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アーティストが未来のビジネスモデルをつくる、“おむつリサイクルDYCLE“の挑戦

SENSORS 7/19(火) 16:30配信

バウハウス大学でコンセプチュアルアートを学んだアーティスト松坂愛友美氏が100%リサイクルできるおむつDYCLE(ダイクル)を発案した。これは彼女のアート作品「All My Cycle」が根底にあり、不要な排出物を限りなくゼロにする“ブルーエコノミー“という経済概念とつながることにより生まれたビジネスだ。未来を見つめるアーティストが生み出すビジネスには、生活者の支持は多くとも投資家の支持が得難いという。彼女のベルリンでの挑戦を、同じくベルリンでアーティスト活動をしている井口なほ氏が取材した。

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アート作品を“おむつ“のリサイクルに変換

ベルリンは相反する物事が共存するカオスと秩序の街だ。EUを牽引する経済立国ドイツの首都でありながら、旧東の影を色濃く残す。発展途上国のようなデコボコ道や郷愁を誘う野原が町中に突然出現する一方、ロンドンを凌ぐ勢いでEUのスタートアップハブになった。

今回取材した松坂愛友美氏はワイマールにあるバウハウス大学でコンセプチュアルアートを学んだ後、日本にはない考え方が溢れるベルリンに惹かれ移り住む。当初はフリーランスアーティストとして活動していたが、DYCLE(ダイクル)というソーシャルビジネスの創始者へと変身した。

“ブルーエコノミー“、完全なるゼロ・エミッションの世界

DYCLEは自身のアート作品「All My Cycle」から端を発する。科学者と一緒に、自分の尿から安全な堆肥を作り、その栄養素で植物を育て食すという試みで、少しずつ展示や講演を依頼されるようになった。転機は2013年にバルセロナで行った発表会。そこでブルーエコノミーという概念と出会った。
ブルーエコノミーは、多様性に満ちた自然の生態系から着想された、完全なるゼロ・エミッションを実現する新しい経済モデルで、ZERI(Zero Emissions Research and Initiatives)の創立者グンター・パウリ氏が提唱する。人間が何かを行う際、害になるものや不要なものも産出してしまうのは避けられない。しかし、ある仕組みの中では有害と見なされるものも、違うシステムでは有用なリソースとして使いうる。このようにして、無限にリンクしたビジネスを紡いでいくのがブルーエコノミー。表現活動を続けていた松坂氏はビジネスの切り口でこのアイディアをスケールアウトさせることに目覚めたのだった。

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最終更新:7/19(火) 16:30

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