ここから本文です

拡大続く中間・富裕層、 “消費”の魅力高まるインドネシア-住友商事が不動産投資を積極化

日刊工業新聞電子版 7月19日(火)14時55分配信

マンション・オフィスビルから倉庫まで投資拡大

 住友商事はインドネシアで倉庫事業やマンション開発など不動産事業を拡大する。総額約35億円を投じてジャカルタ近郊に大型倉庫を建設し、花王が9月から全面運用を始める。オフィスビルやマンション開発も進める計画。インドネシアは中間層の増加に伴い、消費財市場や不動産需要の成長が見込まれている。

 現地財閥のロダマスと共同出資するスミットマス・プロパティー(ジャカルタ)が、ジャカルタ近郊のジャバベカ工業団地内に土地を取得。延べ床面積約5万3000平方メートルの大型倉庫を建設した。花王の現地法人が製造する紙おむつと洗剤の保管用として使われる。インドネシアでは生活水準の向上に伴い、紙おむつを中心に日用品の需要が伸びている。

 現在、住商のインドネシアの不動産事業は、ジャカルタ中心地の高層オフィスビル2棟の開発・運営にとどまっている。今後は既存オフィスビルの隣接地に地上34階建て、延べ床面積約4万5000平方メートルの新棟を建設し、20年度に完工する予定。さらに現地でマンション開発も始める計画。

 住商は日本のほか、インドネシアと米国、中国で不動産事業を展開している。今後も資産を積み増し、将来は海外の資産残高を2014年度比2倍の1000億円まで増やす計画だ。

■中間・富裕層50万人以上は54都市に
 かつて中国で沿岸部から内陸部へ開発の対象が移ったように、今後、インドネシアでも首都から地方へ視線が移りそうだ。米ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が実施した調査によると、インドネシアは経済発展に伴い中間層と富裕層が急速に拡大。両層が50万人以上住む都市は2020年に12年比2倍の54都市に増えるという。同国で事業を拡大したい日系企業は、需要を取り込むべく進出エリアを広げた方がよさそうだ。

 中間層から富裕層の世帯支出は、月200万ルピア(約1万7000円)―750万ルピア(6万4000円)以上を想定。12年に両層が50万―100万人存在する都市は13カ所あり、100万人超の都市は12カ所あった。これが20年には、50万―100万人都市が32カ所、100万人超の都市が22カ所に増える。100万人都市の中には中部ジャワのスマラン、シンガポールに隣接したバタム島、スラウェシ島のマカッサルなどが含まれる。

■都市から地方へ
 スマランやバタム島はすでに首都ジャカルタの土地高騰や賃金上昇を受け、製造業が次の候補地として注目している。中間層・富裕層が増えることで、今後は消費市場としても関心を集める可能性がある。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、インドネシアに進出している日系企業は1496社(14年3月)。このうち5割を占める764社がジャカルタに拠点を構えている。インドネシア政府は国土の均衡のとれた発展や首都と地方の格差是正のため、ジャカルタ以外への投資を奨励している。中国では内陸部の進出で日本企業は欧米勢に出遅れた。インドネシアでは挽回を期待したい。

最終更新:7月19日(火)14時55分

日刊工業新聞電子版