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秋谷の魅力を絵筆に込めて 横須賀の坂西さん、画集に共感

カナロコ by 神奈川新聞 7月19日(火)7時0分配信

 横須賀西海岸の景勝地・秋谷の街に魅せられて移住し、卒寿を過ぎてなお絵筆を握る男性がいる。美しい海辺の景色や身近な街並みを、優しい色使いで表現するのは坂西順さん(91)。自費で画集を出すほど描きためた作品の数々が、地域住民らの共感を呼んでいる。

 散歩の途中、思い付いたように道端へ座り込み、スケッチブックを手に思案を始める。目に留まるのは、昭和の香り漂う旧家や酒屋、理髪店…。色付けのため二日三日と通い詰める姿が周辺住民らの目を引き、自然と会話に花が咲く。

 「風景と人情が最高にいい。古い家をつぶさずに残しているのが素晴らしいし、忙しい都会では絵をのぞかれることもなかったから」

 自宅マンションのベランダから広がる相模湾の美しさにひかれ、東京都世田谷区から転居したのは8年前。街角のスケッチだけでなく、週3回通う介護老人保健施設で通所者の似顔絵や四季折々の花を描いてプレゼントし、評判を呼ぶ。

 今春には自費で80冊のみ画集を出版した。「当たり前の光景を、昔の思い出に重ね合わせて喜んで見てくれる」という近隣住民や、昨夏に亡くなった妻言子さんを最期まで支えてくれた施設関係者らに配った。

 現在は左膝のリハビリのため外出は控え気味といい「暑さ寒さも体にこたえる」。それでも、「いつかまた、道端に座って絵を描きたいという思いはある」。涼しさが戻る秋を心待ちにしている。

 坂西さんの画集は、介護老人保健施設「ハートケア湘南・芦名」(横須賀市芦名)にも所蔵。問い合わせは、同施設の介護福祉士、石渡三恵子さん電話080(3443)4686。

最終更新:7月19日(火)7時0分

カナロコ by 神奈川新聞