイ、入力しやすいキーボードなど、多くのモバイルユーザーが望むものを余すこと無く搭載している点だ。日本HPによれば、12.5型以上のディスプレイを持つWindowsノートとしては世界最小という。

 本体サイズは292(幅)×209(高さ)×12.4(奥行き)mmとほぼA4サイズ。重量も今回の評価機とした「スタンダード・フルHDモデル」で970gと、とても軽量だ。その軽さは実物を手に取ると実感できる。12.5型ディスプレイの表面積から得る視覚的な重さと比べて、手に持ったときの重さにギャップがあり非常に軽く感じられるのだ。本体の厚みもとても薄い。本体の一番厚い部分が12.4mmとなっているが、これは本体の薄さを売りにしているMacBookより1cm以上も薄くなっている。

 さらに、コンパクトさを実現しつつも米軍調達基準の耐環境性試験「MIL-STD 810G」を満たしており、モバイル機として十分な強度を確保しているのもポイントだ。このMIL-STD 810Gでは落下や振動、衝撃試験、そして高温や低温環境での温度耐久テストが含まれており、本製品はこの試験12項目をクリア。その強度確保の一因となっているのが、無垢材からCNCを使って削り出されて製造されているボディーだ。

 天板や本体部分など、外装の主要部分はアルミニウムで構成している。無垢材からの削り出しによって、ほとんどの部分につなぎ目がなく、一体化されている。よってねじりなどの負荷でもつなぎ目などから割れたりすることがなく、剛性を高める要因となっている。一方で、最近のモバイル機では一般的にはなっているが、バッテリーは本体内蔵式のため、ユーザーによる交換は行えない。

●スタンダードモデルなら手が出せる価格

 PCとしての基本性能も非常に高い。プロセッサには第6世代Core M(開発コード名:Skylake-Y)を採用。12.5型というサイズながらもフルHD(1920×1080ピクセル)だけでなく、4K(3840×2160ピクセル)という高解像度液晶モデル用意した。その上でメモリは全機種に8GBが標準搭載しており、ストレージには高速なM2接続のSSDを標準で採用する。本製品には複数のモデルが用意されているが、主な違いはプロセッサの種類、ストレージの容量や種類、前述した液晶の種類などである。

 今回紹介するスタンダードモデル・フルHDモデルには、プロセッサにCore M5-6Y54(1.1GHz/最大2.7GHz、2コア/4スレッド、3次キャッシュ4MB)、ディスプレイにはIPSのフルHD液晶が使用されているという構成だ。ストレージはM.2接続の128GB SSDとなる。Core M5-6Y54はTDP(熱設計電力)がわずか4.5Wとなっており、動作音の原因となる冷却ファンを搭載しないファンレス設計が可能な仕様だ。

 評価機と標準モデルではOSに違いがあり、標準はWindows 10 Homeであるのに対してWindows 10 Proになっている点が異なる。価格は15万8000円(税別)となる。なお、現在2000台限定のキャンペーンが行われており、通常より4万8200円も安価に設定されているのでかなりお買い得だ。なお基本構成で変更できる部分は、前述のOSとストレージ部分だけで、後はオプションパーツの選択と選択のみとなる。

 12.5型の液晶ディスプレイの表示解像度は1920×1080ピクセル(フルHD)に対応しており表示密度は緻密だ。さらに、4Kタッチディスプレイモデルはスマートフォンなどでおなじみの強化ガラス「ゴリラガラス」を

採用しており耐久性も高い(4KタッチディスプレイモデルはCore M7のみ選択可能)。表示品質もIPSに対応しており、視野角は広く画面の文字の読み取りもしやすくなっている。

 天板部分は180度開くことができ、完全にフラットな状態にすることができる。本製品の視野角の広さはプレゼンや商談といった作業にも向いているだろう。液晶の左右にある額縁部も狭く圧迫感がない点も優れている。

 キーボードも本製品の売りの一つだ。コンパクトノートで日本語キーボードを採用したモデルでは、変則的なキーレイアウトになりがちだが、本製品ではEnterキーも大きめで、レイアウトに特殊な部分は見られない。標準的なキートップは実測で16(幅)×17(高さ)を確保している。やや小型化されているCtrlキーやfnキーなどもキートップ幅が13mmほどを確保。さらにキーストロークは薄型モデルでありながら約1.3mmで、各キーの反発力が全て均一になるよう調整されているという。

 キーピッチについても18.7mmと、デスクトップ機並みのスペースを確保した。キータッチ音も目立たないように工夫されている。キーの文字はバックライトで光るようになっている。このため飛行機の中などのような暗くなる環境でも見やすい。モバイル機ではこうした細部が重要な部分となる。タッチパッドはボタンとパッド部分が一体化されたタイプ。広さは実測で幅93×高さ60mmと十分な広さが確保されており、手の大きな人でも十分に使える。

●拡張性の問題はUSB Type-Cと周辺で解決

 本体のコンパクト化、とくに薄型化が進むと一番影響の出るのが拡張性の部分だ。拡張コネクタの物理的な大きさや高さなどによって非搭載を余儀なくされるからだ。本製品では拡張性の問題をUSBの最新規格である「USB Type-C」で解決している。USB Type-CはUSB 3.1で用意された新しいコネクタ規格で、Micro USBと同等のコネクタサイズながら、本体の充電や外部機器への電源供給も可能となっている。また上下左右対称でどちらの向きにも差し込める。

 本製品では本体の右側にUSB Type-Cポートを2個装備している点がポイントだ。一つのUSBコネクタをACアダプター用に使いつつ、もう一つを拡張機器用に使用できる。とはいえ、現時点ではUSB Type-Cコネクタに対応した周辺機器は少ない。そこで本製品では、USB Type-C経由で接続し、従来のフルサイズ規格のUSBコネクタが可能にする「HP Elite USB-C ドッキングステーション(以下ドッキングステーション)」や「HP USB-C トラベルドック(以下トラベルドック)」といった周辺機器が用意されている。

 ドッキングステーションは、家などでEliteBook Folio G1を使用するための周辺機器だ。USBコネクタや有線LANポート、HDMIといった拡張コネクタや映像出力を備え本体の拡張性を高める。それだけでなく同梱の45WのACアダプターよりも強力な65WのACアダプターが付属しており、USB周辺機器だけでなくEliteBook Folio G1本体への電源供給・充電機能も行える。

 用意されている拡張コネクタは本体の表側にオーディオ出力、USB Type-C×1(SuperSpeedチャージ対応)、USB 2.0×1となっている。背面側にはDisplay Port、HDMI、有線LAN、USB 2.0×2、USB 3.0×1(電源OFF時のチャージ対応)が用意され、大型ノート並みの拡張性を持たせることができる。しかし、多機能である反面サイズは大きい。ドッキングステーションの本体サイズを実測してみると約157(幅)×20(高さ)×70(奥行き)mmある。加えてACアダプターは本体付属のものよりも非常に大きい。こちらも実測で約112(幅)×112(高さ)×30(奥行き)mmもある。ドッキングステーションはBTOメニューから購入可能で価格は2万5000円(税別)と、やや高めの価格だ。

 ドッキングステーションを外出先などで使えるようにコンパクト化したのがトラベルドックだ。本体サイズは実測で約131(幅)×18(高さ)×43(奥行き)mmとなっている。メーカー資料によれば重量は約76gとなっている。実測でUSB Type-Cケーブルの長さは115mmだ。

 トラベルドックが特徴的なのはUSB Type-Cケーブルがフラットケーブルになっており、本体部分に折りたたんで収納できる点だ。コンパクトになるだけでなく、持ち運び時にケーブルやコネクタが破損しにくいようになっている。これはドッキングステーションも同様だが、青い部分がゴム材質になっており、破損しにくい仕組みだ。用意されている拡張コネクタはUSB 3.0×1、USB 2.0×1、有線LAN、アナログディスプレイを接続するD-sub15ピン、HDMI端子となっている。ACアダプターは用意されていないため、本体を充電する場合は付属のACアダプターを使用する必要がある。

 アナログディスプレイ端子が用意されているのは、外出先でのプレゼン用途などでプロジェクタと接続することなどが多いためだろう。ドッキングステーションほどではないが十分な拡張性を備えている。こちらについては、製品価格は税別1万2000円となっている。なお、トラベルドックもドッキングステーションも本体内のストレージ領域にPDFによるマニュアルとドライバ類が入っている。

 付属のACアダプターについても触れておこう。付属ACアダプターの本体サイズは実測で約66(幅)×29(高さ)×67(奥行き)mmとコンパクトにまとめられている。最近では一般的だが、ACプラグ部分は折りたたんで収納することができる。EliteBook Folio G1では、本体の充電についてもUSB Type-Cコネクタから行う。このためACアダプターの先端部分はL字型形状をしたUSB Type-Cコネクタになっている。

 本製品では前述したようにUSB Type-Cを2個備えているが、そのどちらからでも充電可能だ。USB Type-Cはどちらの向きにも差し込めるため、ケーブルの向きを後ろ側にすることも前向きにすることもできる。どうでもいい機能のように見えるが、出先のコンセント利用可能な喫茶店などでACアダプターをつなぐときなどに意外と便利だったりする。なお充電中は手前側のUSB Type-Cコネクタ前にあるLEDで充電状態をチェックすることができる。

●ベンチマークテストでパフォーマンスを確認

 実際に定番のベンチマークテストでパフォーマンスを確認していこう。本製品の仕様をまとめておくと、プロセッサはCore M5-6Y54、メモリは8GB、グラフィックスチップはCPU内蔵のIntel HD Graphics 515、ストレージは128GB SSDで、評価機ではSanDisk製の「SD7SN6S-128G-1006」が搭載されていた。OSは64bit版のWindows 10 Proという仕様だ。

 Core Mシリーズは採用機がそれほどは多くないため、その性能については気になるところだろう。まずプロセッサ性能を計測する「CINEBENCH R15」の結果を見てみると、CPUで「197(cb)」、シングルコア時で「76(cb)」となった。次に総合性能を計測するPCMark 8のテストを行った。家庭での一般的な利用状況を想定したHomeのスコアは「2865」、Creativeのスコアは「3343」、Workのスコアは「3866」となっている。

 参考としてPCMark 7でもスコアを計測した。PCMark 7のスコアはOverallで「3745」となっている。TDP4.5Wという省電力CPUでありながら、これだけの処理性能を持つ点は優秀だと考えられる。ビジネス関係に限定するなら十分メインマシンとして利用できるだろう。

 続いて3DMarkでの結果を見てみよう。結果はSky Diverが「2335」、Cloud Gateが「3645」、Ice Stormが「34582」、Ice Storm Extremeが「24950」となった(GPU仕様の関係でFire Strikeなどは計測することができなかった)。同じ省電力系のCherry Trail世代のAtomと比べると全体的な数値は高い。

 続いてゲームベンチであるファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド・ベンチマークでは、「高品質(ノートPC)、解像度1280×720ピクセル)」、DirectX9という条件ではスコアは「1848」で「設定変更を推奨」という結果になった。画質を下げて「標準品質(ノートPC)、解像度1280×720ピクセル)」、DirectX9という条件にしたところはスコアは「2704」「やや快適」と改善された。

 同じく軽めのゲームベンチであるドラゴンクエストXベンチマークソフト結果は「最高品質、解像度1280×720ドット」時で「4018」で「普通」となり、設定を「標準品質、解解像度1280×720ドット」設定にした場合は「5241、快適」となった。軽いゲームには使えるが、グラフィックス性能を要求されるようなものはプレイを控えるべきだろう。

 SSDの性能測定には、いつも通りCrystalDiskMarkを使用している。本製品で使用されているストレージはSanDisk製のSD7SN6S-128G-1006であることは前述した通りだ。付属ツールなどの関係で複数のパーティションに区切られているが、今回は容量のほとんどを占めるCドライブ部分を計測している。シーケンシャルリードは507.8MB/s、ライトは178.5MB/sという結果で十分良好な結果といえるだろう。ランダム4Kの数字も上等だ。本製品ではBTOメニューからさらにNVMe対応の高速SSD(容量256GB、追加費用2万2700円)も選択可能となっており、さらに上の性能を目指すこともできる。

 最後にバッテリー駆動時間のテストを行っている。テストはbbench 1.01を使い、無線LANでの常時接続、60秒間隔でのWebサイト表示、10秒間隔でのテキスト入力を行う設定にしている。電源プランは「バランス」で、バッテリー駆動時のディスプレイの輝度は40%にしてある。バッテリー残量5%になるまでの動作時間は6時間48分だった。メーカー公称値の最大約11.5時間と比べると短いのが気になるが、ネットに巡回接続しながら6時間動作すれば及第点といったところだろう。出張先などで使用する場合でも内蔵バッテリーだけで1日の実務時間の大半をカバーできるのではないだろうか。

●デザインにこだわる人にお勧め

 本製品はモバイルユーザーにとって理想に近いサイズと機能を持った製品といえる。本体にはUSB 3.1対応のType-Cコネクタしかないため、トラベルドックを持ち歩かないと当面は実際の運用には不便だ。しかし、Type-Cの周辺機器が増えてくればこうした部分は将来的には解消されていくはずだ。

 ハードウェアスペックだけでなく、全体的な高級感や液晶ディスプレイの見やすさ、キーボードの優れたレイアウトとタイプのしやすさ、その上でベンチマーク時点でも7時間弱作業できるというバッテリー駆動の長さなど、全体的な完成度が非常に高い。利用していて感じたのが音の良さだ。スピーカーは底面側にレイアウトされているが、想像以上に音の広がりを感じた。標準時の本体価格が高いことは気になるが、現在キャンペーン中のモデルであれば、コストパフォーマンスは非常に高いと言い切れる。

 要望としては周辺機器、とくにトラブルドックやドッキングステーションは必須ともいえる存在なので、こちらの価格も値下げして欲しいところだ。とにかく所有欲をかき立てる完成度を持った製品であることは間違いない。

最終更新:7月21日(木)14時24分

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